第9話 憧れ
夕暮れ。
レオンは家の前に座り、父の帰りを待っていた。
「ただいま。」
父が帰ってくる。
鎧には魔物の爪痕。
背中には大きな荷袋を背負っていた。
「父さん!」
レオンは駆け寄る。
「今日はどんな魔物と戦ったの?」
父は笑いながら袋を下ろした。
「今日はゴブリンの群れだ。」
「大変だった?」
「ああ。でも依頼は無事達成だ。」
父は袋の中から、小さな魔石を取り出す。
「ほら。」
「わぁ……。」
青く輝く魔石。
レオンは目を輝かせた。
「きれい……。」
父は頭を撫でる。
「これは冒険者だけが見られる景色だ。」
「世界には、もっと広い景色がある。」
「もっと強い魔物も。」
「もっと美しい景色も。」
レオンは息を呑む。
「僕も……」
父を見る。
「冒険者になりたい。」
父は少し驚いたあと、笑顔になった。
「ああ。」
「簡単な道じゃない。」
「怪我もする。」
「命を落とす者もいる。」
「それでもか?」
レオンは迷わなかった。
「うん。」
「僕は冒険者になる。」
父は静かに頷く。
「なら今日から、その夢を忘れるな。」
「はい!」
その夜。
レオンは木剣を握りしめた。
才能はない。
魔力も平均以下。
それでも。
「いつか。」
「父さんみたいな冒険者になる。」
そう誓い、月明かりの下で剣を振り始めた。
この日抱いた夢が。
後に世界中へ名を轟かせる冒険者――
レオン・フェルディスの第一歩となるのだった。
あとがき
一旦、小説家になろうでの
投稿、休止いたします。
カクヨムでは通常どおりに投稿してます。
本当に申し訳ございません。




