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クラスメイトの美少女と無人島に流された件  作者: 桜井正宗
第八部:最後の無人島

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地獄からの脱出

 桃枝のハッキングは無事に完了した。

 これでこの八咫烏の地下施設の“半分”は掌握(しょうあく)できたらしい。


 ……ただ、完全ではない。


 他の重要なシステムは、他のサーバーあるいはアナログな方法によって管理下にあるらしく、ハッキングでは制御できないようになっているらしい。

 さすがの八咫烏も、完全な電子制御は避けているようだな。



「てっちゃん、プログラムを書き換えたから、あとはエレベーターで地上へ戻れそうだよ」


「マジか、桃枝。そこまでできるのか!?」


「楽勝だよっ」



 可愛いドヤ顔を向ける桃枝。頼もしすぎんだろう。



「さすが、桃枝ちゃん!」

「ありがと、天音ちゃん」



 北上さんの判断も「地上へ戻るべき」だった。千年世やリコ、艾――そして、織田兄妹たちも同じ意見。


 そうだな、もうこれ以上の無理はできなさそうだ。

 犠牲者を出したくないしな。


 そう思案していると、雷が俺の肩に手を置いた。



「哲。脱出ルートは俺たちが確保してある。マレーシアへ行くんだ」

「マ、マレーシアだって?」


「ああ。ひとまずの潜伏先だ。実はすでに入院メンバーは移住してある。今回の八咫烏との対決も想定してな」



 なんだって……驚いたな。雷がそこまで考えてくれていたとは。



「違います。馬鹿兄貴ではなく、私たちのプランです」

(ルナ)の言う通りです」



 なんだよ。(ルナ)(ヒカリ)が手を回してくれていたのかよ。

 なんにせよ、八重樫たちは既にマレーシアに飛んでいるらしいな。なら、あとは合流するだけ――!



「俺たちも海外へ逃げるぞ。日本にいれば命を狙われるだけだから」

「それがいいでしょう、哲くん。どうやら、八咫烏の親玉は姿を消したようです」


「なんで分かるんだ?」


「桃枝に監視カメラもハッキングしてもらったのです。途中までヤツらしき影を終えたのですが……途中で見失ってしまいました」



 なるほど、親玉は戦うこともせず逃げ出したってわけか。

 ただ、巨大地下だから……まだ兵力は残存しているだろう。油断はできないな。



「わかった。そろそろ引き上げよう」

「それがいいでしょう。これ以上の深追いは危険です」



 総合的な判断により、俺たちはエレベーターへ戻った。

 ボタンを押し、地上を目指す。


 静かに動き出すエレベーター。


 どうやら、桃枝のハッキングは上手くいったようだな。


 かなりの時間を要し、ようやく最上階へたどり着いた。……体感的には10分、それ以上か。



「扉を開けます。みなさん、警戒を」



 北上さんがAK47を構える。この先がどうなっているか、俺たちは分からない。目隠しをして連れて来られたからだ。


 扉が開き、光が差し込んでくる。


 外だ。


 地上が見える。



「……っ! まぶしい」



 天音が顔を(しか)める。

 みんなも、そして俺も。



「あ、青空ですよ!」



 久しぶりに見る青い空に、感嘆を漏らす千年世。その通り、綺麗な空が広がっていた。……マジの地上だ。



「か、帰ってこれたんだ」

「そ、そうみたいだね……早坂くん」



 天音が自然と俺の手を握ってくる。

 周囲に敵の気配はなく、一安心だ。


 このまま長野を脱出する。


 一歩踏み出た瞬間だった。




「そこまでだ」




 男の声が響き、物陰から30人以上の八咫烏たちが現れた。まだ兵が残っていたのか!



「お、おい! 哲!」

「落ち着け……雷」

「これが落ち着いていられるか! 殺されるぞ!」



 それもそうだが、相手が多すぎる。絶体絶命の大ピンチだ。

 こっちはエレベーターの中でほとんど遮蔽物がない。


 ……どうする。


 勝ち目は薄いぞ。

 だが、ここを突破しないと逃げられない。



「……まずいですね。戦力差がありすぎます」



 さすがの北上さんも青ざめていた。……無理か。

 ここは大人しく投降するしか……。


 だが、向こうのリーダーらしき男が冷酷に指示を出していた。



「皆殺しだ。それがあのお方の命令だ」



 クソッ! このままでは全滅だ。



 絶望していると――突然、大爆発(それ)は起きた。




「うわっ!?」




 30人近くいた八咫烏たち付近で何かが爆発し、吹っ飛んでいく。


 い、いったい、誰が!?

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