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とある鉄路の模型列車  作者: Kanra
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航空隊

 連合艦隊の内田弘が愛用する鉄道模型が三河と芽衣子の所に届いた。

 内田の模型は253系「成田エクスプレス」AE型京成スカイライナー等、首都圏と成田空港を結ぶエアポートエクスプレスだ。

「元は航空マニアだったんだが、写真の腕を上げるために鉄道を追い始めた。だから俺のメインは、エアポートエクスプレスだ。」

 と内田は言う。

「最近のE259系は?」

 と、三河は聞く。

「あいつ?嫌だね。俺は253系が一番好きなんだ。E259とか、ペプシじゃねえか。」

 内田の発言に、芽衣子と三河は「ペプシだってよ!」と笑った。

「後、今後の鉄道撮影だが、空中撮影という方法も考えている。特に、熱気球等で撮影したら、また新たな視点から撮影できると思うんだよ。」

「なるほど。」

「ただ、気球一機飛ばすのはかなり金かかるし人も居る。それに風が強いと飛べないから無理だろうな。」

「そうですか。」

「ただ、連合艦隊の中で新たに航空撮影隊を編成しようって動きはある。おそらく車の免許を取得して空母のようなキャンピングカーを作って、そこから空中撮影を行うラジコン飛行機を飛ばして撮影するんだろう。」

「地上空母ですか。」

「霧降長官もようやる。」

 内田は笑う。

「元は三条とエメラルダスが二人で、飛行船から撮影していたんだが、諸般の事情で二人とも飛行船を亡くしてな。飛行船は優雅で、かつ威圧的な姿だが、風に弱く、また、優雅であり、威圧的な姿が災いして、エメラルダスのは奴の目の前で粉々に粉砕され、それを知った三条が、強風の中無理やり飛ばしたら制御不能に陥ってそのまま行方不明になっちまった。三条の奴は、もし地上空母を作ったなら、甲板は「999」で艦名は「エメラルダス」って名前にするつもりだ。」

「そこまで、三条少佐はエメラルダスを思って―。」

「違う。ありゃイカれてる。あの人の名前なんだっけ?」

「南条美穂です。」

「ああ。まさか「条」の字繋がりか?それにしても、確かに綺麗な人だった。だが、あいつの男女関係は解らんよ。今日、松田とマック行ったってさ。」

 内田は頭をかきながら言った。


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