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【完結】機動戦艦から始まる、現代の錬金術師  作者: 呑兵衛和尚
一つ目の物語〜機動戦艦・出現編〜

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深淵からの挑戦・傍観? 静観? それとも関与?

『機動戦艦から始まる、現代の錬金術師』は不定期更新です。

 日本国永田町。

 国会議事堂衆議院、アマノムラクモ対策委員会は、大いに盛り上がっていた。

 今日は不思議なことに、アマノムラクモ関連については与党も野党も言いたい放題である。

 まあ、それ以外の話もあったのだが、それは敢えて割愛。



「国際法に基づいても、国連非加盟国であるアマノムラクモが日本のアストロノーツを返還しないのは拉致と同じではないですか?」

「拉致じゃねーな。請求された経費を日本が出し渋っているからじゃねーのか?」

「なぜ支払わないのですか? 中国はすでに支払いを終えて、四名のアストロノーツと降下船を回収したと週刊誌にも掲載されていますよ」

「予算委員会との兼ね合いがあるんだよ。可及的かつ速やかに、対応したいと思っています」

「まさか、この件で消費税を上げる気ではありませんよね? アマノムラクモ増税とかやりそうですか、それについてはどうなのですか?」

「今は増税の話じゃねーだろうが、話を戻せや」


 金切声を上げながら、女性議員が用意したテロップボードをパンパンと叩きながら問い詰める。


「それでは、今朝発売の週刊誌に載っている、アストロノーツの亡命の件は事実なのですか?」 

「まあ、週刊誌が書いてあるのなら、そうなのでは? ちなみに中国の二名は国家元首同士の話し合いで亡命したそうですがね」

「そ、そこです、日本も三名ほど亡命したじゃ無いですか‼︎ 日本で宇宙を学び、国際宇宙ステーションで研究可能な貴重な人材が、他国に流出したのですよ? その責任はどう取るつもりですか‼︎」

「どうもこうもないよなぁ。あんたらの政権時代にJAXAは危なく解散しそうになったよな? 挙句に予算の大減額。これはJAXAだけじゃねーよな? いろんな研究施設の予算を削りまくって、今じゃ研究員に満足な給料も支払えていないよな」


 ブーメランを大きく振りかぶり、次々と目の前に座ってる女性議員に叩き込む総理大臣。だが、その全てを鉄面皮で弾き返すと、女性議員は一言。


「今は、そんな瑣末なことを話しているのではありません。優秀な人材が諸外国に流出している、JAXAのアストロノーツが三人も亡命した責任を、どう取るつもりですか?」

「亡命は個人の自由だからなぁ。責任は取るつもりはありません、以上です」

「国家の大事な人材の流出の責任を取らないと? それならこちらにも考えがあります‼︎」


 まさか、新内閣発足直後に、内閣不信任案を出すのか?

