後日談
群馬DCが終わった後の月曜日、三河は登校するとクラスの女子達に詰め寄られた。
(だと思った。)
と、三河は溜め息をつく。
だが、彼女達は何もして来ない。ただ、三河の席を囲んで立っているだけだった。
「ねえ。芽衣子とどうなったの?」
と、水樹麗奈が聞く。
「はっ?」
「連合艦隊にオブザーバーとして参加したんでしょ?」
「それが何か?」
「芽衣子にちゃんと返事したの?どうなの!?」
三河は何が何だか解らなかった。
「返事ってなんだ?俺は何もしてねえ。」
「ふざけるな!放課後、拷問部屋へ連れて行け!こんな鈍感な奴、調教してくれるわ!」
「それはこっちのセリフだ。いい加減にしろよ。何かあれば拷問部屋で集団レイプだと?その結果、4人が死んだんだ!」
「私達は、貴方と仲良くしたいだけ。それを、貴方が拒んでいるんでしょ。」
「文句あるなら日教組に言え!俺、帰るわ。」
三河は頭に来て早退けすることにした。
そこに、芽衣子が来た。
「どうしたの?」
「やってらんねえわ。俺、帰る。」
「みんな、何したの?」
芽衣子が聞く。
「芽衣子の想いが届いたか確かめたんだけど、何もしてないって言うから―。」
水樹麗奈が答えた。
「だってそうだろ?SL重連仕留めて打ち上げやってさあ帰れだったよな。」
三河が芽衣子に聞く。
「その後、私「好きだ」って言ったけど―。」
三河は余計に分けが分からなかった。
「何!無視したの!?」
「このバカ!」
三河は余計に腹が立ち、
「いい加減にしろよどいつもこいつも!死ね!」
と怒鳴り、教室のドアを破壊して早退けした。
ホームルームが始まり担任の城山明美が出欠を確認する。
「三河君は―。」
と言うと、クラスの皆は「どうしよう」と言う顔をした。
「何かあったの?」
「実は、さっき喧嘩になって、三河君は―。」
と、水樹麗奈が事情を話す。
「そう。」
と、城山明美が言う。
「クラスでただ一人じゃなくて、学校でただ一人の男子だからね。どうやって接しれば良いのか分らないのは仕方がない。でも、それだと三河君と皆さんは仲良くなれない。何かあるはずよ。三河君と仲良くなれるヒントが。それを皆で考えてみるいい機会になったと思って、皆でどうやって三河君と仲良くなれるのか考えてみてください。」
と城山明美が言い、ホームルームが終わった。
「んで、テメエ学校早退けか。」
と、霧降が言う。
今日は高崎第一の文化祭の振替休日で、高崎第一高校は休みだった。
「やってらんないですよ。学校着くと同時に、「何があったんだ」「何無視してんだ」って罵声の嵐ですよ。罵声大会やりたかったら、大宮レイプ軍団でも入れっての。」
三河は不貞腐れていた。
「そりゃ怒るわ。何もしていないのに。」
三条神流も溜め息をついた。
連合艦隊と倉賀野高校の女子達との溝は深まるばかりだ。
「なんか向こうが言うには、松宮さんを無視したってらしいんですよ。でも、俺なんもされてないですよ?」
「打ち上げの後、二人で帰ったんだろ?」
望月が聞いた。
「ええ。」
「その時、何か会話は?」
「二人で出かけたいって奴は言ってました。理由を聞いたのですが、何も言わず。無視されたのはこっちですよ。」
「うん。よし分かった。んじゃ、これから抗議しにいこう。話すり替えんな!テメエが無視してんだろうが!ってな。」
望月が言い、三条神流も、
「そうとなれば、メガホンとプラカードと爆音街宣車用意だ。」
と言った。
倉賀野高校の生徒が下校を始める時間を見計らい、霧降、望月、三条神流は倉賀野高校に大音量で空襲警報や突撃ラッパを鳴らしながら自転車や原付バイクで突撃し、
「抗議をさせろ!」
と怒鳴りまくった。
「話すり替えるな!」
「何が無視しただゴルア!」
「何ストロボ焚いてんだ!」
「コラア勝手に写真撮るなキチガイ連中が!」
怒鳴りまくっていると、松宮芽衣子が3人の所に来た。
「なんだお前コラ?文句あんのかコラア!」
霧降が突っ込む。
「話を聞いて。」
芽衣子が言う。
「はあ!?お前等が話すり替えてんだろうが!三河が無視した?ふざけるな!三河が言うには、三河の問いに答えなかったらいしいじゃねえか!」
三条神流が怒鳴る。
「頭来てんだよ!キリシマ艦隊殺してまだ足りねえのか!何人ぶっ殺せば気がすむんだこの殺人者共め!」
「違うの!私、あの後答えたの。でも、聞こえてなかったのかも―。」
「なんだ?それで三河に無視したって言うのか?それじゃあ三河はキレるだろうが!事情が飲み込めていないのに罵声浴びせるとか。こりゃ傑作だよ。」
望月が言う。
「今日あたり三河の家行って、もう一回話すんだな。じゃあ退散するぜ。」
霧降が突撃ラッパを鳴らし、3人は退散した。