あとがきのような、ライナーノートのような
《登場人物》
・ライラについて
本人はそのつもりはないのだけれど、「どこか浮いてしまう」女の子です。
周囲の年の近い魔女友達の間でも浮いてしまうし、年代の違う魔女たちとの間でも浮いてしまう。
更にいうと、「魔女」という存在自体が社会的に浮いているので、色々な意味で浮きまくっています。
浮いている彼女は、いつも何か生きづらさを感じていますが、それでも周囲に溶け込もうと努力しています。
そうすることで自分自身に嘘をついてしまうことになり、更に生きづらくなってしまうのです。
ただ、彼女は気が強くしたたかで、ちゃっかりしたところもあるので、それなりに生きていけてしまいます。
そのことが、彼女自身の中のSOSに、自分でも気づきにくくなっている……そんな感じの少女です。
舞台設定のモデルはイギリスの産業革命時代ですが、もう一つモデルとしているのが北欧で、登場人物はスウェーデン系の名前を使用しています。
スウェーデン人はゲルマン系で肌が白くて金髪が多いイメージですが、隣のフィンランドはモンゴロイドの遺伝子も混じった人も多く、そういった少し違う人種の血が混じっている、というイメージで、黒い髪の持ち主にしました。
だから、見た目的にも浮いちゃっているんですね。
彼女があまりおしゃれに興味を持てないでいるのは、そういったコンプレックスがあるからなのです。
あと、実は隠れた読書家。
インドア派です。
・マクシミリアンについて
彼もまたライラ同様、周囲から浮いている存在です。
国王の血を引いていながら、あまり「王子」らしく扱われていません。
父親や兄たちだけでなく、侍従や門番にまで邪険にされている始末……。
あと、中身も結構変人なので、そこでも浮いてしまいます。
最初は「ちょっと変」くらいにするつもりだったのに、書いているうちに、どんどん変な人になってしまいました。
あと、最初に考えていた以上にピュアな人にもなりましたが、そのピュアさが変人ぶりに拍車をかけてしまうという……。
他の兄弟たちと違い、学校にも行かせてもらえず、ちゃんとした家庭教師をつけてもらえず、それでも独学でそれなりの知識を得ているので、実は優秀な人なのです。
それを政治的な理由で飼い殺しにしてしまっているあたり、この国の将来が不安ですね。
そして外との繋がりがない分、純粋培養で育ったという設定にしました。
最初からちゃんと考えていたわけではなかったのですが、物語にうまく繋がりましたw
書いていて楽しいキャラです。
ライラとマクシミリアン。
周囲に溶け込めない二人が、居場所を探す物語です。
最初はライラ一人を主人公とし、その相手役としての位置に置いていました。
書いている途中で、マックスも主人公(副主人公)にしないと、物語としての形が上手く作れないことに気づき、予定よりキャラクターとしての重要度が上がった人です。
彼自身も色々な葛藤を内に秘めていて、ライラと一緒にその問題を解決していくことで話が回っていった感じがします。
余談ですが、前作「咲かせてみせます!伝説の薔薇の花 ~元BL作家の悪役令嬢は転生しても変われない~」(「悪役令嬢はBL作家~」という名前でも公開しています)のヒーローは、当初アルフレッドではなくマクシミリアンという名前で考えていました。
今でも、最初期のメモには「マックス」とか「マクシミリアン」で残っていたりします。
(本当に余談)
・アンネリについて
彼女のモデルは、ズバリ「ハウルに出てくるソフィアの妹」です。
モデルというか、ヒントですね。
ライラとは正反対で、時代や周囲に溶け込み、青春を謳歌しています。
あと、恋愛に積極的な分、実は傷つくことも多かったりします。
そういう辛さを、あまり表に出さないところもあるのですが、作中では活かせなかった設定です。
ライラの「生きづらさ」にはちょっと無頓着になりがちですが、彼女なりにライラに対する友情があります。
ときに、いや大抵の場合、友情より恋愛を優先させますが、悪気はないのです。
・マグヌスについて
田舎のおじさんといった佇まいですが、実は結構謎を秘めています。
最初はもう少し「超越者」みたいな感じで考えていたのですが、ライラとの会話の中で、勝手に俗っぽい面を出してきてくれたので「これはこれで、面白いかな?」と思い、「俗っぽくてちゃっかりしたおじさん」になりました。
ちゃっかりしているところは、ライラにも受け継がれています、
・エドラについて
フルネームは「エドラ・ダール」
既婚(夫も魔術師)、子持ちです。
小さい頃のライラの面倒を見ていた、という裏設定があります。
男のマグヌスだけでは、女の子の子育てになにかと不自由な点があるので、そういう場面を補ってきたという設定です。
アルフヒルドがマグヌスの元で育てられていたときも、そういった女親代わりになって面倒を見ていた人がいた、ということになっています。
・アルフヒルド(ウリカ)について
マックスが五歳の頃に、彼付きの侍女になりました。
母親としてマックスの側にいたかったから、という気持ちが全くなかったわけではないのですが、むしろ魔法の民と王族を結び付けて、自分が考える理想の形を取り戻そうという動が、強くありました。
とはいえ、それは今の世の中で誰も望んでいないことです。
理想に燃えているものの、独善性が強い人だったりします。
彼女もまた、魔法の民の中で浮いている人でした。
周囲に理解されないことが、独善を強めてしまうことに……
ラタトスクと並ぶ、ラタトスクとは別の意味のラスボスです。
ユング心理学の「グレートマザー」的なイメージで描きました。
実は彼女をそういう人物にしたことには、ちょっとだけ「母性の解放」を意識した部分があります。イヤな人になっちゃいましたが。
ラスボスだし。
なんか「母性神話」みたいなのがありますよね。
「母は強し」とか、「母性があれば子供のためになんでもできる」みたいな。
いやいやいや、できないから!
