むしろあるある?
女性向け恋愛シュミレーションゲーム、通称乙女ゲー。
前世の私はそれにハマっていた。
美麗なイラスト、素敵な声、豊富なストーリー。
その全てに魅了され、だいぶ諭吉が飛んでいったのを鮮明に思い出せる。
その中でも〜恋に落ちた学園〜略して恋学は私がはまりにはまったゲームである。
ゲームは全シリーズ全ルートをクリア。
アニメも全シリーズのDVDを揃えて。
公式アンソロジーは勿論のこと同人にも手を出した。
一回のくじを引いて樋口が飛んだことなんてザラだ。
某アニメショップでグッツも買った。
そんな大好きな恋学の世界に、しかもヒロインとして生まれ変われるなんて私はとてもラッキーだ。
--------------なんて思える性格をしていたら、幸せだったかもしれない。
まず、私は転生ヒロインにありがちな逆ハーねらってやる!なんていう気力を持ち合わせていない。
ぶっちゃければ面倒だ。
乙女ゲなのだから、攻略対象者は皆イケメンだが、話に重みを出させるためにトラウマ持ちだったり、家庭に事情があったりと少々楽しむだけの恋愛としては面倒くさい。
逆ハー、八人全員となると更に。
クラスに逆ハーの女子、しかもあきらかに受けを狙っているなんて奴がいたら嫌だというのもあるけど。
リア充滅べ。
まぁ、チキンな私は女子に嫌われるようなことはなるべくしたくないのだ。
その前に明らかにキラキラした攻略対象者に近づけるのか。
隅っこ女子舐めるな。
といった情けないにも程がある理由が一番だったりする。
次に、私はヒロインになれない、というのがある。
私はヒロインに生まれたけどヒロインの思考回路は持って生まれなかった。
確かに人よりは恋だの愛だのといった話を読んでいる。
でも私は恋愛脳ではないのだ。
ヒロインは何よりもヒーローのことを考えて動かなければならない。
私には無理だ。
そして、恋学のヒロインは鉄の心をもつ。
不良に立ち向かい、一国の王様に堂々と意見を言ったり。
いじめられ、侮られ、虐げられてもけして頭を下げない不屈のヒロイン。
見ている分には、コマンドを選ぶだけならこれ以上好ましいヒロインは居ないと私は思う。
けれど私がそれを出来るかと言えば答えは勿論ノーだ。
だから私は、なるだけ目立たずイケメンを眺めたいと思います!
何だかんだ言ってるけどつまりは安全圏でイケメンを眺めたいだけ。