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9.~買い物に行こう~

「あの黒い壁はパンデミックが起こって直ぐ建設されたらしい…。アレが出来る瞬間を見てはいないし逃げるのに必死だったからな。ただこの街はあの壁によって封鎖されているらしい、外は多分前の生活と変わらない、いつも通りの社会があるんじゃないか?俺が一週間お前といれた理由の一つでもある。」


俺はどういうことかと尋ねると


「携帯の回線が生きてるんだよ、理屈は分からんが携帯は使える。がテレビなんかの放送は…駄目みたいだな、同じ番組ばっかりだ。情報封鎖の一つかな?

外もそうなのかは分からんが、少なくとも人工物とわかる建て物なんだから、急遽作ったんだろうよ。

で、話は戻るがお前の健在を確認したがおかしな状態だったんで放っておくのも出来ない、だから連絡だけは入れておいたんだ。」


こいつにはすまないコトをしたな、いくらついでだからと言ってわざわざ危険があるかもしれない場所まで来るなんて…。

俺は決心をする。

2度も友人を失ってたまるか。


「なぁ、俺もそこに行ったらいけないか?もしかしたら危険な存在であるかもしれないが、このまま1人で帰らせる訳にはいかないし、役には立てる自信はあるぜ。」


浩平は腕組みをして考え出した。

しばらくして意外な答えが返ってくる。


「まだ、お前が安全だと分かったわけではないけど、この問題が解決した時に保菌者(キャリア)からは、もしかしたらワクチンなんかが作れるようになるかもしれない。」

浩平は続けて言った。

「だが、行ったら行ったで拒否されることもあるかもしれないし、最悪殺されるかもしれないんだ。そこの所は覚悟しておけよ?」

と釘を刺した。

「逃げ足は早いもんでな、それに今はこの身体だ、直ぐには死なんし大丈夫だ。」

と話が先に進んだところで避難先について教わった。

俺の家からクワオーを挟んで向かい側に位置する場所にある、愛オングループのショッピングモールらしい。

なんて、なんてベタな展開!!

サイコパスいっぱい!!

て言うけど俺もそうだったか…。


「おい、今なんか危険なこと考えてねえ?」

浩平が訝しげな顔で質問してくる。


「大丈夫大丈夫、それよか武器でも探そうぜ」

今から部屋を調べて武器になりそうな物を探すことにした。


したのだが、

意外と無いな…。


見つかったのは、バット、ボール、木刀、竹刀、包丁、フライパン、バイクのヘルメット何かだ。


バットはボコボコに歪んでいる。

中々年季が入っている感じだけど、多分、元康状態で使ってたんだよなー?

とバットを握りスイングのマネをする。


「浩平お前は木刀でも使うか?」

「ああ、それじゃ使わせてもらうとするか。」


とりあえず2人の準備が整った所でマンションのエントランスまで向かう。


浩平は自転車を使ってここまで来たらしい玄関の前にはロードバイクが置いてあった。


「どうだ?愛オンで取ってきたんだよ10万以上はするぜ」

と自慢気だ。


「あ〜盗品を自慢気に話す友人を持って幸せだわ〜幸せだわ〜」

とふざけて居たが早々に1体の感染者が

近づいて来たのが見える。


「俺も愛車の赤竜号でいくぜ!」


と言いながらレンタルのママチャリだ。


バットを握り締め自転車をこぎながらかなりのスピードで感染者に近付き、横薙ぎにスイングした。

感染者から『パクん!』と音がして顔がひしゃげ、そのまま崩れ落ちた。


その様子を観て浩平は

「こりゃ、放っておいても良かったかもな」

と毒づきながら俺の先に行き道案内をする。


どの辺りに奴らがよく潜んでいるのか、といったリサーチを既に済ませているらしい。

仲間が調べたか何かだろうか?


