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隣りの勇者とパーティを組むことになりました  作者: 雲乃琳雨


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10/24

10、私たちの休日

 土曜日はいつも家の掃除や、たまった片付けをする。日曜日はナンシーと出かけることが多い。店は土日休みが多いけど、隔週で開けてるところもある。

 今度の日曜もナンシーと買い物に出かけることにした。


 日曜になって、二人で街の洋服屋さんに行った。服装のことを言われたのもあるし、スカートを破きたくないから、ズボンをはくことにした。

 何着か試着(しちゃく)すると、ナンシーに見てもらった。とりあえず二着買った。以前の二日分の稼ぎ、五〇ルトが飛んでいった! でもこれは仕事着なので、経費にする。


「やっぱり、逃げられないと危ないもんね」

「そうだね」


 スカートは動きにくいから、これで良かった。

 店を出て稼ぎのことを考えていた。昨日までに私は、六七六ルト稼いだ。派遣の一か月分の稼ぎを三日で超えてしまった……。すごいことだけど、年間金貨一枚以上稼ぐと税金がかかるのだ。派遣のペースだと、銀貨六枚だったけどこのままだと超える……。うれしいけど、子供寮の家賃も収入によって増えるのだ。


 ルイスは私の倍稼いでいるから、税金が莫大になるかも! 言っておかないと。

 今のところルイスが使ったのは、魔法袋の金貨一枚の三分の二だけだけど、換金から引いてもらってるから経費にする必要がない。

 聖剣があるから装備が今のところ要らない。まだ始めたばかりだから先のことは分からないけど、必要なものがあればお金は使っていったほうがいいよな。


 ナンシーが聞いてきた。


「どうしたの? 難しい顔して」

「ああ、税金のことを考えていたの。このままだと払うことになりそうだから」

「そっか! 冒険者は儲かるもんね」

「ナンシーはどう?」

「私は、ジョンソンさんと金貨一枚未満で契約してるの。そのほうが寮費が安いし、私もそんなに使わないから、一八歳までは見習いとして働くことになってる」

「さすが、ジョンソンさん」

「うん」


 そうだ、リュックも買わなきゃ。


「カバン屋に寄っていい?」

「いいよ」


 カバン屋に行って、小ぶりのリュックを調達した。魔法袋があるから大きいものはいらない。その後は、昼ご飯を食べて、食料の買い出しをして帰路についた。


 今日のご飯は私の家でナンシーと作る。日曜の夜は交互にお互いの家で食べるのが、休日の楽しみだ。たまに土曜からお泊り会もしたりする。

 そういえば、ルイスは休みの日は何をしているんだろう。ちょっと気になった。


「ルイスもご飯に誘わない?」

「いいよ。一緒に作るところからやろうよ」

「いいね」


 寮に帰るとルイスの部屋に先に寄った。ノックをする。


「ルイス、ユミとナンシーだよ」


 ドアが開いた。ルイスは目をしょぼしょぼさせていた。寝ていたみたいだ。


「私の部屋で夕飯を作って食べるから。一緒にやらない?」

「うん」

「じゃあ、三〇分後に来てね。パンと、椅子が二つしかないから、椅子とテーブルも持ってきてね」

「分かった」


 私とナンシーも部屋に帰った。

 三〇分後に二人が来て、料理をスタートさせた。ルイスが緊張(きんちょう)して言った。


「俺、料理したことないんだ。だから、教えてほしい」

「そうなんだ」

「今まではどうしてたの?」


 ナンシーがルイスに聞いた。


「目玉焼きとか、缶詰のスープとか簡単なものを作ったり、温めたりして食べてた」

「なるほど」


 私が納得した。


「今日のレシピを書いて渡すね」

「ありがとう」


 ナンシーが言うと、ルイスはうれしそうにお礼を言った。ナンシーは料理が上手だ。私も教えてもらっている。

 ルイスに材料を切らせると、確かに怪しい手つきだった……。ナンシーが手の置き方を教える。


「指を曲げて猫の手にして、押さえるんだよ」

「うん、分かった」


 同じ刃物でも、聖剣のようにはいかないんだな……。

 今日はグラタンとサラダと、ジョンソンパンだ。小さいテーブルを二つ引っつけるとちょうど良かった。三人で座って、手を合わせる。


『いただきます!』


 三人で食べるのはすごく楽しかった。ルイスに税金の話をした。


「考えてなかった!」

「まだ先だけどね」

「うん。これからいろいろ要るかもしれないね。そうでなくてもあまり使わないから、税金の支払いには困らないと思う」

「さすがだね」


 ナンシーが褒めた。ルイスは聖剣のことを話してくれた。


「実は、剣は遊びでしかやったことがないんだ」

「そうなんだ! でも、動きはスムーズだよ」

「聖剣の言う通りに動いている感じ」

「へ~」

「だから家で練習しているんだ」

「そっか、えらいね」


 休みの日も鍛錬していたんだ!


「でも、部屋だと狭いよね」

「そうだね。大きい動きのときはゆっくり動いたり、家具を壊さないように注意してる。あとはダンジョンで実践するしかないな」

「ダンジョンは広いからいいよね」


 ナンシーが言ったので、私は思い出した。


「そういえば、協会でダンジョンツアーをやってるよ。一層目だけで、透明石を持って入るから安全だよ」

「へ~、そんなこともやってるんだね」

「うん」


 中と外の掲示板にポスターが貼ってあった。透明石はモンスターから見えなくなる魔法石だ。職員の人も持って入るので、ダンジョン内でスムーズに行動できる。


「参加費は十ルトだったかな。お土産がつくよ。モンスターを倒せば、魔鉱石が取れるから参加費は無料になって、お土産もバージョンアップするらしい」


 モンスターからは見えないから、簡単に倒せる。でも、攻撃すると気づかれるので一発で仕留めないとダメとのこと。魔法石は協会に渡さないといけない。ナンシーは興味を示した。


「おもしろそう! お土産は何だろう。アイテムかな。バターだといいね」

「うん。秘密かもしれないけど、今度聞いてみるね」


 ご飯を食べ終わると三人で片付けをした。


「少し休憩してからお風呂に行こう」

「うん」


 今日はお風呂に入れる日だ。お風呂は共同浴室で週三日、日、水、金曜日に入れる。時間は、十八時から二一時までだ。一度に十人ぐらいまでは入れる。


 ナンシーが提案した。


「また、休みの日に三人で食べようよ」

「うん」

「そうしよう! ルイスに料理を教えてあげるよ」

「ありがとう」


 ルイスも同意して喜んでいた。ルイスに、休みの日はどうしていたのか聞いてみた。


「談話室で、他の子たちと話したよ」

「そうなんだ!」

「みんなの出身地の話を聞いたんだ。いろんな話が聞けておもしろかったよ。今度遊びに行こうって、話になった」

「みんなと仲良くなったんだ! 良かったね」

「うん」


 ルイスは穏やかだから、友達付き合いが上手そう。私たちは、胃が落ち着くまでおしゃべりをして解散した。

 ナンシーと一階の浴室に向かった。ナンシーが笑顔で言った。


「今日は楽しかったね」

「うん!」


 休みは本当にリフレッシュできた。明日からまた頑張ろう!


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