母も人間だから!
そんなもん期待しちゃいかん、という思いを込めました。
母親もまた一人の人間として、迷い、間違いを犯し、子供を傷つけたり傷つけられたりすることもある、とそういう人物に描いたつもりです。
・ダーヴィド第一王子、ニクラス第二王子
ダメダメ王子ズです。
体力自慢のダーヴィド、知性自慢のニクラス。
名前をあえて宗教的なものにしました。
北欧神話的な物語世界の中で、神話や魔法を否定する立場を匂わせています。
・エスビョルン第三王子
ラタトスクに取り憑かれたため体が弱く、人格を分裂させられた被害者です。
心優しく賢い人で、王族としての責任という概念をマックスに伝えたのは、この人。
マックスはエスビョルンとトールビョルンを別人として認識していたので、「エシィはいい人」「トールビョルンは怖い人」と捉えていましたが、他の人たちは「どちらもエスビョルン」だったので、かなり変な人に見えていたでしょう。
ライラが言っていた二重人格者の小説のモデルは、勿論「ジキル博士とハイド氏」です。
・国王、王妃
気弱だけど、兄弟が他にいなくて自動的に王様になっちゃった、というかならざるを得なかった王様と、国一番の有力者であるハルヴァラ公爵を父にもつ王妃。
なんというか、デコボコ夫婦です。(言い方)
そういえば、王様のフルネームを作中で出していなかったかも知れません。
イェルハルド・アルテアンさんと言います。
王妃はアグネータ・ハルヴァラ・アルテアン。
こちらはファーストネームを作中に出していましたね。
設定では、少し瘦せ気味の王様と、少しぽっちゃりした王妃様。
アグネータさんは金髪にサファイヤブルーの瞳で、第一王子のダーヴィドさんはお母さん似という設定です。
王様は栗色の髪とグレーの瞳で、第二王子ニクラスはお父さん似。
ちなみに、第三王子のエスビョルンは金髪にグレーの瞳(これは作中でも出していました)で、お母さんの髪の色とお父さんの瞳の色を受けついています。
・フレドホルム司令官
一応王家に近い位置で、かっこよくて道理をわきまえたキャラを設定したくてつくりました。
でも、あまりその辺が活かせなかったかも知れません。
今確認しましたが、キャラ表にも名前と役職と年齢しか書いていませんでした。
43歳です。
《設定、など》
・「穴」について
離れた場所を、時間と空間を超えて繋げます。
わりと日本のマンガやアニメ、SFなんかではお馴染みの設定かな、とあまり作中で説明をしませんでした。
わかりにくかったら、すみません。
この「穴」という発想については、もうだいぶ前になりますが、とあるネット掲示板(5ちゃんねるではありません)に、オカルト的実体験を募集しているところに書いてあったものから拝借しました。
霊感のある人しか見えない「穴」が時々空いているそうで、そこに落ちてしまう人がたまーにいるそうです。
その話の投稿者は、何十年か前に穴にはまり、そから出られなくて亡くなった人の霊に会った話を書いていました。
亡くなった人は大正とか昭和初期のような服を着ていて、銀ブラが夢なんだと話していたとか……。
私自身は霊感がないので、その「穴」がどういうものかわからず、そこにはまって亡くなった人がいると聞いて怖かったのですが、掲示板には同じように「穴」が見えるという人がいて、印象に残っていました。
見える人たちにとっては「穴」としか言いようがないそうです。
全然、想像がつきません。
なんなんでしょうね、「穴」。
ちなみに「銀ブラ」とは銀座をブラブラ歩くという意味ではなく、「銀座でブラジルコーヒーを飲む」というのが元の意味だそうです。
カフェーパウリスタというお店で、コーヒーを飲むことが流行っていたとか。
カフェーパウリスタは関東大震災のときに閉店して、1970年代に再開、今もあるそうです。
・ラタトスク、ニーズヘッグ、フレースヴェルグ
北欧神話の中で、世界樹にたむろってる生き物です。
北欧神話に出てくる動物と言えば「フェンリル」が有名ですが、それに比べると、この三匹はマイナーかも。
登場人物の名前をスウェーデンからとろうと思ったとき、ついでに北欧神話からアイデアを取り入れようかなと思って見つけました。
しかし、ラスボスが栗鼠って、どうなんでしょうね?
《最後に》
あー、しかし小説書くのって難しいですね。
今回、10万文字前後で抑える、という裏目標を立てていたのですが、結局13万字を超えてしまいました。
次こそは、もっと少ない文字数でまとめるぞ! おー!
書きたいことをライナーノートの方に書いてしまったせいか、もう語れることが思いつかない……
間抜けな小説書きでございます。
では、またいつか何かの作品でお会いできれば幸いです。




