予行
倉賀野高校の学園祭前日、連合艦隊は放課後、倉賀野高校へ向かう。
ここで、一回だけ運転プログラムを予行練習として行うのだ。
三条神流は教室に入ると、窓のカーテンが締め切られていることに気がついた。
「常に照明をつけた状態にしておき、夜の場面で照明を消す。こうすることで少しは昼夜の区別が出来ると思ったので。」
と、三河が言う。
「考えやがったな。」
三条神流は感心した。
「では、これより、運転プログラム「鉄道の一日」のシナリオで予行練習を開始する。」
霧降要の一声で、運転プログラムを開始する。
「朝の駅は通勤通学ラッシュ。人でごった返す駅のホームから、多くの乗客を乗せた通勤列車が発車いたします。まず、中央駅1番線を左手へ発車したのは115系近郊型直流電車です。1963年から東海道本線や高崎線等で活躍し、現在も群馬県や新潟県等の上越地区や、山梨県、長野県等の甲信越地方で活躍していますが、老朽化のため引退が近付いております。続いて2番線より―。」
三河の解説に合わせて、列車が発車していく。
駅のホームの列車のほとんどが動き出すと、それに合わせて留置線の車両も用意する。
2番線の211系が内側留置線へ入るのにあわせ、E257系が登場する。
「明るくなった駅には、遠くの地域を結ぶ特急列車が発車いたします。回送線右側より、特急列車がまいります。白を基調に、赤、黄、グレーを配したカラフルな外観の車両は、185系200番台です。この車両は、高崎線の特急「あかぎ」「草津」等で使用されており、東京の上野と高崎、長野原草津口を結んでおります。」
その後、夜のシーンで夜行列車を登場させた後、再度朝のシーンで別の車両と入換た所で、運転プログラムは終了した。
「この流れで、明日は多種多様な列車を走行させて、様々な運転プログラムを実施する。それに合わせて、列車も変えるから注意するように。一応、手書きでリストは作るから、それを参考にしろ。」
と、霧降が三河に言う。
「もう3度目です。大丈夫ですよ。」
三河は笑った。