とその時


「ぎゃあー!たた、助け」


十字路の向こう側から声が聞こえてくる。


声がした方向へ浩平の自転車は進む、

進むがそのまま通り過ぎた。

早く来いと浩平がジェスチャーで促し、俺はそれに従い続いた。


「なぁ、良かったのか?」

と聞くと、


「何でもかんでも助けてたら自分の足元をすくわれる、助けようと思うのは身内くらいだ。」

前を見ながら諦めたかのように言葉を放った。


もう少しでショッピングモールの近所という所で感染者の群れに出くわした。


ここまで大体は遠目に見ては近くに感染者が潜んで居ないか確認しながら慎重にやってきたものの。


拠点の近くという所で出会ってしまった。がここが腕の見せどころ。


「浩平!お前は休んでてくれ、ちょっと皆殺しにしてくるぜ!」

1人飛び出す。というか俺が前に行かないと浩平が危ない。


1番先頭に居た感染者を正面から真っ直ぐにフルスイングした。


顔が沈み込んで倒れ、反動で上がったバットを次の感染者の口に突っ込んで、そのまま壁に叩きつけた。感染者はズルズルと横たわる。

横から襲いかかる感染者を蹴り飛ばし、倒れた瞬間頭を踏みつけ、たと思ったらそのまま潰してしまった。


コレ武器要らねんじゃね?

その間に至近距離に来て居た感染者の首に手を出す。


近寄って食おうとガチガチと歯を鳴らす感染者をそのまま塀にぶつけ何度か頭を打ちつけるとズルズルと倒れていった。


次に気付くと足、背中、バットを持つ腕に3体の感染者が噛みついていた。


浩平が絶句している。


腕に噛みついてきた感染者を殴り飛ばし、足元で噛みつく感染者をバットで絶命させる。後ろにしていた壁に向かって身体ごと体当たりをかまして感染者を引き剥がす。

殴り飛ばした感染者と引き剥がした感染者が一気に襲いかかるが片方の頭を持ち地面に向かって叩きつけ、殴り飛ばした方はバットで頭を粉砕した。


所で浩平を見ると後ろから

感染者が襲いかかろうとしている。


志村ぁ!うしろ〜!!

そう思いながらもバットを槍投げの要領で投げ飛ばす。


バゴンとクリーンヒットした。


こんなに上手くいくとは、将来はオリンピックに出れるな。

もっとも将来なんて先がこの後にあるのかさえ分からない状況だが。


浩平はというと、きちんと後ろの感染者にとどめを刺しているところだ。


計8体の感染者を殺し、後ろから襲いくる感染者に向かって走った。


飛び蹴りをかませて倒れた感染者を再び踏みつけ、残り1体を壁に追いやって相手の腕を引きちぎる、腐ってるから柔過ぎる。

そのまま腕を反対方向に持ち替え感染者の目玉に向かって突き刺したところで活動を停止した。


「あー、疲れた」


浩平は驚きを隠せない様だ。


「傷の治りが早いだけじゃなくて、腕力なんかもちょっと強くなってるみたいだ」


「ちょっとどころじゃねーよ!完全に人間辞めたな、どこの戦闘民族だ!お前は!」


「うん、言葉の暴力はいけないと思うの」


そう言いつつボキボキと指を鳴らし、

突っ伏したままの感染者に向けて言葉を言った。


「お前はもう死んでいる」


そして浩平は言った。


「あー、それは笑えない」


寂しいことを言うんじゃないよ、いつものようにすべり芸を披露しつつも

着実に道を進み、しばらくしてショッピングモールが見えてきた。

遠目に確認していたがやっぱりデカイなぁ。


着いた所で浩平がここからは静かに行くと言ったのでそれを見守る。


正面入り口はシャッターが閉まって居たが感染者の群れがバンバンとシャッターを叩いていた。

その音に惹かれ他の感染者も集まっていた。


さっきから浩平はモール内の人間と連絡を取っているようだしばらくして、館内放送が流れた。


『沢渡くんいるか?今裏口を開いたから入って来て良いよ』


その後浩平の後を走り着いて行く。

従業員用と書かれた看板があるここを使うのかと、考えていると入り口の前を3体ほどの感染者がうろついていた。


俺が前に出ようとした時、浩平は手で制止させた。

その瞬間、3体の頭や体にボウガンの矢が刺さる。


3体の感染者はそのまま崩れ落ち、入り口が開いた。


中から出てきた男が入って来る様に促した。


そのまま浩平は入り口に向かっていったので俺もそれに従い一緒に入っていった。




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