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真実と報告 6

出発時の映像や、ガゼルの周囲の人々。

そして、村に辿りついてからの行動など、鮮明に

映し出されていた。


早送りで流して見ると、どこにも聖女見習いであ

る、神殿の巫女はいなかったのだった。


報告に上がっていた聖女候補はなぜだか白の騎士

団と行動を共にしたとあった。


「これは一体どうなっておるのだ!すぐにシグル

 ドをここに呼べ!……いや、ヴォルフ卿も一緒

 だ。」



陛下の声に護衛でついていた兵士達が慌てて駆け

出していく。



呼ばれたヴォルフ卿親子は、跪き陛下の言葉を待

っている。


そこに後ろ手に拘束されたガゼル・トート卿が、

兵士に連れ添われ現れたのだった。


「これは一体、どう言う事ですか!陛下、この様

 な平民騎士を同席させるなど……」


ヴォルフ卿は慌てて声を上げた。

シグルドは黙って俯くだけだった。


「事情がわからぬ様だから説明しよう。」


陛下の声が響くと、一同が静まりかえった。

そこに説明役として、大臣が同席した。


大臣の話では、遠征での皇女の怪我の責任を問う

という事で、ガゼル・トート卿の拘束及び、罰が

与えられた。


だが、実際はそうではなかった。

魔力枯渇だったのだ。


それは神殿からの同行者がいればすぐに解決でき

た案件だった。


だが、黒の騎士団には誰も同行していなかった。

なぜなら、その同行するはずだった聖女候補が白

の騎士団に二人もいたからだった。


平民ばかりの黒の騎士団に回復が使える者が皇女

しかいなかったのだ。


貴族でない身分の者ばかりで、怪我を負っても治

せないでは、生存率は格段に下がる。


そんな事は誰にでも分かりきった事だった。


それを考慮して王命で神殿に聖女候補生を付ける

ように言っておいたのだった。

にもかかわらず、いなかった事実に憤慨していた。


「これは事実か?」

「………はい」


黙ったままだったシグルドが声を発した。

この遠征の場所や人員を配置したのはシグルドの

采配だからだ。


あきらかに悪意が見て取れる。

いつもなら問題になどならなかった。


だが、今回は違っていた。

ティターニア皇女が同行したからだった。


それも、高い魔法石で映像記録を撮っていた事が

大きかった。


「ガゼル・トート。お主はよくやった。我が娘を

 最後まで守ったと聞く。縄を解け!大々的には

 できなかったが、ガゼル本人に男爵の位を与え

 る事とする。たしか養子だったな?これで、家

 に縛られずとも爵位がついたわけだが……それ

 意外に褒美をやろう。何が欲しい?」

「いえ……もったいなきお言葉……それだけで…」


自由になると陛下に跪く。

本当に忠実な騎士のあり方だった。

これで平民でさえなければ……。


陛下はため息を漏らすと、言葉を付け加え得た。


「褒美は考えておくように……それと、ヴォルフ卿

 今回の事は其方の失態だ。シグルド・ヴォルフに

 はしばらく部屋で待機を申し渡す。決して外に出

 る事は許さん……以上だ。下がれ」


シグルドの自宅謹慎は、王宮内ではすぐに噂になっ

たのだった。

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