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俺にラブコメを仕掛ける強襲型幼馴染  作者: 一葉司
終章 悠斗と倖楓
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二学期も変わらず

お待たせしました。

終章のはじまりです。

「ゆーくーん、朝だよー」


 まだカーテンも開けられずに薄暗い俺の部屋に、倖楓(さちか)の声が響いた。


「…んん…」


 しかし、まだ眠りに落ちている俺はそれが騒音にしか聞こえず、顔をしかめる。


 それが不服だったのか、倖楓は眉間にしわを寄せた。

 そして、カーテンを開けて朝日を部屋の中に取り入れる。


「ほら、天気もいいよ?」

「ん゛ー」


 さっそく朝日が俺の顔に刺さり、寝ぼけた俺は不快だと言わんばかりのうなり声を上げた。

 タオルケットを頭から被り、音も光もシャットアウトしようとする。


「あ!こら!」


 すかさず倖楓はタオルケットを剥がそうとするが、俺も寝ぼけているとは思えないほどの力で抵抗する。

 ここまできて、ようやく俺も目が覚め始めた。

 どうしてこんなに腕に力を入れているのか、と疑問を持った。


 しかし、タオルケットで隠れている俺の変化など倖楓にはわからない。


「…こうなったら…!」


 倖楓はタオルケットを剥がすのを止め、俺のベッドから少し距離を取る。

 そして――――、


「とりゃっ!」


 かけ声とともに、俺にボディプレスをしかけたのだ。


 当然、いきなりプロレス技をかけられて平気なわけがない。


「う゛っ!」


 衝撃と同時に、俺の目も覚めた。

 そして、タオルケットから顔を出す。


「…何てことしてるんだよ」

「やっと起きた!…だって、いつまで経っても起きないんだもん」


 たしかに中々起きなかった俺が悪いのだが、もっと他の方法を試してから力業に頼って欲しかったのが本音だ。


「もうっ、夏休み終わってから一週間だよ?そろそろちゃんと慣れないとダメなんだから」


 そう、もう一週間だ。

 俺の人生で一番と言っていいほどたくさんの出来事があった夏休みも終わり、彩天高校は二学期を迎えていた。

 夏休みの間はそれほど生活習慣が乱れていたわけではないのだが、やはり学校があった頃と比べたら1時間くらいは起床時間がズレていたこともあり、二学期が始まってもいまいち朝がしっかりと起きられないでいる。


 枕元のスマホに触れると、画面には6時30分の表示。

 俺は仕方ないと言わんばかりのため息を吐いた。


「わかった。とりあえず、上からどいてくれないと起きれない」

「まだ遅刻するような時間じゃないし、もう少しこうしててもいいよ?」


 倖楓はタオルケット越しに俺の胸に頬ずりしている。


「あのな、何のために起こしに来たんだよ…」

「1回で起きなかった人には文句を言う権利はありませーん」

「はいはい」


 ここ最近で変わったことと言えば、俺の倖楓への接し方だろう。

 人前でベタベタされたら以前のように叱るのだが、こうして二人の時は文句を言うことも少なくなった。

 元々周りの視線が気になるというだけでそれほど嫌というわけでもなかったのと、倖楓の好きにさせようと思うようになったのが主な理由だ。

 初めは倖楓も少し驚いていたが、今では調子に乗らない程度でベタベタしていきている。


 とりあえず、こうなったら倖楓の気が済むまで待つしかない。

 俺は諦めて天井を眺めることにした。


 そして、だんだんと瞬きの間隔が短くなるのと比例して、意識がふわふわと――――――。




「…んぁ…?」


 俺が間抜けな声とともに目を開けると、変わらずに天井が見える。

 そして、身体の上にかかる重みも変わらない。

 そこに目を向けると、倖楓が穏やかに寝息を立てていた。


「のんきな顔して…」


 そっと倖楓の頭を撫でる。

 そのついでに、空いた手でスマホに触れて時間を確認してみた。


 ――――――7時40分と出ている。


 …おかしい。

 瞬きしただけなのに、時間の単位が6から7に変わっている…。

 見間違いか?と何度もスマホの画面を付けたり消したりしてみた。

 しかし7時なことは変わらず、秒は今も更新され続けている。

 つまり、これは完全に…。


「寝過ごしたぁぁぁぁ!」


 俺は大声を上げると同時に、倖楓の肩を揺する。


「サチ!起きろ!このままじゃ遅刻する!」

「…ふぇ?」


 重そうな瞼を開いた倖楓は俺が何を言っているのかわからないのか、コテンと首を傾げた。


「ほら!時間!」


 俺が何度も確認したスマホの画面を倖楓に見せつける。

 画面の光が眩しいのか、倖楓はさらに目を細めると――――。


「きゃぁぁぁぁ!」


 滅多に出さない奇声と同時に目を大きく見開いた。


「ど、どどど、どうしよう!」


 高校に入学してから一度も寝坊や遅刻をしてこなかった倖楓は動揺しまくっている。


 俺も今まで慌てていたのだが、倖楓がここまでなるのも珍しいので逆に冷静になってしまった。


「とりあえず俺は着替えたりするから、サチはやり残したことを簡単にでいいから終わらせよう」

「そ、そうだね、朝ご飯ラップに包んで冷蔵庫に入れるね!」

「よし、動こう」

「うん!」


 二学期も俺と倖楓は、不本意ながらも騒がしく過ごしていくことになりそうだ。

ようやく始められました。

待ってくださっていた方には本当に感謝します。

更新ペースもなるべく落とさないように頑張りますので、最後までよろしくお願いします。


次回更新は水曜日になると思いますが、細かい時間や変更があれば活動報告にてお知らせしますので確認していただけたらと思います。

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