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俺にラブコメを仕掛ける強襲型幼馴染  作者: 一葉司
終章 悠斗と倖楓
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そのうちわかる

更新が1日遅れてすみません。

 予定より少し遅くなったが、2人分の飲み物を持った俺が教室に戻ると、倖楓が謎の応援隊(俺命名)の赤坂さん、紺野さん、長谷川さんの3人と話していた。

 楽しそうに話している様子を見た俺は、教室の入り口で立ち止まった。笑っている倖楓を見ていたくなったのだ。


 最近の倖楓は教室の中でも自然に笑うようになった。

 応援隊の3人は元々好印象だったのか自然な笑顔を見せていたが、明希と槙野を除く他のクラスメイトに対しては作り笑いとまでは言わないが、愛想笑いに近い顔をクラスメイトに見せていた。

 それが変わってきたということは、少なくとも教室の中では気を張らずに過ごせるようになり始めているということだと、俺は感じていた。


 その光景を眺め始めて10秒くらい経った頃、倖楓がこっちに気が付いた。


「あ、おかえり!」


 不意に向けられた笑顔に、俺の胸が跳ねた。

 なるべく平静を装って倖楓の方へ近づき、返事をする。


「ん、ただいま」


 今、俺に向けられている笑顔が、他の人たちに向けられるそれとは違うとは、さすがの俺も感じ取っている。

 それは素直に嬉しいと思うし、同時に照れくさくもある。


「それじゃあ、あたしたちは退散しよっか」

「だね」

「またね、遊佐さん、水本君」


 俺が来た途端、応援隊の3人はどこかへ行ってしまった。

 気を遣わせてしまったのかもしれない。


 とりあえず、倖楓の机の上に買ってきた飲み物を置いた。


「悪い、まだ話してたのに」

「込み入った話してたわけじゃないから大丈夫だよ」

「そう?ならいいんだけど」


 俺は話をしつつ倖楓と向かい合うように椅子に座った。


「ゆーくんの方はちょっと遅かったね?」

「あー、ちょっとな」

「む、なんか怪しい」

「なんでだよ」

「女の勘」


 それが恐ろしいことは十分理解しているが、痛くもない腹を探られても困る。


「茉梨奈さんに会っただけだよ」

「茉梨奈先輩?」

「自販機でお茶買ってたら声かけられた」

「それなら良いけど」


 少し前までなら何かと茉梨奈さんに突っかかっていたのに、今ではすっかり良好な関係を築いている。良いことなのだが未だに慣れない。


「それで?」

「え?」

「何を話したの?」

「もうすぐ選挙ですねってことくらいだけど…。あー、でもなんか意味深なこと言ってたんだよな」

「意味深?」

「手伝えることあったら言ってくださいねって言ったら、もう十分協力してもらってるって」


 俺をからかって意味ありげに言っただけの可能性もあるが、それにしては露骨過ぎるように思う。

「そのうちわかる」とは言っていたが、気になって仕方が無い。


 しかし、意外なことに、すぐ答えが現れる。


「それなら、たぶん私のことかも」

「え?」

「実はね、茉梨奈先輩に誘われて手伝うことにしたの」

「いつの間に…」

「夏休みの終わり際に話をされたから、ゆーくんに言うの忘れちゃってたの。ごめんね?」

「いや、謝るようなことではないけど」


 単純に驚いただけなのだが、考えてみればこれほど適した人材は他にいないだろうと納得できた。


「だって、選挙期間に入ったら一緒にいられない時間が増えるし…」

「そういうもんだろうな」


 何を当たり前なことを言っているのかと思いながら即答すると、倖楓が身を乗り出して顔を近づけてきた。


「寂しいとか無いの!?」

「特に?」

「一週間だよ!?7日だよ!?」

「それくらいわかるわ!」

「ゆーくんはなんとも思わないの!?」

「いや、そもそもサチが手伝うって決めたんだろ?なら俺は何も言わないよ」

「そうだけど、そうだけどー…」


 自分のことなのに、倖楓は何故か納得せず不満そうなに唇を尖らせている。

 全く会えないわけでもないのに、倖楓が何を気にしているのか俺には全くわからない。


「俺の手伝いはいらないみたいだから応援しかできないけど、頑張れ」

「むー、頑張る…」


 結局、不満そうなままの倖楓に、俺は苦笑するのだった。

次回更新は木曜日になる予定です。

時間は20時になると思いますが、また変更があればお知らせします。


実は10月から新作の投稿を予定してまして、そっちのストックを増やすのに時間を使ってたので、この作品のペースが落ちていたという背景でした。

決してこの作品をないがしろにするつもりはありませんので、安心していただければと思います。

詳しいことは活動報告と次回更新の後書きに書かせていただくので、よろしくお願いします。

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