間幕・奴隷少女A編……プロローグ
こんばんわ、楽しんでいただけましたら幸せます。
この世界に生を受けた時から奴隷と定められていた。
灰色のスモッグが揺らめく貧民街、魔族が過ごす街とは切り離された貧民街。
かつての人間達が住む大陸の王たちから使い捨てにされるとも知らずに派遣された異世界召喚勇者やその仲間たち。
魔大陸の絶対君主・魔王。
その強大無比な魔力の前に破れた数多の使い捨て勇者や仲間の子孫や淫魔に唆され捕らえられた有名冒険者たちの子孫の成れの果てが住む貧民街。
笑いも憎しみも……愛もない。
ただ、そこにあるものは暗黒に染まった粘ついた絶望だけ。
抗えない奴隷制度。
ただ、奴隷にも格差がある。
神秘的なエルフの子孫や容姿端麗な勇者の子孫は男女問わず魔族たちの性欲を満たすためだけの娼婦や性奴隷に身を落として生計をたてる。
あたしのような薄汚い子供は黒がかったどんより雲の下で飢えた濡れ鼠のように下水が流れる川の苔を食べて命をつなぐか、変態魔族の慰めものになるか。
幼かったあたしを捨てた母親……優しかったと信じたい顔も覚えていない母親。
捨てられたことは仕方がない……娼婦だった母と誰かわからない父……商売でできたのか、強姦されてできたのか、……あたしが生まれ……僅かなお金で奴隷商人に売られて……這い出ることのない絶望の世界に捨てられた。
淀みきった心……腐りきった世界。
あたしは劣悪な環境のもと死にたいと願いながら生きぬいた。
あたしと共に過ごしていた奴隷少女たちは魔族の玩具として売買されたり、無理がたたり身体の一部を欠損したり、不衛生すぎる環境で身体は蝕まれて骨と皮だけになったりした奴隷は生きたまま魔獣の餌となり廃棄される。
そんな血腥さと欲望に翻弄される絶望に彩られた毎日を過ごす。
そしてあの日が来た。
運命を変えたあの日は突然やってきたのだ。
あの日はなんの気まぐれか……わたしは街の裏路地に出された。
前夜、土偶の神様の夢を見た日。
『あの者に仕えなさい……その者の二つ名は童貞エロチンコ魔人』
そして翌日、看守が牢獄の中を見渡して次に魔獣の餌になりそうなあたし……そう無駄なぜい肉がなく素っ裸だったあたしに大きなТシャツを被せると乱雑に掴んで外の世界に放り出したのだ。
とは言え、この世界に居場所なんてない。
あたしは奴隷の首輪をしたまま行くあてもなく細い路地を歩いた。
突きつけられた現実……満足な食事も与えられなかった栄養失調の身体はふらつく……もう、立つことさえ。
「き、きみ、だ、大丈夫かい?」
とても優しい声だった。
あたしの直感は語る……もう簡単にお金などを騙し取れそうなほどお人好しの声だ。
だから言ってみた……娼婦の母親から受け継いだ卑しい血筋が言わせたのかもしれないけど……あたしの運命を変えた言葉。
「買ってもらえるのですか・・・銅貨・・・三枚です」
この言葉がご主人様との物語の始まり。
あたしの最愛のご主人様。
あたしの血も肉も……心も魂も全てはご主人様のもの。
だからあたしを愛して欲しい。
あたしはご主人様を世界で一番愛していますから。
いかがでしたか?
奴隷少女A編の始まりです。
少しだけ執筆のニュアンスを変えてみました。
少し、周りのヒロイン達のストーリーを織り交ぜていく予定です。
皆様に楽しんでいただけましたら幸せます!