 そんなことを考えている議員も多いが、今やると確実に負ける。それどころか、今よりも悪くなる可能性の方が高い。

 今日の委員会中継がなかったことを、ホッと胸を撫で下ろす議員たちであった。


 もっとも、今回の騒動で一番胸を撫で下ろしたのは内閣府・総務省・文部科学省・経済産業省の四省。

 六人分もの莫大な支払い予算が、半分にまで減ったのである。

 救出時には日本国籍であったが、亡命した彼らはすでに日本国籍を有していない。

 それならば支払う必要はないのではという問い合わせをアマノムラクモにおこない、それが受理されたので、ようやく彼らは日本に帰国できる。

 人命と金のバランスは、どの国にとっても永遠の課題なのかもしれない。


………

……


 日本でそんな騒動があったことなどつゆ知らず、ミサキはまたしても国連本部。


 ブラックナイトの射出した月の槍を回収してインゴットに変形(トランス)させると、それを手土産にニューヨークの国連本部へと向かう。


 すでにアメリカ大統領から、『ミサキとその護衛は、警備という名目ならばアメリカ国内にマーギア・リッターで乗り付けても構わない』という許可を貰っている。

 万が一のために『機体別認識コード』は発行してもらったので、その気になればアメリカ全土の空港にも着陸可能。

 もっとも、空港施設を破壊しないようにという注意は受けているので、そこはしっかりと遵守している。


『Okay, keep coming! keep coming!』


 国連本部駐車場では、係員が輸送用キャリアーを搭載したマーギア・リッターを誘導している。

 その横で、ミサキもカリバーンから降りると、護衛サーバントの本多忠勝とともに見守っている。

 暫くすると、国連事務総長も護衛とともにやってきて、カリバーンと作業中のマーギア・リッターを見上げていた。


「以前、視察団からの報告と映像を確認してはいましたが……壮観ですな」

「まあ、うちの国防の要であり、宇宙観測も可能な汎用兵器ですからね」

「はははっ。堂々と『兵器』と言い切りましたな。ですが、それぐらいが良いですよ。作業用だなんだかんだと誤魔化すよりも、いっそ清々します」

「ありがとうございます。それで、準備ができたのですか?」


 俺の言う準備は、国連臨時総会。

 アマノムラクモが所有している『月の槍』及び月面基地にて鹵獲した金属生命体についての情報開示が目的である。

 まあ、中国に渡したデータなどの一部は公開せず、表向きに公開しても良いかなぁってラインを、オクタ・ワンに調整してもらったけれどね。


「ええ。それでは、アマノムラクモ代表のミサキ・テンドウ様…こちらはどうぞ」

「うむ」


 そのまま国連事務総長に案内されて、ミサキは総会議場に向かう。

 護衛たちはミサキの態度に苦笑しつつも、事務総長が実に楽しそうなので何も告げない。

 国連事務総長と一国の元首、どちらが偉いかという問題ではなく、幾度となく話を交えた結果、妙に息があってしまったのである。

 

 そして総会議場へ到着すると、ミサキと本多は指定されたオブザーバー席へ。

 通訳を必要としないため、翻訳用ヘッドセットは必要なし、あとはのんびりと出番を待つだけ。


………

……


 各国の報告ののち、ミサキから月面地下にある未知の施設の説明が始まる。

 そして月面で猛威を奮った謎車両と月の槍、さらにはブラックナイト衛星の正体に至るまで、『仮説を交えながら』、ゆっくりと説明する。

 希望する国に対しては、月の槍を精製したインゴットを供与することも伝えて、話を終えようとしたのだが。


「アマノムラクモからの報告は経過説明だけであり、今後の対応策については説明がありませんが」

「対応策は国連加盟国でどうぞ。アマノムラクモは、自分たちのためには活動しますけど、それ以外については対応しません」

「ここまできて無責任では? あの謎の存在と正面切って戦えるのは、アマノムラクモだけなのですよ?」

「それじゃあ、アマノムラクモに戦闘依頼を行うというのですか? 必要経費込みで見積もり出しますが」

「アマノムラクモの技術があれば、我が国で対処しています。それができないからこそ、可能な国が主導となって、動くべきでは無いのですか?」


 イギリスとフランスの国連代表が、ミサキに噛み付いている。

 ちなみに中国とロシアの代表は静観。

 アメリカに至っては、この二国の話には全く興味を示していない。


「なんで、アマノムラクモが動く必要が? ノブレスオブリージュを説くのでしたら、まずはイギリスが動きなさいよ。上から目線ではなく、アマノムラクモに助けを乞えば良いのでは?」

「な、なんだと‼︎」


 ミサキは言う。

 助けて欲しかったら頭を下げろ。

 なんで助けることが前提で話を進めて、助けられないとわかったら恫喝するのかと。

 これには中国代表はゲラゲラと笑っているし、ロシア代表も笑いを堪えている。

 実に楽しそうである。

 

