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とある鉄路の模型列車  作者: Kanra
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クラスメイト

 大宮から、ニューシャトルに乗る。

 鉄道博物館駅でニューシャトルを降り、入館券を買って鉄道博物館に入館する。

 三河は、ヒストリーゾーンに展示されている車両に目を奪われる。

「こんな規模の博物館は、新潟には無かった。」

「気持ちは分かるけど、今日はジオラマ見に来たんでしょ?」

「うっ。」

「まあいいわ。ジオラマの運転プログラムの合間に見る分にはね。」

「ちょっと待てよ。全部見るつもりか?」

「これ見てみ時間によって異なるプログラムをやるんだよ。」

 松宮芽衣子は、運転プログラムの予定表を指差した。

 それには、「鉄道の一日」や「貨物列車の秘密」「峠を越える列車」とプログラムの題が書いてあった。

「ただ列車を走らせているだけとか、同じプログラムしかやらないんじゃあ、お客さんも飽きるっしょ?そういうことも考えてんだよ。」

 松宮芽衣子は三河の腕を引っ張ってジオラマに入る。

 三河はまた、ジオラマの規模に驚いた。

「驚いてばかりだね。」

 芽衣子は笑う。

「だって、新潟にはこんなのなかったから。」

「ここは新潟とは違う。新潟が田舎って意味じゃないけど、新潟での常識が通用しないって思いな。」

 運転プログラムが始まる。

 朝から昼、夜という演出にも三河は驚いた。だが、

「何て扱いしてやがる。」

 と、怒る。

 東北新幹線E5系「はやぶさ」の登場シーンだったが、トンネルの中から急発進させたことに、三河は怒ったのだ。

「あんな急発進させたら、モーターがいかれんぞ。説明書に書いてあんだろうが急発進や急停車はするなって。っとに。演出もちょっと考えろ。」

「確かにね。急発進はちょっとね。」

 芽衣子も賛同した。

 運転プログラムが終わると、三河は係員に「どういう扱いしてんだ!」と文句を言いそうになったが、芽衣子に止められたため止めた。

「なんで止めんだ。」

「なら、新潟の「ばんえつ物語」に文句言われたい?」

「―。」

「そういうこと。」

 芽衣子は言った。


 三河が芽衣子と二人で鉄道博物館に行っていたという情報は、知らない内にクラスメイトの中に流れていた。

 というより、芽衣子が流したらしい。

 三河は登校すると、クラスメイト全員に囲まれた。

「芽衣子ちゃんの事が好きなの!?」

 等と矢継ぎ早に質問され、挙句の果てにはくすぐる等して無理矢理訊きたいことを吐かせるといった行為に至った。

「見てこれ!鉄道研究部の入部届だよ!?」

「嘘!?って事は、芽衣子ちゃんと二人きりで?」

 三河は疲れ果てたが、質問攻めを止めようとしない。そして、芽衣子もあること無い事を言いふらすので余計に質問攻めに逢う始末だった。

(なんでこうなるんだよ。)

 三河は溜め息をついた。

「こりゃあ、拷問部屋へ連れて行きましょう。」

 と、水樹麗奈が言う。

「それいいね!」

「やっちゃえやっちゃえ!」

「欲求不満を晴らせる!」

 放課後、三河は逃げようとしたが多勢に無性。連合艦隊に助けを求めたが間に合わず、捕まって拷問部屋へ連れていかれ、磔にされて集団レイプされた。

 2時間近くやられた後、三河はふらふらになって歩き、倉賀野貨物ターミナルを突っ切る公道で転倒し、用水路に嘔吐しながら帰宅した。

 その翌日、三河は登校することはしなかった。


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