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32南部探査1日目

今日はレホ村を少し南に下がったが岩場が増えてきたので、東寄りに進路をとった。東に向かうと次第に大地は平坦になり木々も少なくなってきてバイクもどきも速度が出せる様になり乗ってきて3時間ほどで端までたどり着いてしまった。

そこは見渡す限りの波がある水面だった。

どうやらこの世界にも海があるようだ。

これは良いものを見つけた!趣味の釣りが出来る!ここなら投げ釣りが出来そうだ。ポイントとして覚えておこう。


でもせっかく来たなら少しはのんびりして行こうかな〜。


「な〜まだ始まったばかりだが、こんなに良い景色だから飯でも食ってのんびりしないか?」


「さんせぇ〜何食べるぅ〜?」


「では準備をいたしますご主人様」


「そうだアーネの糸って水の中どうなの?魚とか捕まえられる?」


「やったこと無いので試してみます」


「よろしく!こっちはステーキでも焼いて待ってるからいっぱい捕まえといてね」


役割分担が自然にできてテルトがカマドを土魔法で作り上げ火をつけてもらい、ついでだから鍋に海水を汲んで蒸発させ塩を作ってもらった。

俺はイノシシの肉があったからそれをさばき火加減調整してじっくり中まで火が通る様に焼いた。

アーネは初めての事で苦戦したようで、水の中で糸を操作するのは難しかった様だ。そこで俺が練気創生を使いルアーを作った。それを糸でくくり遠くに投げさせ、一定速度で糸を手繰り寄せる感じで巻かせた。

ルアーを投げさせるのも魔力のおかげかコツを掴んで500mも飛んで行ってかなり沖に着水。普通の釣竿でも半分も飛ばないのにどうなってるんだ?糸の操作で上手いことやったって事になるのかな?ここは素直にそう言うものだと思う事にしよう。さすがに地道に巻き上げが大変なのか何度かやるうちに同じ位の飛距離で移動しては投げて糸を引っ張りを繰り返していた。

何投目かでアーネは糸を両手で手繰り寄せ始めた。かなり遠くで魚らしき物が跳ねて、しばらく格闘の末見事に1m級のカンパチに似た魚が上がった。知っているのと微妙に違うが食えない事も無いだろう。メガネが警告出さないしどうせだから解体ナイフで自分で捌いて中も確認する事にした。


腹を開き内臓を出してこれは瓶に入れて魚醤を作る用に保存する事にした。その後は頭を落とし三枚に開き骨処理して半分は刺身半分は焼いて食す事になった。


結果は好評でテルトに作ってもらった塩が良いアクセントになり2人ともあっという間にたいらげてしまった。魚は2人とも食べた事がなかった様でおっかなビックリ


喜んでもらえてよかった。これで何度かやっていけば魚醤も出来ていくだろうからその時もまた驚くだろうな〜今から楽しみだ。醤油の味わいもまた良いアクセントになるから是非進めないといけないな。


お腹は満たされたがテルトが塩にハマってしまってもっと作りたいと言い出し大規模に釜を作り海水を入れて魔法で下から火を制御し、海水から水分を蒸発させ始めた。

アーネと顔を見合わせ仕方ないとばかりにしているが、これはチャンスとばかりにその顔は緩みきっていた。

そこでアーネには何個かルアーを作って魚釣りでどの色のルアーがよく釣れるか調べてもらう名目で釣りをしてもらう事にして、定番イワシカラーに始まり白赤、ピンク、オレンジ、金など実際に販売されている色を参考にどれが良く釣れるかの研究を委ねた。


そして俺はその間の暇つぶしに練気合成でどこまで出来るかの実験を検討していて、砂の中にある砂鉄を集めてみる事にした。

地面に手を付き練気合成と唱えると、手から光が地面に染み込んでいき次第に地面を覆う様に広がっていき半径20m位は広がった様に見える。すると砂浜が振動してる様に見えて黒い粒が次々集まってきて1つの山になっていった。鑑定してみると『砂鉄』どうやら第一段階はクリア出来た様だ。そこから砂鉄を一塊手に取りもう一度練気合成を唱えるとサラサラな粉だったものが少しづつ粒が大きくなり1つの塊が出来た。

『鉄』予想通りだったけどもっと良いものが出来ないかな?やっぱりこれじゃ不純物が多いのかな?

それならこの鉄から不純物を除いてと…『鋼』

ありゃそんなに上手くいかないか…砂鉄からの製法は確かたたら製鉄だよな?それなら原理を応用して砂鉄を集めながら高温で加熱するヒートプレスを使うイメージで温度調整を暴走ギリギリまで上げてと、それで酸素を奪う…?炭素を奪う…?どっちだっけ?まあ良いや両方無くさないといけない物だからそれを奪うイメージを込める。よし!ここまでは順調。後は冷やしてから鑑定してみるか。


『ズク』『玉鋼』……


うぉ〜!?できちゃった!?

ほんのちょっとしか無いがそれでもこれで出来たのは大きい!

