友のために(男2人推奨 一人称等変更OK)
☆「よく来たな、勇者よ……俺は待ちわびたぞ」
★「魔王……いいや友よ。私はお前を……助けに来たんだ!」
☆「ほう? 俺をそなたは友と呼ぶのか……。そなた自ら何も言わずに縁を断ち、そなたの愛する“ 友 ”を選んだ、石頭のお前が……?」
★「違う、お前は蛇に魅入られている。蛇を差し出せ。私がこの手でお前を呪う蛇を断ち切ってやる」
☆「うるさいっ! 宥めることを知らず、言葉で責めるのみを選んだそなたに、あのとき俺がどれほど傷ついたか、疑問に思ったか。
そもそも、あれはそなたと俺の問題ではなく、あの友と俺の問題だったはずだ! どうして首を突っ込んだ」
★「やはりお前は分からないんだな。友を守ろうとする心の大切さを。友を悪く言われて怒りを覚える人間の情を」
☆「知らぬ。友は友、そなたはそなただ。あのとき余計な首を突っ込まなければ、俺たちはっ!」
★「お前が友を愚弄するからだ」
☆「しかしその友は、今も尚俺たちの不仲を知らずのうのうと生きているではないか」
★「もういい、お前はもう……助からないようだ」
☆「周りを見ぬ……いいや、目の前の人の情が分からぬ愚者の力と、俺の魔力……どちらが強いか、ここで試そうではないか」
★「死ねっ! 魔王!」
☆「死ねっ! 勇者ぁ!」