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35南部調査3日目

朝起きて早速糸を繋いだままの子蜘蛛から情報が入ってきた。

全部が無事だったようで回収に向かう事になった。糸付きの方からはいくつかの魔物の姿を捉えていたようだが、アングルが悪く何かまでは特定ができなかった。


猪を仕掛けた場所に到着するとそこには何も残っていなかったが、少しは食い散らかした残骸と毛ぐらいはのこっていたのだが…


到着してレーダーには何も反応が無い様だったがテルトと俺は一応警戒態勢をとり、その間にアーネが糸を繋いでいなかった子蜘蛛からの情報を収集整理してあった通りに脚色も無く淡々と報告をしてくれた。


まずはじめに現れたのは犬?狼?大きさ的には猪より小さいから2mは無いだろう。

その後は熊が出てきて獲物を掻っ攫っていった。体が4m近かったから相当威圧されたのだろう犬?は悔しそうにして去っていった。


途中で獲物が無くなってその後は何も映らなかったようだが最低限犬?と熊がいるのは確実だろう。

これを参考にしながらさらに南下ルートを続ける事にした。


南下が進むと地面の状態が悪くなってきた。

水気を含んでおり、泥濘が三輪バイクもどきでは少々荷が重くなってきたので徒歩での移動に切り替える事になった。


進んでいくと爬虫類系の魔物が増えてきて生態系が変わった様だった。

サイズは大きく無いが蛇系、トカゲ系、亀系、ワニ系と少々厄介な物もいたので慎重に歩みを進めていた。

幸い足元はさほど悪化もせずどうしても酷いところはテルトが魔法で地面を硬化させて戦闘でも優位に立てる様に足場を作ってくれた。


しかしこの爬虫類系は鱗などの装甲がありなかなかダメージを与えにくかった。

それでもビッチリ装甲があるわけではないので隙間を狙っての攻撃を求められ、そのお陰で3人とも攻撃精度や技量が自然に上がっていった。

テルトの魔法も火が効きやすくよく使っていたことから赤い炎がより温度が上がり部分的に青い炎も現れるようになってきた。これはテルトの魔力が順調に戻ってきている証なのだろう。


湿地を進んでいるとついに進行ルートが沼で阻まれてしまった。

東南方向の進路にはどう見ても崖のような山しか見えなかったので、西南方向に向かう事にした。

沼の中には魔獣クラスと言っていいような反応もあるのだがこの状態で戦闘になっても足場の悪さから苦戦は目に見えているので回避する為にも沼から離れ気味に移動をしていった。


その後魔物クラスを討伐しながらやっとの事で湿地帯から脱出する事ができ、そこからは再びバイクもどきに乗り山越えルートに挑んでいった。

山越えルートはまた違った種類で蛇、トカゲ、に犀や豹なども現れてきていた。

この辺りはなぜか魔獣クラスが出てこないがそこそこ戦闘力を持った種がたまに見かけられた。

しかし余程用心深いのか縄張り争いで傷ついて動けないのか近寄ってはこなかったので移動するには都合が良かった。


戦闘に然程ならず、順調に上り坂が終わり下り斜面に入っていくと、そこそこ傾斜が厳しい所もあったがジグザグに進めて難なく進めていた。

獣道のような所を進んでいるので魔物の遭遇率は比較的高いのだが、それでも2人が遠距離中距離で先制攻撃を効かせるので大して強く感じること無く雑魚扱いで感覚が麻痺してきていた。


しかしこの辺りの木が比較的立派なのが多いのでめぼしい木を見つけてはバックに収納して木材を稼ぐことが主目的になってきたのである。

直径で70cmくらいあり長さも8m位あるから夜営の小屋拡張計画を3人で話し、盛り上がりながら進むので移動があっという間に進んでいるように感じた。

木材の大体の量で、このくらいは出来そうで、大きくするならこれ欲しいなど、みんな言いたい放題である。


そこでみんな賛同したのがベットが欲しいとなって、どちらかと言うとフカフカの布団で寝たいとなったのである。

そこで布団の材料に向きそうなのがこちらでもやはり鳥類の羽という事になった。こちらでも羽毛布団は高級品にはいるみたいだ。

みんなの欲求は急速に鳥を狩りに行こうとなって、近くで鳥類の魔物を探そうとなり、魔導の書庫(タブレット)にダメ元で検索させたらここよりすぐ西側で走鳥類の生息域があるらしい。

走鳥類と言うとダチョウみたいなものなのかな?

この言葉だけでは想像ができないが案内してくれるぐらいだからそこそこ良いものが出来るのを期待してひと狩り行くことが満場一致で決定した。


それに伴い小屋改造計画は白紙に戻り、家新築計画が持ち上がってしまった。

狩場に着くまでは質の良い木を見つけては切り倒しを繰り返し延々と木こりを続けながら丸太にした状態で収納している。


もうすでに拡張計画の時の必要量を超え第1期新築計画の必要量もカバーできる量になり、ここで木材の回収は終了となりそうだったのだが家具も備え付けにしようと話が出て、さらに水場には石の方がとか欲が出てきた。

やはりこういう事をする時は欲求が強く出てしまうんだね。仕方なく今度は質の良さそうなものを発見したら回収しようとなったのである。


ところがこのあたりの石はあるにはあるのだが非常に脆い。とてもじゃないが加工に耐えられなそうでちょっとの圧力ですぐに崩れてしまう。

さすがに砂地が多い地域では建材に向く良い石は出ないようである。



木材を集めながらの移動はなかなか進まず山を越えては開けた場所に出てを繰り返し、西に向かっているとだんだん出くわす魔物の強さが上がってきてるように感じている。

もしかしたら西の方に魔獣種が縄張りを持っているのかもしれない。

昨日見た虎もやはり西の山に縄張りを持っていたようだし、このあたり東側は海に面してるのでそっちは比較的安全なようだ。


そうなると拠点は海に近い方が良いかもしれない。

ひとまず走鳥類の羽を集めたら海沿いに移動して新築計画を実行する場所探しをしてそこから周囲の探索をして行こう。




西に進み出して1時間

そろそろ昼にしようかというタイミングで視界の開けた場所を探していたらついに走鳥類と思われるものを発見した。

しかしタイミング悪いところに猫科を思わせる魔物が狩りをしている最中であった。

走鳥類は簡単に言えば飛べない鳥で地面を走って移動しているがこれが意外と素早い。

猫科の魔物もメスライオンが集団で追い回しているような感じだがなかなか追いつけないようで、徐々に包囲網を狭めて三羽ほどを集団から引き離し、周囲を囲って一斉に飛びかかり辺りには暴れた時に飛び散った羽が空を舞っていた。


メスライオン達は仕留めた鳥を咥えて何処かへ運んでいき、走鳥類は仲間の犠牲の間に逃げ切り、残されたのは暴れた時に抜けた羽だけだった。

走鳥類のあの速さでは今から追っても追いつけそうに無いので残った羽だけでも集めて、海沿いを目指し活動拠点設置場所探索を優先するのであった。


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