第15作品目:三日月が紅く染まり、クズオは飛んでモブオになった
主人公のクズオは恋人で、金星人のマヤを散々利用して、ギャンブルにのめり込んでいた。
金運が良いから一緒にいただけのマヤが、だんだんと離れて行き……
企画投稿時は空想科学〔SF〕作品でした。
・作品についての思いやお話しなどは後書きに掲載します。
俺の名はクズオだ。リーマンとして働いている。一応、彼女もいる。彼女の名はマヤ。こいつは自称金星人のヤベーやつだ。最近は某国と某国の企みと争いの波に巻き込まれそうで困っているという。
聞くだけで頭のおかしくなる案件なんだが、金星人というだけあって金運が良いのだ。顔も悪くないが、金髪で金眼ってやり過ぎだと思う。
俺はマヤの話しはこれっぽちも信じちゃいないが、彼女といると金運のおかげでパチンコは負けないし競馬も当たるんだから、拝みたくなるってものだろ?
最近はどこかのオカルト女と組んでついにアジトが完成したとか、仲間が増えたと言っていた。
仲間って言ったって、どうみてもマヤに輪をかけたような若いやべー女と、たまごの社員だ。マヤの話しは聞く気ない。だが信じちゃいないが金運を逃さないためにも、彼女が騙され連れて行かれるのは防ぎたい。
否定しないように取り扱いには注意が必要なんだよな。単純な奴だから応援するよと適当におだてりゃ、機嫌も良くなりパチスロだってバカヅキするのさ。
おっと三日月リーチ外したか。地元じゃ和菓子の三日月堂が大人気なんだが、三日月なんて信頼度30%だぜ?
やっぱ大当たりは満月だよ。
────どうも最近ツキが落ちてる。マヤの興味が俺ではなく、オカルト女やたまごやジーコに向いてるせいかもしれない。
ジーコってサッカー選手だよな。聞くだけで頭がおかしくなりそうだから聞き流していた。マヤって実は凄いのか?
だいたいマヤは俺の女だ。得体の知れない連中に、好き勝手されるのが気に食わない。
マヤもマヤだ。そういう胡散臭い連中から逃げて来たのに、また言いように利用されるだけだぜ。
塩っぱいだけの不味いビールを売る金があるなら、俺に寄越せと言いたい。
ちくしょう、調子良かった馬券まで外した。負けを取り返そうと、熱くなり過ぎた。
これはあれだマヤの呪いだ。俺はマヤから有り金と秘宝を奪うと、ツキのなくなったマヤと別れた。
これでようやくまともに暮らせるはずだった。
しかし不運は終わらない。マヤの友達のオカルト女は親会社の令嬢だった。そして、マヤを支社の社長に置いたのだ。
マヤを騙し利用して、俺の会社を潰そうとしている。追い出したはずの事務員の女までいた。あいつがジーコか。
マヤを奪われて、借金がどんどん嵩み、会社まで潰れてしまった俺は、オカルト女に殴り込みをかけた所で記憶が飛んだ────
────紅い三日月のような目なんて知らない────
────俺は気がつくとパンツ一丁で、かぐやん姫と結婚していた。
抱えていた借金はかぐやん姫が全部払ってくれたらしい。お互いに身一つ、何も残されてない。
俺はモブオとして、愛するかぐやんのために地元の金魚ビールの工場で働く事になった。
紅い三日月のような口は微笑んでいたように見えた──────
お読みいただきありがとうございます。
ざまぁされた会社員の一人の末路を描いた物語。金星人のマヤの名前は、マヤ文明と金星人に繋がりがあるかもしれない話しからつけました。




