箱の中の光
いつも以上に短いです。
今回は純一オンリーのお話です。
「一人でいい」そう思うようになったのはいつからだっただろう。
前は普通だった。誰かと一緒にいることが楽しかった。
小学生のときだっただろうか。
「純ちゃん、ドロケイやろーぜ。」
「じゃあ、鬼決めよ。」
「俺ケーサツー。」
バカみたいに笑って、バカみたいに話して、バカみたいに遊んで。
でも、楽しかったんだ。すごく。
中学生になってからのことだった。
みんな俺を避けるようになったのは。
「あいつ。今川純一。なんかへらへらしてるっつーか。うざいよな」
「まじめにありえないんですけど」
「学校来ないでほしいわ。」
別に何をしたわけではない。奴らが勝手に言っているだけだ。
「どうでもいい。」「気にしてない。」そう言っても、とてもつらかった。他人が信じられなくなった。裏切られるのが怖かったから。
いつかは裏切られる。裏切られるくらいの関係ならば、作らないほうがましだ。
臆病な思考だけれど、自分を守るためにこうするしかないんだ。
自分という小さな箱に閉じこもることで、外の世界を拒絶することで。
一人きりの闇の世界。何も見えない暗く冷たい世界。
そんな世界で、俺は一筋の光を見た。
「ぼっりは今川君の方です。」
何の汚れもない、鈴音理桜という名の真っ白な光。
彼女と出会って変わったのは疲労感なんかじゃない。
やり直せるかもしれない。箱から出られるかもしれない。また、他人を信じられるかもしれない。
そんな予感がしたんだ。
純一の過去。それが一人きりでいた理由。
まだやり直せる。そう思った純一に「校則の部活に入部する」という話が入ってくる。




