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24蠱毒脱出

ピピッ

「解析完了」


「女性の腹部を利用し、虫型魔物の育成機関。

産まれた魔物に魔素を与え、急速育成させ生成された魔石を依代にしてさらに次の魔物を作成。

産まれた魔物はダンジョン内に放ち共食いをさせ生き残った物を進化させ最終的には魔獣を作成するものと思われる。」


なんてこった!?フードの連中が言っていた苗床ってそういう意味だったのか!!


チャリチャリチャリ

ん?なんの音だ?鎖を引きずる様な…


バチーン!


ヤバい!テルトに鎖が巻きつこうとしてる!でも弾け飛んでうまくいってない様だ。

このままじゃテルトが奪われてしまう。


メガネサポート任せた。

ピピッ「シザーズ使用許可を求めます」

好きにやってくれ


…俺メガネと会話してるんだよな…客観的に見たら…


えぇ〜い考えてる暇は無いテルトを助けないと!


ヒューン

二本のハサミが飛んでいき、魔法の鎖を切り刻んで行った。ついでに女性達を拘束している鎖も片っ端から切り刻んでいる様だ。

俺は急いでテルトの元に駆け寄り絡みついてる蔦を剥がしていった。


「おいテルト!聞こえるか?目を覚ませ!」


クソっ!なんだこの蔦!?全然外れん!


見た目は普通の植物なのだが触った感じはヒンヤリと冷たい。まるで金属の様な手触りだった。手に気を纏って引きちぎろうとするが力任せでは上手くいかない。


ガキーン!


うおーあぶね〜な〜そうだこいつがまだいたんだ。

まだ鎖に繋がれた蜘蛛が襲ってきた。

器用に四本の脚を槍の様にして連続で突いてきたが辛うじて躱すものの一発目に衣服を切り裂かれてしまった。


「邪魔すんじゃねーこのバカ蜘蛛がー!」

二発三発と脚の突きを躱し、四発目の右前脚こちらから見て左側の脚を左手でいなしながら捕まえてそのまま引き寄せ背負い投げの様に投げ飛ばした。

地面にぶつかる寸前に蜘蛛は他の脚を使い逃れようとしてくるが、投げながら触雷を食らわせ、多少こちらも痺れたが身体機能を一瞬でも奪ってその隙に頭から地面に突き刺した。


こいつも鎖に繋がれていたからもしかしたら操られていたのかもしれない。今のうちにこいつの鎖も切断しておいた。


蜘蛛が沈黙した事で、再度テルトの前に行き壁の草に練気合成を利用した材質変化を試みることにした。

すると壁面一帯を覆い尽くす蔦が脈動し始めていた。

そして拘束されていた女性達はすべて解放された様だ。

これで一段落ついたのかな?鎖からも解放されてそのショックかみんな気を失っている。


問題は脱出方法がわからないんだよな〜

確か魔法陣みたいなので入っていってたしな〜

蜘蛛が起きれば何か解るかもしれないけどそもそもこいつと意思の疎通が出来るのか?

そうなるとあの時他には…子供の頭ほどの石が鎖みたいなのを出して巻き込んで沈んでいったんだよな〜

それならあの石がここの地下迷宮の核になるのか?

だとしたらあの時の石を探しだせば何か手段が見つかるかもしれないな。


でもこの人数放ったらかして探すわけにもいかないし、最低限テルトが起きるのを待つしか無いのかな?

悩みに悩んで対策を練るが結局一人では何も出来ないので最低限一人起きるのを待つ事にした。



数分後


「う〜〜ん。ここは…」

「テルト!すぐ離れて女性達を守ってくれ!」


テルトは急に呼びかけられてビックリするがまだ靄がかかった様な状況であるが急速に頭脳が覚醒を始め、瞬時に現状の認識とともに等間隔に横たわる女性達の元へ走っていった。

走りながらケントの方を確認するが光る玉から伸びる鎖の様なものが、ケントに纏わりつき引き寄せようとしていた。

また反対側には巨大蜘蛛がおり、同じく玉から伸びる鎖にズルズルと引き摺られるのを必死に耐えている様であった。


玉はケントを捕獲に動いた様だ。

玉からはさらに光で出来た鎖の様なものが巻きつくだけでなく、体内に侵入した様でまるで体を乗っ取るかの様な動きを始め、徐々に鎖を全身に固定し玉自体がケントの腹より侵入し始めた。


「ウガガガガガ〜」

ケントの腹部に接触した玉より膨大なエネルギーが流れ始めた。

まるで感電しているかの様な状態にケントは陥りもはやなす術もなく耐えるのみになっていた。


「ダメ!このままじゃケントがいなくなっちゃう!」


テルトは玉から溢れる魔力の流れを見ながら、ケントの魂が傷つけられているのに耐えられなくなりケントの元へ駆けつけた。そして光る玉から流れ出た力を一旦ケントに入れそれを自分に適した形に変換させ、そのエネルギーをテルトが吸い始めた。

しかし膨大すぎてあっという間に自分の魔力が溢れてしまった。

そこで捕まってた娘達を目の覚めたものから近くに来させケント経由で吸い上げた魔力を譲渡していった。しかしそれでも直ぐに限界が訪れ、魂の核を保護するしか出来なくなってしまった。


「このままじゃ…」


ふと横を見ると引き摺られた蜘蛛が横に来ていた。玉がケントにかかりっきりになったせいかギリギリで踏み止まっている様だ。


「あんた助かりたいなら協力しなさい」


テルトが蜘蛛に声を掛けると、驚いた素振りをしたが頷いて来た。

近くに寄らせケントと蜘蛛に触れた状態で、ケントの中に押し込められた魔力を蜘蛛に流していった。

するとみるみる玉の輝きが衰えていった。大きさも段々小さくなり、ついにケントの気と玉の魔力の力が逆転して、今度はケントの気が玉を侵略し始めた。


パリーん!プシュー!


玉は抵抗していたが簡単に侵食され、何かの術が壊れるとケントの中に吸収されてしまった。


「うげぇ〜きもちわりー」


「普段と違う力が溢れちゃってるから慣れるまではしょうがないんじゃ無い?」


「そうは言うけどさ〜」


「なら玉が使っていた魔法をイメージして使ってみたら?放出したら楽になるかもよぉ〜試しにこの蜘蛛に巻きついてる鎖解いてあげたらぁ〜?」


「おお〜そうかやってみるよ」


ケントが玉を吸収したが蜘蛛の拘束している鎖はそのままだった。だから腹から何本も鎖が出て蜘蛛に巻き付きピンと張ったままだった。

まずは緩めることから試みると何本かは垂れ下がって来たのでそのまま外すイメージを持つと何とかなった。しかし異質な魔力で制御が難しい。

苦労しながら何とか最後の一本まできたら、気が抜けて事故が起きた。

交通事故も家の近くが事故率高いと言うように、目標が達成間近での油断で制御不能の魔力が大量に最後の一本の鎖を伝い蜘蛛に流れた。


「ちょっとケント!急いで止めないと蜘蛛が死んじゃうよ!」


「うぉ〜制御がきかねえ〜どおするのこれ!」


取り込まれた魔力が暴走を始め、鎖を伝い蜘蛛に流れ込み体全体が光に包まれてしまった。

この後どうなるのだろうか…

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