「なんだもなにもさぁ。この前の国連総会で宣言しましたよね? アマノムラクモは、太陽系内の宇宙資源については手を出さないってね」


 チラリと中国代表を見るミサキ。

 それでようやく中国代表もミサキを見て、襟をただして頷いている。


「だから、外のコンテナにある月の槍の資源、そっくり国連に譲渡しますよ。うまく配分してください。あと、月面の地下施設、ブラックナイト衛星の観測も終わりましたので、あとは勝手にどうぞ」


 敢えてフランスとイギリスに向かって叫ぶ。

 つまり、あんたらで勝手にやれ、と言っているようなものである。

 もしもまたブラックナイト衛星から月の槍が射出されたなら、最速で六時間後には大気圏に突入する。

 最も離れた場所であっても十三時間後、さらに提出された資料を見る限りでは迎撃できても破壊は不可能。

 うまく降下地点をずらせれば、結果的に良しというところである。

 しかも、降下後の侵略に対しては、地球の軍隊ではほぼ無力。それこそ第三帝国レベルの火力が欲しいところである。

 

「ふ、不愉快だ‼︎」

「まあ、そうでしょうね。アマノムラクモはあくまでもオブザーバーでありますので。申し訳ありませんが、今回の対応のために国連加盟を認めるといわれても、こちらで拒否します」


 あくまでも、現時点でのアマノムラクモの知り得たデータを、今後の協議のために提出しただけです。

 そう最後は締めくくって、席に座る。

 ここでイギリスとフランスは失敗した。


 意地になり、そこから先の対月の槍作戦における協議にアマノムラクモの意思を反映させなかったのである。

 降下地点である中国は積極的に参加し、アマノムラクモの助力を得てはと提案するも、『オブザーバーには協力する必要はない』を宣言。

 対応策の決まらないまま、話し合いは終わった。



 ◯ ◯ ◯ ◯ ◯


 

 地球周回軌道上のブラックナイト衛星。


 そこから10km地点では、インターセプト隊の三番機から六番機が待機している。

 もしもまた、月の槍が転送されてきたならば、すぐさま無力化するために監視を行ってあるのである。

 現在は沈黙。

 それ故に、何が起こるのか全くわからず、不安になったであろう。

 サーバントが人間であったなら。



「ふう。なかなか有意義な話し合いだったよ」


 国連本部から戻ったミサキは一汗流してから、艦橋に戻ってくる。

 堂々と『他国の指示は受けない』と宣言した上で『勝手にやる』と宣言したようなものである。

 売り言葉に買い言葉、幾つもの国はアマノムラクモに反発して話し合いを進めていたが、それ以外の国は他国の様子を伺いながら、どっちつかずで話を聞いているにとどめていた。


