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ティターニアの決意

今日は、まる半日を兄のアルベルトと共に過ごす

事となった。


これでは、推しに会いに行けない。


「では、アルベルトお兄様は私にシグルドと結婚

 しろと言いたいのですの?」

「そうは言わないが、いっそ命令してしまえばい

 いいんじゃないのかい?回りくどい事しなくて

 も、騎士団に入っているのだから陛下から言わ

 れれば聞くしかないからね」

「アルベルトお兄様、もう終わった事はいいので 

 す。私はもう、なんとも思っておりませんわ」

「でも、あんなに後を追っていたじゃないか?」

「それは過去の事ですわ。私、気づいたのです。

 その気がない相手を慕っても無駄だという事を

 。それに、嫌われている相手と結婚しても幸せ

 にはなれませんわ」


清々しいくらいにティターニアはスッキリとした

顔で言ってきた。


もちろん、未練はあるのかもしれないが、アルベ

ルトには、そんな素振りすらみせなかった。


「大人になったんだな…」

「それはもう、お酒も飲める年齢ですもの」


知らないうちにだいぶ成長したようだった。


「そうか…それならいいんだ。では、今日は戻るよ

 やる事もあるしね」

「そうしてください。私はしばらくここでお茶でも

 していますわ。今日は暖かいですから…」

「そうか、なら冷えないうちに帰ってくるんだよ?」

「はい…お兄様」


きっとシグルドとの事を直接確かめておきたかった

のだろう。


そもそも、攻略対象を好きになんてならないから!


そう思うと視線を移す。


そこにはシグルドとマリアの姿があった。


庭を見に来たのだろうか?

それにしても、マリアとはいつ仲良くなったのだ

ろう?


まぁ、主人公なのだから、人生イージーゲームな

のだろう。

なにせ、主人公補正があるのだから。


羨ましくなんか…ないんだからね。

うん。本当に羨ましくなんか……ないはずだ。


だって、主人公じゃ、ガゼルは落とせないのだか

ら。


ガゼルは攻略対象ではないのだ。

その理由は、いつもシグルドを敵対しているのと。

最期に命を散らすからだった。


それをなんとしてでも食い止めるのが目的で、うま

く行くなら、もっと近くで推しを観察したいと思っ

てしまうのだった。


ゲームの分岐点で起こる事を、潰していけばきっと

未来も変わる。

そう……信じている。


いつか、マリアがシグルドを好きになっても、ティ

ターニアは関わらない様にしようと思う。


この国で一番の権力者は、やっぱりティターニアな

のだから。


無理に関わる必要などない。

中途半端に関わると、痛い思いをするだけなのだ。


「私の好みじゃないもの……全く、全然好きになん

 てならないわ」


自分に言い聞かせると、今ままでのティターニアの

異常なほどの執着がなぜなのかと、考えてしまう。


自分を嫌っている人間をそこまで好きになれるもの

なのだろうか?


相手にもされず、ひたすら冷たい態度を取られ続け

ているのだ。


ゲームではシグルドの回想シーンで母親の死に触れ

ていたけど、あまり詳しくは出てこなかった。


ティターニアの事はメインルートとはあまり関係な

いせいか曖昧に描かれていたのだった。



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