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こちら陽気なたんぽぽ荘 ~大家と店子の家賃戦争~  作者: かきくけ虎龍
第二部 リン君と機械帝国の創世期編
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並行世界編……来襲者はあの子? 想い想って引き寄せられる心

こんばんわ、楽しんでいただけましたら幸せます

この煩わしい世界を生きぬくことって何? 貴方がいれば、貴方だけいればあたしは満足ある……生きている? 死んでいる? そんな些細なことは興味ないあるよ。


ただ、貴方だけに追いつきたくて……貴方だけに寄り添えれば。


さらりと滴る赤い液体。


そんな鉄の香りがする赤い液体が銅の剣の剣先から砂まみれの大地に滴り落ちる。 


「この雰囲気は愛しい人に間違いないある、ご主人様のエクスタシーをプンプンさせる温かな気配がぷんぷんするあるよーっ!」


いつの間にかあたしはここにいた、眼前に広がる見知らぬ世界。


校舎や運動場、まるで現世にある学校みたいある。 


フル臭くて貧乏くさい……だけど高貴な力を感じてしまう神秘的な場所。


「気をつけろゲローっ! アンパン達も手ごわいが貧乏くさい胸元まな板女は狂気過ぎるゲローっ!」


「両生類系妖怪カエルはうるさいあるよーっ! さっさとあたしとご主人様の記念すべきお持ち帰りバージンロードをあけるあるよ!」


「血眼でとっても怖い貧乳にやられたーっゲロゲロゲーーっ!」


二十メートルを超える様な巨大な障壁っぽい妖怪ぬりかべぽい奴を蹴散らして学校領域に押し入った時から胸によぎる渇望する想い……早くご主人さまと心も身体も魂も一つになるあるよ。


 奴隷少女Aは想像するだけで切なくなる感情を押し殺しつつ、そのエメラルドの瞳が凝視する視線の先にそびえ立つエッフェル塔もどきの校舎を捉える。


本能が推し進めるのか? 奴隷少女Aが向かっている先にはリンがいる場所。


まるで確信を得ているかのように迷いがない勢いで防衛担当の妖怪を蹴散らして校舎に突き進む。


「防衛担当の妖怪たちはさがれですなぁーっ! その嫉妬狂いの血眼っぽいおなごはやっかいだぞぉーっ!」


 その声が響くと同時に威嚇していた妖怪たちが一歩いっぽとうちとの距離をあける、当然あるよ、子犬がライオンに挑むようなものある。


「びっくりどっきりですなぁ、ぬりのかべちゃん達は刺身コンニャクみたいに切られちゃうしーっ」


 うちは銅の剣の柄を強く握りしめたある、久しぶりに背筋がぞくぞくする相手が現れたある。


「めんこいおなごの子……この学校がしょぼすぎる経費を切り詰めながらの貧乏学校とばれないよう体裁のためのぬりのかべを切り裂きジャックしてくれましたねーっ!」


 その声の主は上質な薄紫の着物姿の小さな童女。


 毒気が圧縮された闇を宿す漆黒の瞳が印象的な猛禽類に似た獲物を見つけて歓喜する視線が傲慢や好奇心で近づいてはいけないと本能が警鐘する。


「ちっこい子供には用はないある!」


「私のことをちっこい子供扱いとはのぉ、一応名乗らせていただきますなぁ。 風紀担当教職員のボインボインを司る神・ヤノメと申します、こちらの妖怪たちが通う学校に用がなければお引き取り願いたいですなぁ」 


「ご主人様……そうある、リン様を渡せばさっさと引きあげるあるよーっ!」


「リン? もしや噂の転校生のことですかなぁ。渡せとは乱暴な言葉遣いですなぁ、こちらが名乗ったのですからお名前を名乗るは習わしですなぁ」


「むむむーあるっ! それは失敗したある! あたしはご主人様の奴隷兼愛人兼本命兼用心棒兼妹ぽい名前はまだない奴隷少女Aあるよーっ!」


 あたしの叫び声ご主人様に届いたかな。


早く逢いたい、逢って抱き締めてもらいたい、髪をくしゃくしゃと撫ぜてもらいたい……そして……二度と離れないように魂で結ばれたい。


こんな所で足止めされている場合ではないある!


あいつ(・・・)が言っていたことは嘘ある! あたしはご主人様に捨てられた訳じゃない。


見知らぬ妖怪たちを切り捨ててご主人様の気配を感じ取り露わになった乙女心が欲する欲が赴くままに。


いかがでしたか?

奴隷少女Aの来襲!? そして、地球はどうなったのか?

機械帝国の始祖はいったい!? アップテンポで迫りくるストーリーにクスっと笑っていただけましたら幸せます。

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