『ピッ……月面からの月の槍の到達まで、あと百三十五日。対策はどうしますか?』

「監視だけ続けて。そもそも、月面地下施設をどうにかしないと、何もできないよ。いつでもどうにか出来そうだけどさ」

『ピッ……了解です。それと日本政府が、JAXAの搭乗員たちの引き渡しを要求しました。支払いは三人分、資源にて支払うとの事です』

「OK。ヒルデガルド、その方向で進めて。アマノムラクモに足りない資材をメインに請求でいいよ」

「かしこまりました」


 さて、日本がようやく折れたか。

 っていうよりも、亡命者が出たので予算との折り合いがついたんだろうなぁ。


………

……


 そんなこんなで、今日は日本政府からのチャーター便が到着する。

 中継船の回収については、後日、輸送機が契約に基づいた貿易品を持ってきたときに回収するらしくて、今日は乗組員だけの帰国らしい。


──ゴゥゥゥゥゥゥ

 ゆっくりと日本の大型機が洋上プラットフォームに着陸する。

 今回迎えにきたのは外務省幹部とJAXA関係者であり、速やかに洋上プラットフォームにある町の迎賓館でお待ちいただいた。


「……あの、我々はアマノムラクモの本艦には入れないのですか?」

「入りたいのですか? こちらは対外交渉などに使われる、アマノムラクモの迎賓館ですが」


 淡々と説明するヒルデガルド。

 ちなみに建物は第二層商業区にある迎賓館と全く同じであり、どちらかというとこちらの方が立派である。


「アメリカの外交官などは、本艦内部の迎賓館に迎え入れられたと伺っています。この差別はなんですか?」

「差別も何も、そちらはアメリカの外交官との外交的交渉を行っている最中ですので。ちなみにこちらもアマノムラクモの公式施設ですが」

「そうじゃない。何故、我々は本艦に入れないのかと聞きたいのだ」


 外務省幹部は憤慨している。

 アマノムラクモに向かうというので、わざわざやって来たのだ。

 それにも関わらず、本艦には入れない。

 この出島のような場所での対応など、前代未聞だと言っている。


 ちなみに、中国への乗組員の引き渡しの時も同じ施設を使っている。

 アマノムラクモの客ならば、ミサキは喜んで受け入れる。だが、そうでない場合は別。

 特に、日本の外務省は乗組員を引き取るための最初の交渉でゴネまくった。

 綺麗な言い方をするならば、人権擁護やら拉致やら、挙句に国際法違反やらと文句を垂れまくってタダで引き取る気満々であったらしい。

 アマノムラクモへ中継船を引き取る際にも、外務省から依頼された輸送船貿易会社が中抜きして下請けにまわし、そこがさらに下請けにととんでもないことをしでかしたのである。

