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とある鉄路の模型列車  作者: Kanra
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倉賀野

 群馬県高崎市は、中山道と三国街道の分岐点として古くから交通の要衝として栄えた町である。

 明治17年に高崎線が開業すると、群馬県の名産品である生糸輸送が盛んに行われた。

 その後、八高線、両毛線、上越線、信越本線、上信電鉄が高崎に乗り入れ、鉄道の要衝の一つになった。

 鉄道の要衝である町の一つになった高崎には、機関区や貨物操車場も建設され、八高線を行くD51等のSLを始め、様々な機関車が高崎機関区に配置された。

 現在も高崎には、JR貨物の機関区、JR東日本の車両センターがあり、上越線を行くEH200電気機関車やイベント列車として使用されるD51‐498蒸気機関車、C60‐20蒸気機関車等が配置されている。この他、町の郊外には貨物列車の機関車交換や時間調整を行う高崎操車場があり、高崎線や上越線を行く貨物列車が機関車を交換するため停車していることがある。更に、町の外れに行くと高崎線と八高線の倉賀野駅がある。この駅からはかつての陸軍専用鉄道が伸びていて、現在もこの鉄路を貨物列車が走行している。この鉄路の先には、石油やコンテナ貨物を扱う倉賀野貨物ターミナルがあり、広い構内にはコンテナ車やタンク車がひしめき合っている。

 倉賀野貨物ターミナルの線路を越える踏切で、女子高生達が自転車に乗って踏切が開くのを待つ。

 目の前を、DE10ディーゼル機関車に牽引されたコンテナ車が通り過ぎていく。

「今日から転校生が来るんだよね?」

 と、松宮芽衣子の同級生が話している。

「そうみたい。」

「女の子なのかな。」

 松宮芽衣子の通う倉賀野高校は男女共学なのだが、男子の多くは高崎市内の高崎高校に入ってしまい、女子高のような状態である。

 前は4人いた男子生徒も、不慮の死を遂げてしまい男子生徒は現在一人もいないのである。

 踏切が開く。

 芽衣子は自転車を漕ぐ。

「男の子でも女の子でも、みんなで温かく迎えてあげよう。きっと慣れない場所で不安がっているから。」

 と、芽衣子は同級生に言い、自転車を進めた。


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