第35作品目:コスモスギャング団による異星間侵略戦争と誤算
コスモスギャング団は宇宙にある文明を荒らしまくる最悪の星賊だ。
彼らにより地球も何度も滅ぼされた。
しかし、さすがのコスモスギャング団も今回ばかりは運がなかった。
地球には、たまごのヒーローが誕生していたからだ。
企画投稿時はパニック〔SF〕作品でした。
・作品についての思いやお話しなどは後書きに掲載します。
コスモスギャング団は、宇宙海雲を荒らし回る最悪の星賊だ。
大抵の文明はまだ星に生命の息吹を宿して間もなく、コスモスギャング団に狙われると対抗出来る技術力が育っていない。
かつて地球にも何度となく襲来して、高度に育った文明さえ何度となく滅ぼされたと言われていた。
しかしコスモスギャング団といえども今回の襲撃は間が悪かった地球にはたまごのヒーローが誕生していたからだ。
────その頃地球圏では、花火に紛れてたまごのヒーローが宇宙空間を飛んでいた。オカルト女の御嬢を怒らせてしまい、大気圏の外まで強制排除されたのだ。
────危うし、たまごのヒーロー!
しかし宇宙空間に放り出されたたまごのヒーローには、ヒーロー保証がついていた。
なんと、五年間だけ無償で特殊コーティングが有効化されるのだ。
そしてたまごだけに、タイミング良くたまたま遭遇したのがコスモスギャング団。たまごのヒーローは地球侵略宇宙軍の船に入り込む事に成功した。
ご主人様であるオカルト女の御嬢にひと泡吹かせるべく、たまごのヒーローはコスモスギャング団の戦闘艦の実弾全てをたまごに変えた。
核熱拡散砲は白身撹拌砲に変えておく。
……これで御嬢も白身したたるいい女にしてやれる。たまごのヒーローはニヤリと笑う。
────地球上の衛星から緊急事態を告げられた世界各国は、大混乱に陥った。
世界の首脳は、異星界人の侵攻で世界が何度か滅んだ痕跡がある事を知っていたからだ。
────いまの地球の文明では、まったく持って敵わない事も……。
コスモスギャング団の地球侵略宇宙軍戦艦群は、電磁フィールドを発生させながら太平洋に現れた。
彼らの狙いは地球上の全ての文明国。なかでも毎回何かしら妨害を行う日本が最初の標的だ。
宇宙戦艦の数は三十。核熱拡散砲による広範囲核熱攻撃が展開されれば、地球などものの十数分で灰に出来るだろう。
────しかしコスモスギャング団が一斉砲火をした瞬間、白身撹拌砲により戦艦達は視界を失う。
緊急発進でやって来た日本の自衛隊機の新兵器と勘違いしたコスモスギャング団は、実弾による空爆に切り替える。
未知の宇宙戦艦から発射される大量のたまご。後にエッグメテオ事件と呼ばれ、たまごだけにたまごボーロ事件とも言われた。
雪山のある地方の町に、大量の温泉たまごが嵐のように降った事件。幸い死傷者はゼロだったという。
────異星間戦争は各戦艦の機器がたまごにより故障し、終結した。
敵艦隊の撤退の陰に、たまごのヒーローの活躍があったことは誰も知らない。
そして────たまごの白身でぬるぬるにされたオカルト女の御嬢が激怒し、たまごの諸共コスモスギャング団を壊滅させた。
お読みいただきありがとうございます。
パニックジャンルに挑戦してみた作品ですが、なろうラジオ投稿作品の壁にたまごを投げつける話しや、大きなたまごの話しから着想をもらいました。