これは今後研究が必要だな暇ができたらいろいろやってみよう。

武器にするには少な過ぎるからもっと取れる様にしないといけないだろうし、玉鋼をベースに合金の研究とかも気軽に出来るかもしれないから、素材になりそうな物は積極的に集める事にしよう!


そうこうしてるうちに2人は終わったらしい。

塩は当分作らなくて良さそうなくらい鍋に山が出来ており、魚も食べきれないほど釣れた様だ。

大量に塩が手に入ったので魚の内臓は魚醤用に身の方は塩揉みして干物にしようと思う。ちょうどリヤカーが何も乗ってないから台を作り屋根を設置し日陰にしつつ風通し良くして糸でくくって吊るしていく。このまま走行すればおそらくできると思うので一石二鳥である。

時空バックに入れちゃうと熟成されないからアナログに頼るしか無いよね?

食べ物だから昔ながらの方法にこだわって良いよね?


こんな感じで晩御飯に食べられる楽しみにして気分良く砂浜を後にし、進路を南に向けて移動をするのであった。


移動を始めしばらく南下をしていると今度は大きな川にぶつかってしまった。

川幅も広く普通には渡れそうに無いが渡れるポイントを探すために川沿いを上流に進んでいった。


川沿いは比較的なだらかで大きな石もあまり無く、走行する分には問題なさそうである。

しかし川幅は広いままでなかなか渡れそうなポイントは無く延々と西に進んでいるが次第に川は北西に進み始めた。

このままではレホの村に戻ってしまいそうな方向を向き始めてしまったので、仕方なく流れの緩い所で徒歩にて渡る事にした。


ここで大活躍したのがアーネである。両岸の大きい木に糸を張りこちら側が高いので傾斜をつけ太めの木の棒に糸をつけてまるでブランコのようにして座ったまあ川渡りをする事ができた。

よく公園にあるターザンロープを座る形式でやったのだが下が川でネット無しはなかなかのスリルを味わう事ができた。

高所恐怖症の俺には出来たら遠慮したいものでした。20mくらいの高さからはさすがにキュンと縮こまりましたよ…そこから飛び降りる様に行くのですから…たぶん顔は青くなったままですよ…

そんな俺は放ったらかしに2人はキャッキャと楽しいと騒いでますけどね…


川を渡ってからは平坦な地形が続いていた。

これだけの大河で片側が崖片側は低い平地、これは過去に川が氾濫でもしたかな?そうなるとこの辺りは案外危険なのかもな〜もう少し南まで進むとしよう。


道無き道を進むこと2時間また川に出くわしてしまった。今度も先ほどのまででは無いが川幅は広くそこそこ水深がありそうだ。


さてどうしようか?

さっきは上流方面でターザンで渡ったが下流の方が渡りやすいのかな?海までいけば浅くなるところも出てくるだろうけどそっちの方が良いのかな?

それよりは簡単な筏作って渡っちゃえば良いのかな?

どうせ3人渡れればいい事だしそれにするか。

そうだとしたら木を探さないといけないから下流よりは上流に行った方が手頃な木材が手に入るか…


そんな感じで脳内会議を終え、木を探しに上流に向かうとカニの大群対ザリガニの大群が縄張り争いをしていた。

お互いが硬い甲羅と爪で攻撃が大して効かず物量で押合い陣地争いで一進一退を繰り返していた。


双方大きさは60cmが多いが中には1m級の個体まで確認出来た。

数はぱっとみて300づつはいそうだがこれを殲滅するには骨が折れそうだから見なかった事にして、上流に行くのを諦め結局下流で渡河を考えることにした。


下流に下って行くと海が近いのか潮の香りがしてきて海が近くなってきた様だ。ところが次第に川幅は広がり想定以上に80m位になってしまった。しかもなぜか川なのにエイが大量に泳いでいた。なんか昔、エイが異常発生して海水浴場閉鎖されたってニュースやってたのを思い出したよ。あの時の映像みたいにうじゃうじゃいるが1匹が1mサイズでちょっと規模が違いそうかな?

エイって尻尾に毒の針持ってるんだよね?それでも細かい返しがあって抜けにくく毒も持っていて結構厄介だったはず…こいつには関わらず行った方が良さそうかな?


結局中流域に戻り重しになりそうな岩を見つけ、アーネに太めの糸を四本出してもらい一本は足用二本は両手でバランス取るよう、一本は頭上で移動式の命綱を付ける用でロープだけの吊り橋の様なものを掛けてもらい1人づつ綱渡りで渡る事にした。

糸を出し終わるとアーネは流石に疲れたのか荒い息をしていた。太めだったせいか辛かったのか顔色も少し赤いようで潤んだ瞳をしていた。


大丈夫だろうか?


回復を掛けようか提案するもなぜか断られるし、仕方なくさっさと渡る事になった。

俺が先に渡り、万が一に備え2人を引き上げる用の糸も渡され進み、途中何度か風に煽られふらつきながらも無事に対岸に着き、アーネが先でテルトは後になり疲れたアーネのサポートもできる様に考えてくれたようだ。

15m程の綱渡りを全員終えると今日は移動をしないで夜営準備をする事になるのであった。

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