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1日開けて鹿嶋は来た。
給食も別室で食べて良いというと、なんと3時間目の終わりから来た。
「この時間から来てくれるなんて珍しいね」
「…そうですね」
鹿嶋は眉を顰めた。
その表情から、鹿嶋はたぶん親に言われてこの時間から来たんだろう。
鹿嶋は母子家庭だ。
以前母親と話した時、
「自分が仕事に出てる間、子供が1人で家にいるのが心配で…」
みたいなことを言っていた気がする。
「今からの4時間目は俺が監督なんだよね」
「そうですか」
大分興味無さそうに答え、鞄を机に置き、本とスケッチブックを取り出した。
俺も仕事しなきゃな、と思い机を片すと、不意に鹿嶋がこっちを見た。
「そういえば先生」
「どうした?」
「先生になりたくてなった訳じゃない、ってどういう意味ですか?」
動きが止まった。
本当に余計なことだけ覚えている。
「…そのままの意味だよ」
「なんで続けてるんですか?」
「辞める理由もないから」
沈黙。言葉が無くなったというより、言葉を選んでるように見えた。
「…先生って、学校好きだったんですか?」
「別に。学校が好きじゃなくても教師になった人は五万といるでしょ」
そういうと鹿嶋はまた黙った。
「先生も仕事あるから。鹿嶋さんも本読むなりなんなり好きにしな」
椅子を引く音が響いた。




