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74獣人民族大移動

獣人の集中診断という名の野戦病院とかした1日を終え、レオ達は結果を出せずにいた。

幸いケントが疲れて休んでいると連絡を受けて翌日まで猶予が伸びたとはいえ、せっかく作った里を捨てて行きたくない者動けない者と、生活できるならどこでも良いと言う真っ二つに割れてしまい最後の一票レオがどちらに入れるかで決着が付くのだがどちらに入れても禍根が残る為決めかねていた。


その為一睡も出来ずに朝を迎えてしまったのである。


「レオ様だいぶお悩みの様ですね。申し遅れました。私ケント様配下のアーネと申します」


「主人から結果を聞いて来いと言われたか?」


「いえ。このままではこの里は割れてしまうからお悩みなのでしょう。でしたらそれぞれの意見の代表者も引き連れてケント様に相談されてはいかがですか?我が主人ながら奇想天外な方法を思いつくかもしれませんし、このままではレオ様お体を壊してしまいますよ?」


「なるほどアーネとやら。感謝する。そちは主人の事をよく理解しているのだな。相談させてもらうとしよう。段取りは任せて良いかな?それまで少し休んでおくとするよ」


「かしこまりました」


「不思議な男だの〜ケントは」


日が昇りテルトの犠牲とたっぷりの睡眠で復活したケントは昨日の事が嘘の様にサッパリスッキリして朝を迎え、昨日使った薬液を追加で補充し、怪我人の様子を見に行った。

数人部位欠損を起こしていたが傷口はふさがっていたので上級と混ぜて内服してもらっていたが一晩経ってゆっくりとだが再生を始めている様で、ロバートの時ほど早くはないがこれで戦士団の人数がかなり確保出来そうである。

ノミダニ被害の方も重症者は感染源の撤去が成功したことで、体力が回復し抵抗力が上がった様で個人差はあるものの全員快方に向かい始め、いつもより体が楽そうである。

このまま順調に行けば回復は間違いがないか?

ただ完全回復までは俺たちがここに付きっ切りでいる訳にもいかないし、そこの判断は強制できないからレオ次第になってしまうが昨日聞く前に俺が落ちちゃって悪いことしちゃったな。


さてどうなっても良い様に薬を作り溜めだけしておこうか?移動するにしても残すにしても必要な物だから。上級は欠損者と戦士団が必要でしょう。中級は材料がなくて作れないから、下級は多めに用意して後は解毒と嫌虫は材料があるだけ、こんなものかなぁ?

後は体力をつけるためには食事だな。狩りにも行けてないみたいだから炊き出しをしよう。200人分の鍋がいくつかあるからそれでスープ作ればみんなに行き渡らせることが出来るだろう。

材料は魚介出汁でつみれ汁に刺身の切り身を投入して野菜は芋関係を中心にで良いかな?

後は器か?土を固めて大量に作ってみるか?

大地に手を付き大きめの丼をイメージして、ついでにスプーンの先をフォークの様にしたコンビニのスプーンみたいなのも作り出して…大地に沢山の気を送り込む事により、次々に地面から器とスプーンが生み出されていった。さすがに千人分はちょっと負担が大きかったかな?今後もあるだろうし無理やり気を作り出してでも仕上げてしまおう。

ここではそこまで使わなくても同じ事ありそうだしあって損はない。


陶器の様な器とスプーンを飽きるといけないので交互に100個づつ500個が出来たあたりでレオが呼んでいるとアーネが呼びに来た。

3人を伴ってレオのテントに赴くとずらっと並んだ獣人さん達…

しかも雰囲気は最悪。右と左に分かれ一触即発な雰囲気でその中央にレオと俺達がいる…

これは何の公開処刑だ?


「ケント殿すまんな。意見が真っ二つに割れておるでなお主にも話を聞いてもらおうと思ってな」


「なるほどそりゃ〜自分の一生を左右する事ですから譲れない事も有りますよね」


「それでは移民賛成派の意見を聞いてもらってから反対派を聞いて感想を聞かせてくれるか?」


「わかりました」


賛成派を代表して3人ほどが前に出てきた。比較的若めな奴が多い様で、意見としても将来性に関して多かった。

印象としては都会に憧れる若者って感じかな?

反対派の方は年配の方が多く伝統とか部族の輪とかが中心の話が多かった。


やっぱりどこも同じなんだね〜俺の田舎もこんな感じで昔はこうだったからこれじゃなきゃ何て言われて修行で都会に逃げてそれでも田舎がよくて戻ろうとしてたからな。

双方の意見はわかる。

ただこれを解決するには並大抵の事ではないが常々思っている事を提案してみよう。


まず現在のこの地を聖地化して、儀式や若者の成人認定に利用して、ここを獣人の大事な土地として整備して監視員として戦闘職を引退したものや年配の人にその運営をしてもらう。

そして基本的には生活の場は移転してもらい聖地を大まかな位置しかわからない様にしてもらい探すところから試練にするには距離的にちょうど良い。

そして新天地で生活基盤を移して収益を上げるものを持ってもらいその予算で奴隷にされている同胞を買い戻したり奴隷狩りを撃退するのに若い戦士団に敵を学びやすい環境を作る。

そしてここで聖地の試練をクリアした者をエリート戦士団に抜擢するようにしたらどうかと提案をしてみたら両派閥それぞれ話し合いを始めていた。


「ケント殿すまんが一旦時間を貰えるかな?」


ずっと置物状態にされそうだったが気を利かせたレオが退出させてくれた。

外に出ても二つの集団が話し合いをしていたがテントに出たり入ったりしているものがいて意見が活発になっている様でいがみ合っていた二つの輪が歩み寄りを見せていた。


おや?真っ二つに割れてた集団が歩み寄っている?

こりゃ〜移動になりそうだな。

準備しとくか?

バックからホバーバイクにリヤカー付けて並べて装甲車も出しておいて、リヤカーは長めに加工した板を二台に取り付けて積載容量を増やして病人を運べる様に改造した。

また大八車も数台バックに眠っていたのを出して何に使うって訳ではないが現物を獣人さん達に見せて反応を見る事にした。


結果はやはり移住で決まり、こちらからの提案として荷物は時空バックに入れて運ぶから体だけ移動に耐えられない人をこれらに乗せて動けるのを提示したら歓声が上がっていた。

獣人さん達の意見としては移動に難がある者を若者が背負うか見捨てるかで考えてたそうだがこれらが無事に解決できそうで喜びを露わにしていた。

良かった良かった。


しかしここからが早かった。

あっという間に話が広まり、2時間で出発準備完了ってすごいな…まるでこれからピクニックでも行くみたいだ。

怪我人は何とか分乗し、空きスペースで子供やお年寄りを乗せて総勢500人超の大移動が開始された。


今後避難民が立ち寄った時を想定して一枚の案内看板を立て新しい一歩を踏み出したのだった。



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