表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
284/284

カラスの招待

【辰野駅】


 次の日の朝。すぐに移動を開始して『辰野駅』に到着。

 事前に連絡してあったので、北上さんたちとは無事に合流できるはずだ。

 駅に到着すると、すぐに彼女たちの姿が見えた。


 北上さんだ!



「哲くん!」

「北上さん! みんなも!」



 リコ、艾、千年世も無事だ! よかった、これで全員そろったぞ。

 安心して合流しようとした瞬間、北上さんが叫んだ。



「逃げて!!」


「!?」



 気づけば、周囲には黒ずくめの男たちが現れた。……なんだ、この黒子のような格好をした集団は! 十人以上はいるぞ!



『…………!』



 お、おい、ウソだろう!

 辰野駅に到着して早々に敵に捕捉されるとは……バカな! 俺たちの位置情報が洩れているのか……!

 やはりエシュロンか。


 なにかしらの方法によって俺たちは監視されている――というわけか。



「やっとここまで来たのに……!」


 そうつぶやく桃枝。確かにな、結局、俺たちは逃げれないってことなんだな。やっぱり、海外へ逃げるしか選択肢はないようだ。

 早々に八咫烏をぶっ潰して海外移住をしよう。


 だが、今はこの状況を打破せねばならない。


 …………どうする?


 閃光弾の在庫はない。



「動くな」

「……!」


「貴様が早坂だな」

「なぜ、俺の名を」


「お前はやりすぎたのだ。我々の界隈ではすっかり有名なのだよ」



 黒子の中でも別格というか、顔を覆っている布に文様が入っている人物だ。これは『(カラス)』の文様か……。コイツがリーダーか何かだろうか。

 明らかに雰囲気というか、異様というか……。


 その気配は、北上さんも感じているようで、いつも以上に警戒していた。……おい、マジか。北上さんがこんなに顔を青くするなんて、今までにないことだ。



「……で、俺たちをどうする気だ?」

「もちろん、我々の本拠地へ招待する」

「なに……!?」


「どうせお前たちの目的は『八咫烏』なのだろう」

「……そ、それは」

「もう全てお見通しなのだよ。この長野に来た時点でな」



 なるほど、バレバレだったってわけか……。俺たちが乗り込んで戦争を仕掛けようとしていることも。


 みんなの安全を考えるのなら、このまま大人しく着いていくしかなそうだな。



「どうすりゃいい」

「こんなこともあろうかと、バスを用意してある。お前たち全員、来てもらう」


 わざわざ本拠地に招待してくれとはな。だが、絶望的な状況でもある。それは北上さんがよく理解しているようで、今にでも銃を抜きそうな顔つきをしていた。



「…………っ」

「ま、まて。北上さん」


「なぜ止めるのです。敵は隠れている気配も合わせて……ざっと二十人。こちらは、七人。なので、あたしが五人を抹殺し、哲くんと千年世は三人を、天音さんたちは二人ずつ排除すればいい」


「んな無茶な! しかも、それだと一人残るだろ?」

「一人は尋問するんですよ。情報を引き出すためにね」



 いやいや、どっちにしろ無茶だ。

 北上さんは本当に五人倒しそうだけど、俺たちはそこまでの技量がない。下手すりゃ、こっちに被害が出てしまうだろう。

 リスクは犯せないな。


「あのさ……絆」

「なんです、リコ」

「さすがに不可能だって。あたしだって命が惜しいからさ、今は従うしかないんじゃない。それに目的の場所へ行けるんだし」


「そ、それは……そうですが」



 リコの説得により、北上さんは態度を軟化させた。冷静に考えれば当然ではあるが。


 そんなわけで、俺たちは黒子についていき――駅前に止まっているバスに乗り込むことに。


 ……なんだ、観光バスなのか。



「安心しろ、貸切バスだ」



 つか、黒子の人数が三人に減っている。てか、目立つし……周囲から何事かとジロジロ見られてるぞ。

 しかし、ドラマか何かの撮影だと思われているのか、それほど大事にはなっていない。日本人の平和ボケがこんなところでも発動している。

 どう見たってヤベェ集団だろうが。


 だがしかし、日本でまさか紛争が起きてるとは思わない。そりゃこうなる。



「早坂くん、大丈夫なのかな」

「安心しろ、天音。俺がなんとかする」


 こんな時の為に、手は打ってあるのだからな……!

【章完結】

 いったん完結となりますが、また再開いたします!

 次回で最終章・完全完結となります。

 いよいよ物語は佳境へ!

 応援いただけると幸いです。


それとですが、私の別作品『全スキル自動攻撃【オートスキル】で無双 ~超レベルアップ冒険譚~』のコミカライズが今月配信予定です。


https://ncode.syosetu.com/n8852ga/


comicグラストより配信です。

(※comicグラスト106号に予告ございます)

詳しい告知はまた改めて上記作品ページでいたします。

応援いただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