36南部探索3日目〜
走鳥類の羽を使った布団計画は一旦中止にして、今度は活動拠点の設置場所を海沿い方面目指して走行していた。
一旦開けた場所に出たことで南東方向に比較的平坦な土地が開けておりそれを進みながら周囲を観察して魔物の生態調査を行っていた。
このあたりは肉食系の魔物がそんなには居ないようで気軽に走ることができている。
若干物足りない感じはあるのだが未開の地では無理をすれば即死に繋がる。
マップで見てもまだ虫食い状態だから、まずは地形を完全に記録させてから、周囲を細かく探索した方が良いだろうとなった。
ま〜このメンツなら多少は無理してもどうにでもなるんだけどさ〜それでもアーネの能力的に拠点を持って警備した方がより安全だからやり易そうな場所を探すことになった。
それでも魚料理にハマった二人は海に近いところを希望し、良さそうな場所があっても候補地として意地でも海に近いところに行けるように誘導されていった。
もともと海の近いところに住んでいたから俺も反対では無い。
その甲斐あって山を2つ越えたところで潮の香りがしてきた。
小高い丘がいくつかあり、それらを抜けると一気に平地が増えた。
日当たりも良さそうで農業にも牧畜にも向いてそうで、水捌けも良さそうな感じの場所が出てきた。
そこに小さいながらも小川がありその流れに沿って下流を目指していく。
下流を目指すにあたり少し足場の悪いところもあったがそれでも走行に問題はなく、順調に進む事ができていつしか既視感にとらわれるようになってきた。
なんとなく見た事がありそうな風景
どこかこの風景に懐かしさを感じながら進んでいく。
小川が何本か重なったあたりで川と呼べるような太さになってきた辺りで、やっとこの既視感に納得がいく答えが見つかった。
ここの景色は実家の側の風景に似ていたんだ!
この川を下って3度曲がりくねった先と丘の麓の辺りに実家があったんだ。
まずそこに行ってみよう。
そこからの景色なら田園風景が見えて、風の向きによっては波の音が聞こえるあたり。
徒歩にして10分で海につける距離。
そうそうこの雰囲気!
左に丘を見つつ右には川が流れ、川の先には平坦な土地が開けて農地に向いて、その先と後ろには距離はあるが三方向山を抱えている。
ここからはまだ見えないが向き的には南の方が海になるのだろう。
ここまで実家のあった所と土地の雰囲気が似ているところに出くわすとは思わなかった。
昔風水で作った都市に似た環境だと聞いた事がある。
これはこの土地に導かれたのかな?
もう気持ちはここに住む方向で傾いてきている。
しかし最後の審判どうせなら海を見てから決めよう。
実家にいた時でも乗り物使えば五分と掛からなかったんだ。
今は建物が無い。直線距離ですぐ行けるだろう。
はやる気持ちを抑えつつペダルを全開でこぎ魔力回路も起動し、海沿いにある林を抜けて飛び込んできた景色は…
青い海、白い砂浜。
まさにリゾート地のような海岸の風景!
砂浜は弧を描き湾を形成し、湾の両端には岩場が形成され沖にせり出している。
これだけの物が揃っていれば若干違ったとしても満足である。
もう二人に相談することもなくこの地に生活拠点作成で確定してしまおう。
「なあ〜俺ここ気に入っちゃったんだけど良いか?」
「良いところねぇ〜問題無いわぁ〜」
「ご主人様がよろしいのであれば私は問題ありません」
「二人ともありがとう」
「それでぇ〜どこに家作るのぉ〜」
「あの山を城壁に見立てて中心の辺りでどうかな?」
この位置は何気に実家があった辺りなんです。さっきの川のそばで丘の麓。
水源近くて、潮風防げるのでいろいろ都合が良いかなって思って言い訳こじつけしちゃいました。
「その考え面白いわねぇ〜山の稜線を少し切り開けば本当に城壁に出来ちゃうんじゃない?」
「ご主人様それでしたら私の子蜘蛛を増やす努力致しますので、偵察哨戒に張り付けるようにいたしましょう」
「なら稜線の所にも何か監視小屋じゃないけど準備するのも面白いね。木材足りなそうならそこから切り出して道作っても良いよね?」
「それならいっぱい木材取れるねぇ〜豪邸作れちゃうんじゃない?」
「それこそ町を作るつもりでもよろしいのではないでしょうか」
「さすがにそこまではまだ早いよ〜まずは3人で生活する規模にしようよ。自給自足できる状態になったら次考えようよ」
「そうねぇ〜肉は魔物がいるし、魚は海が近いし、野草はその辺に生えてるじゃない。あとは何が必要?」
「それでしたらパンを作るのなら小麦が必要でしょうし、野菜も種類がないとすぐ飽きてしまいます」
「その辺りは栽培したことないから誰かに教わらないといけないね〜しばらくはレホ村から買ってくるしかないだろうね。幸い時空バックがあるから大量に買い込めるし、魔物いっぱい狩って売れば問題ないでしょう?」
「そうねぇ〜ギルドが進出してきたのはちょうど良かったのかもねぇ〜ここまで呼んじゃう?」
「それはさすがに無理じゃないでしょうか?最低限レホ村からの道が作られないことには輸送の問題が生じるのではないでしょうか?」
確かに…
ここに来るまで川2本ぐらい渡ってきてたしね。
でも前線基地欲しがってたから意外とすぐ町になっちゃいかもね?
そんじゃ〜ここに住むにもいろいろ必要なものがあるから一度報告がてらレホ村に戻って買い出しでもしてこないとね。
もしかしたら大きい街にも買い物に行かないといけないかもしれないし、そこまで決まればまずは今日この場所に建てる家を話し合って整地して、晩御飯の準備して、明日には出発しよう。
その時にはなるべく最短距離になる場所探して、川に橋を掛けないといけないからやっぱり木材が必要だよね。
それを集めるのにはもう1日必要か?
そうなると結構な量だよね?
稜線の分はまだ何にするか決定してないから取っておきたいし、途中の山に道を通す用にもう切り開いちゃうか?
よしそうしよう!
二人に今後の予定を伝えて、テルトは山に山菜取りに、アーネは海に魚取り、俺はレホ村までの道の整地でその日を過ごし明日に備えるのだった。




