腐敗の世界編……もう一つのたんぽぽ荘? 徴収第五部隊員、その名はサクラ丸
こんばんわ、楽しんでもらえましたら幸せます。
そこはあらゆる世界から廃棄された物質が散乱した退廃世界……粘ついた腐敗臭が辺り一帯に充満している世界。
見渡す限りゴミ、ゴミ、ゴミ……発酵した生ゴミ、腐乱した死体……そして、粘ついた赤黒い汚染土。
陽光が差し込まない小高いゴミ山に囲まれた下卑た印象が強い……っていったいここはどこやねーん!?
いきなりなんやねん、どうなってるねん! 臭い、臭い、臭いぞーっ!
とんでもないう○こ……いやいや、汚物にまみれたような匂いが嗅覚に突き刺さる……って、うあぁぁぁーっ、嗅覚に突き刺さる匂いどころかゴミ山に突き刺さった槍……一本一本に人型の死体が突き刺さっているではないですかーっ!?
「や、やばいぞ、昔テレビでやっていたホラー番組『恐怖・人食い民族の巻』みたいな雰囲気がビンビンするぞーっ!?」
こんなヤバイ雰囲気は……昔、僕が風邪をこじらして神社の軒下で弱っていたとき、まだ人間界の旅になれていないシルクが一生懸命栄養のあるものを探してくれた結果『栄養たっぷりのクスリっぽい(・・・・)飲み物を集めてきたのですーっ!』と言いながら無理やり僕の口に流し込んだ自称ハイテンションになってしまう化け猫印のクスリ(・・・・・)を消化した翌日のテンションほどヤバイ雰囲気がする。
「発見! やっと発見でごわす! その幸薄感満載の美形! もしや、リン殿ですな、見つけたでごわす!」
いきなりすぎるその甲高い声に心がドキンと跳ね上がる!
小心者の僕は驚きのあまり「うあぁ!」と軽い悲鳴をこぼすと反射的に近くにあったポンコツ的に壊れた大型薄型テレビの後ろに身を隠す。
もう、カメレオンの擬態ぐらい見えなくなったろう、一寸の気配を漏らさぬ隠匿の術! シルクとの旅で覚えた『忍法・飲食店のゴミ箱漁りのライバルを出す抜く術』がこの場で役に立つとは!
「すまんでごわす! 恐れないで姿をあらわしてほしいでごわす!」
ぐしゃりと泥濘む足元に力を入れながらも見つからないようにこっそりと背伸び。
あちらの呼びかけに呼応したわけではなく、怖いけどあくまでひっそりと……昔、むにゃむにゃとヨダレをこぼして熟睡する可愛すぎるシルクのとなりでバレないようにほっぺにキスをしたいエロス願望を押し殺して寝たふりをしていた僕の強靭な精神と勇気を使って覗いてみた。
年端もいかない少女ぽい? いやいや、見かけにごまかされないぞ!
ポロポロの黒いコートで全身を覆い、フードをかぶったうえに荒唐無稽なイノシシ風の仮面をかぶっている……すげぇーっ変質者も真っ青なファッションではないですかーっ!?
だけど、その仮面の下から感じる視線は鋭く無機質……これは経験則でいえばかなりの手練なきがするぅーっ。
「拙者の名はサクラ丸でごわす! たんぽぽ荘家賃徴収第五部隊のものでごわす!」
「えっ、たんぽぽ荘?」
「そうでごわす! 了承なしで神社からいきなり転移。 さぞかし驚かれたと思いますが、ここの大地……そう、腐敗の大地には機械帝国の手が伸びでないので安心なされよでごわす」
「転移?」
そう、僕は着ぐるみの神様が治める神社でシルクの娘? のキヌと和解して機械帝国と戦う決意をしたところまでの記憶はあるぞ。
「すぐに拙者と来るでごわす! たんぽぽ荘家賃徴収第一部隊団長の土偶神・アラハ様の命令をうけたのでごわす! すぐに直ちに刹那に童貞エロチンコ魔人を連れてきなさい! と青筋立てながら言われたのでごわす!」
「ア……アラハ……先輩……」
僕のほうを見る仮面が不気味すぎるサクラ丸……ただ、アラハ先輩の名前が出た途端、無機質だった視線に『あーあ、アラハ様の呼び出し、同情しますよ……的な色』がいっぱぁぁぁぁい花咲く。
『アラハ』と言うキーワード……全てが終わった気がする。
僕の今後の進退問題について、一瞬にして懊悩に浸食された心奥まで見透かしたサクラ丸さん……むしろ、もっと全て見透かして助けてくださーい!
いかがでしたか?
神社からいきなりの腐敗した世界……『あれれ、機械帝国編からいきなり何故?』と思われた方や『ああっ、なるほどなぁ』と虎龍の思考を先回りされた方も、皆様が楽しんでいただけるようなストーリー展開……頑張ります(☆∀☆)
この度もかきくけ虎龍作品を読んでいただきましてありがとうございます!
ブックマークやレビュー・感想なども増えてきました。
作者として執筆の原動力になります。
心から感謝の気持ちでいっぱいです。




