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60不穏な気配

「教皇様。教授並びに博士が参っております」


「やっと参ったか。早く連れてまいれ。ついでに将軍も呼んでおけ」


「かしこまりました」


教皇と呼ばれるものの一室に集められた人々

この者達は本来は自分の国で要職にある者なのだが小間使の様に呼び出され、自国の予定もキャンセルしてでも集まった人々である。


「西の方で徒党を組んで粋がっている小童がいる様だが、我が教団の教えを無視しているそうではないか。こ奴らを導くために行動を起こさなくてはいけないがどうじゃ?」


「教皇様、それでは聖戦を発動するということですか?」


「他に何がある?将軍そちには期待しておるぞ。異教徒共を粛清は任せるぞ」


「は!期待に沿う様兵を鍛え上げております」


「よろしい。時に教授例の件はいかがいたした」


「はい。それに関してはこちらの博士から報告がございます」


「発言を許可しよう。もうしてみよ博士」


「ありがとうございます。以前からの魔素濃縮は順調に魔石ランクを魔玉ランクに発達しております。これを利用してダンジョン化し苗床を用意すれば、独自進化した魔獣も確認出来ております。このペースでいけば近い内に結界の生贄交換も可能と思われます。しかし神樹の魔素濃度が利用できず研究が進みません」


「それで。どういう事だ教授」


「はっ研究が順調ですが秘境南部が開発進まないと研究が行き詰まってしまいます」


「なるほど。将軍確か秘境開発で活きのいいのが出てきていただろう。あれに人を回してやれ」


「ですがあそこは劣等民の生息域です。信仰心ある者は居ない地域です」


「だから落ちこぼれ共を送り込んでいざとなったら奴隷にでも落として乗っ取れば良いだけではないか」


「なるほど。私には思いもよりませんでした」


「ではその件は将軍に任せるぞ。それで良いな教授」


「「ハッ」」


「博士。その方も早く魔獣を使役して西の小童にぶつけられる様に励めよ」


「ハッ仰せのままに」


教皇は満足して3名を下がらせた。

現在コルテレット聖教国はコングリア王国とソルジット学術国の大半を傘下に収め、人種至上主義を掲げ勢力圏を広げていた。

元々は博愛主義を掲げていたのだがいつしか現役員による乗っ取りを受けて肩身の狭い一派になっていた。

今回の話は博愛主義勢力の左遷がてら秘境送りが決定し空いた地域を自分達の息の掛かった一派に恩賞として領地を渡すのには都合が良かった。

また秘境送りだけでなく西部のゼルトロア帝国との国境にも最前線送りとして厄介払いが行われていた。


現在帝国は実力主義を標榜し力こそ正義を掲げ、破竹の勢いで版図を拡大それはコルテレット聖教国との衝突が時間の問題となるまで迫っていた。


兵の質は圧倒的に帝国が上の為、防衛戦力として魔獣を使役し使う事が急がれていた。

その為人口地下ダンジョンを使い研究施設として使うのを古文書から調べ改造して結果が出始めて、使役の為の催促が来る様になってしまったのである。


そこで実験場として野生の魔獣を捕まえようとしているのだが上手くいかずしかも何箇所か崩壊したダンジョンも存在していた。


その原因究明も含めて十二家のスポンサーから依頼も来ていて博士としてはかなり追い詰められた状況に追いやられていた。

今回の会談で秘境の探索で騎士団が当たる事が決まった分負担が軽くなったが時間の問題である。


ただ商人連合十二家にとっては争いの種が有れば商売が繁盛するので所詮飯の種程度にしか思われてないのだった。





「なんだよクレセントゼロって!聞いてないよ!」


帰宅早々村は建築ラッシュが起きていて、移住者は増えていたが農地も拡張し牧畜も軌道に乗りクレセント単体でも時給自足が可能になってきていた。

冒険者も秘境奥地に行ける拠点として腕ききが集まってきていた。

その中で村の冒険者チームが発足されていてその名もクレセントになったらしい。

その初期メンバーとして俺たちはこの地を見つけたという事でゼロの称号を頂いていて、ジャックとシャロルを頭に生徒グループがファースト、ゴルド達のファンとして来たのがセカンドとしてこの村の顔役冒険者を仰せつかった様だ。


これは腕きき揃いだが柄の悪いのも非常に多く集まってしまって風紀が乱れる前にと、この村のルールを広報する為にチームを作らざるをえなかったそうだ。

このお陰で村人と冒険者の軋轢はなくなった様で村は順調に開発が進んでいた。


また途中の櫓を組んだ休憩所もちょっとした宿場として徒歩で移動する者でもこれる様に整備されていた。

ところが1つ懸念が中洲を結局カニやザリガニが流れてきていたとしても関係なしに開発が進んでしまった。

新人冒険者を安く使って育成させる目的だってからそれはそれで納得したのだがそれでも危なそうで心配だ。


それとまた大幅に開拓が始まるかもしれなくなった。

どうやらカイル様は本国から人を押し付けられたそうで、ホルドアの街は人口が飽和状態だから来た人たちは必然的に南部に集まってきてしまった。


カイル様がいるからレホの村は開発拠点になっているのだが、その中間のモト集落も大々的に開発対象になり人口が一気に万単位対応可能な拠点に開発計画が起きていた。


またクレセントからさらに南部にもまた偵察に行きもう1つ村を作る事になるかもしれないそうだ。それは南部に来る騎士次第だそうだが場合によっては少数民族の保護に動くつもりでカイル様は考えている様だ。



なんか周辺情勢の変化が激しいが我が家も家を空けていた間に変化が訪れていた。

我が家の生活者はクレセントのゼロ、ファースト宿舎として増築されていた。いつの間にか大家族の家である。

しかも今回ケント達が連れて来た5人もそのまま当たり前の様に受け入れられていた。

彼らはそのままここの家で使用人として働いてくれるそうだ。これはファーストの面々も留守番が出来て自由に狩りに行けると大喜びである。


警備の面も5人に懐いた地竜が居るので問題は起きないのである。


しばらくはこの村でのんびり出来るといいな。


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