 まあ、日本に滞在しているロスヴァイゼがその辺りの情報をキャッチ、証拠を固めたところでミサキに通報。

 あとはご覧の通りである。

 ちなみにJAXAの責任者はここまで沈黙。

 外務省幹部のアホさ加減に唖然としている。


「アマノムラクモの通例として、当国が保護した対象を引き渡す際には、こちらの施設を使うことになっています。別に、引き受けてすぐ帰るのですから、問題はないのでは?」

「な、なんだと、身元を引き受けてすぐに帰れというのか?」

「失礼。まさか、身元引き受けのついでに観光でもとお考えですか? 国の代表が、わざわざ引き受けにきたのだから接待しろと?」


 ヒルデガルドのドスの効いた声。

 これには外務省幹部も焦りを感じる。

 ちなみに彼は、アマノムラクモで一週間ほど豪遊して帰る予定であった。

 報告としては『身元引き受け及び外交視察』とし、経費は全て国の支払い。

 ミサキがそんな企みなど許すはずがない。


「接待は無理ですが、こちらの建物でしたら宿泊施設も完備しております。来賓としてではなく身元引き受けの視察団でしたら、こちらで十分では?」

「私を誰だと思って‼︎」


──ガチャッ

「お待たせしました。日本のアストロノーツをお連れしました。何かありましたか?」


 案内人に連れられて、アストロノーツたち三名が室内に入ってくる。

 するとJAXAの責任者はホッと安堵した。

 予想よりも元気そうで、少し太っているように感じる。


「……無事で何より。三名ほど足りないのは仕方ないが、皆、元気そうだな」

「御心配をおかけしました」

「彼らは彼らなりの決断をしたようです。我々には家族がいますので」

「はい。これで、日本の土を踏むことができます」


 三者三様の喜び。

 大地がないのが、彼らにはきつかったらしい。


「中継船は後日、回収しにくる」

「では、今日はもう日本に帰れるのですね?」

「さあなぁ。そこでごねている職員が頭を縦に振らないからな」


 チラッと職員を見ると、案内人の女性にも食ってかかっている最中である。

 その光景を見て、アストロノーツたちは天に祈っていた。


「彼女では話にならん。君、すまないがミサキ・テンドウ殿に繋げてもらえないか? 日本国外務省の田辺が宿泊を希望していると伝えてくれ」

「ここで宿泊できますよ? お疲れでしたら、海水を濾過した塩水による人工温泉もありますが」

「……君まで私を侮辱する気か?」

「事実を申し上げましたが。そもそも日本国からの身元引受の際には、長期滞在についての連絡は受けていません」

「その程度は慣例ではないかな? いいからミサキ殿に繋げたまえ」


 古い慣習に囚われた老害公務員とは、どの国でもこんなものである。

 権力があるから偉い、だから俺は偉い。

 そんな誤解と怒りで思考力が麻痺していたこと位では、ここまで激昂的にはならない。

 彼もまた過去に『針』を打ち込まれていたため、アマノムラクモに対しては攻撃的思考を植え付けられていたのである。

 そのためか、目の前の案内人がミサキ本人であったと理解できていなかった。


「……オクタ・ワン、ここの会話って録音してあるのか?」

『ピッ……映像もしっかりと』

「OK。日本政府に送りつけろ。お前のところの国は、こんなクソを送りつけてくるのかって」

『ピッ……送信完了』

「……なんだね、今の会話は?」

「俺がミサキ・テンドウだが。用事が終わったんなら、とっとと帰れ」

 

──サーッ

 怒りに我を忘れたという言い訳は通用しない。

 外交的にも、彼は失態を犯した。

 これがアマノムラクモ以外であったならば、今後の外交問題にも発展するところであり、責任追及からの懲戒免職待ったなしストレートラインである。


「こ、これはミサキ・テンドウさまには、ごきげんうるわしく。日本国外務省の田辺と申します。今後の日本とアマノムラクモの関係について、色々とお話を……」

「それについては、我が国の外交官のロスヴァイゼが日本に滞在していますよね? そちらでどうぞ。私は、直接話すことはありませんので……ヒルデガルド、あとは任せた」

「ち、ちょっとお待ちください、先程の件は誤解でして、非礼をお詫びしたく」


 ミサキに向かって頭を下げる田辺だが、ミサキは無視して部屋から出ていく。


「さて、すでに燃料補給も終わりましたので、ご帰還お願いします。あと、アストロノーツの方々には、ミサキさまからこちらをお渡しするようにと」


 ヒルデガルドが、綺麗な角盆に並べられた三枚のプレートを一人ずつ手渡す。


「これは?」

「アマノムラクモの入国許可証です。国民証ではありませんが、アマノムラクモ国内では色々と優遇措置が適用されますので」

「こ、こんな物を貰ってよろしいのですか?」

「ええ。ご家族でしたら、本人と同行の際には同じサービスが受けられますので、『ご家族や婚約者』さんたちとお楽しみください」


 ミサキなりのプレゼント。

 しかも、しっかりとミスリル製であり、本人の魔力パターンも登録してある。


「あ、ありがとうございます」

「最後はグダグダになってしまって、お礼を言うことができませんできた。ヒルデガルドさんから、私たちが感謝していたとお伝えください」

「かしこまりました。皆さんも、我が国の国民に等しく扱うようにと伝えられております。皆さんの言葉も、私からお伝えしておきますので」


 丁寧に挨拶をすると、ヒルデガルドもその場を離れる。


「帰還までは、こちらで寛いでいただいて結構ですので。では、またお会いできる日を、楽しみにしています」


──ガチャッ

 閉まる扉の音を聞いて、ようやく田辺も正気に戻る。


「す、すぐに帰るぞ、こんなところにいたくはない」

「……まあ、今頃の日本政府は大変でしょうなぁ。辞表の準備でもしたほうがよろしいのでは?」


 JAXA責任者が事務的に告げる。

 こんな風に話が終わるなど、想定外もいいところである。

 かくして、ゲートウェイに接続していた二国の中継船の乗組員たちは、亡命者以外には無事に本国へと戻っていった。


いつもお読み頂き、ありがとうございます。

誤字脱字は都度修正しますので。 その他気になった部分も逐次直していきますが、ストーリー自体は変わりませんので。


この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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