このっ
次回に一気に最後まで更新したいです
ディアの父親達と共に、東の魔王の城に向かっていったエリオット達だが。
そこでレイトが現れて目を丸くした。
「トルソ様! 何時戻られたのですか!」
「今西の魔王と、勇者リアネーゼにディアが攫われた」
「本当ですか! 我々が全員気絶している間に……どおりで何処もいないはずですね」
そう、顔見知りらしい様子に、そこでエリオットは疑問を覚えた。
「……もしかして、こまめに五傑とは連絡を取っていたのですか?」
「もちろんだとも、可愛い我々の息子だからね」
そう奥方と一緒に微笑み会う二人に、ディアは愛されているなと思いながらもエリオットは、
「何で理由を説明しなかったのですか? ディアに」
「……難しい魔法でね。ディアに話して伝えるだけで、効果が消えてしまうのだ」
「なるほど……」
「所でレイト、全員が目を回したといっていたが、何があったのか教えてもらえないか?」
そうディアの父、トルソに問いかけられて、レイトが固まった。
まさか五人がかりでディアに挑み、自分達の物にしてしまおうとしたなんて、とてもではないが言えない。
何か良い言い訳はないかと思っていると、
「なるほど、ディアを五人がかりで魔法をかけて弱らせた挙句、襲って返り討ちにされたのか」
「! 何故それを……は、心を読んで?」
「まあ昔から君たちはディアに邪な思いを抱いていたからな。とはいえやはり私達の息子は強いらしいぞ!」
「そうですね」
嬉しそうに微笑み会う奥方と元魔王。
対してレイトは、もう嫌だと床に手をついたのだった。
そんな三人を見たいたエリオットは、
「それでディアをどうやって救出するのですか?」
そう、問いかけたのだった。
西の魔王の城にて。
西の魔王テイルは、魔法のかかった金属の枷で後ろ手に縫いとめられ、足かせをされてベットの端にその鎖は繋がっている。
現在テイルとディアは、テイルの部屋に軟禁されていた。
まさかこんな事をされるとは思わず、テイルはそうした張本人を睨みつける。
「! 話が違う! 何でこんな……」
「別に利害が一致していたから組んでいただけで、この人質の東の魔王が手に入ればお前は用済みだ」
リアネーゼは薄く笑いながら、テイルに見下ろすように告げる。
そのテイルの傍では、同じように拘束されたディアが、気を失って倒れていた。
その倒れたディアの様子をちらりと見て気にしながらテイルは、
「こんな酷い事をしてどうするつもりだ」
「酷い? お前が弱いだけだ。大体人間相手にお前もやりたい放題やっていただろう?」
「それは……」
「どの道、この世界は我々のものになる。まあお前は、俺の手伝いをした事とその美しさに免じて、慰み者として飼ってやるよ」
「ふざけるな! それにディアと組めばお前なんてやっつけられる!」
「そのための魔力封じの枷だ」
「こんなもの壊して……」
「壊す分の魔力を含めれば、お前達二人など取るに足らない存在だ。俺にとってはな」
「そんな事をいって本当は怖いんだろう、僕達が」
言っている事が本当なのかどうかを試す意味で、テイルはリアネーゼに問いかけるが、その言葉にリアネーゼは薄く笑い、
「実は、俺以外の神が後二人いてね。あいつらは双子なんだが、一人一人、俺よりも弱いが強い力を持っていてね」
「……神?」
「そう、この世界……魔界を支配下に置こうと思うこの世界の外にいる神々。そのうちの一人が、俺だ」
「人間、じゃ、ないのか?」
「人間として潜んでいたんだ。本当はもう少し早くこの世界を支配しようと思ったのだが、エリオットが大きくなるまで様子を見ようと思って、見逃していたんだ」
エリオットと呟く時、リアネーゼは初めて優しげな笑みを浮かべた。
それを見たテイルはもやもやするが、すぐにリアネーゼはいつもの傲慢そうな笑みを浮かべて、
「この俺が殺さずに見逃してやろうと言っているんだ、感謝して精々俺の御機嫌を取るんだな」
「冗談じゃない、僕は……」
「そこにいるディアという魔王は見た目が美しいが、エリオットを俺から奪おうとしたのが気に入らない。お前が反抗的ならば、酷く扱ってしまうかもしれないな」
「このっ……!」
「だったら俺にどうやって気に入ってもらえるか、ご奉仕できるか、考えるんだな」
絶句して睨みつけるテイル、その顎にリアネーゼは手を伸ばして持ち上げる。
涙で潤んだ瞳に、怒りで上気した頬。
それでもその美しさは損なわれる事は無く……そのままリアネーゼをテイルの唇を奪った。
「んんっ! んっ」
「……痛っ! よくもやってくれたな」
唇をかまれて、リアネーゼはテイルを笑顔で睨みつけ、そのままその体をベットへと強い力で張り倒す。
そんなテイルの体が気絶したディアの体に当たり、
「んん……なんだ? ここは……」
ゆっくりと瞳を開き、ディアはぼんやりと呟いたのだった。




