プロローグ 自覚
オリジナルは初めてです。
基本的に別のサイトのSSを中心に書いているので、更新は不定期になると思います。
実験的なところがありますので、アドバイス等があればお願いします。
鼻の奥に粘りつくような生臭い臭いにより、吐き気と共に闇に沈み込んでいた意識がゆっくりと浮上し始める。
長時間泳いだ後に感じるダルさを何十倍にしたような酷い疲労感に、吐き気さえ覚えながらゆっくりと目を覚ます。
全身に、岩盤の上にでも寝ているかのような冷たく硬い感触を感じる。
それを自覚した瞬間、全身がブルリと震えた。
まるで接着剤を塗られたような、異様に粘つく感覚に苛立ちながらも瞼をゆっくりと開く。
寝起きのためか、意識は未だにハッキリとしない。靄がかかったかのような思考の中、何とか開いた目に映った光景に、まず始めに浮かんだ言葉は、「暗い」と言う言葉だった。
暗いと言っても、別に何も見えないわけではない。青白い光りが、微かに周囲を照らし出しているからだ。
……洞窟、か?
青白い光に照らし出されたのは、ゴツゴツとした剥き出しの岩壁。その表面には光り苔の一種だろうか、青白い光の光源である光る苔が群生している。
天井に密集している星のように光る苔を、なんとなくぼ~と見つめていると、そこで初めて自分が仰向けに寝ていることに気が付いた。
半分寝ているような感覚の中、転がるようにして体を動かす。
視界がぐるりと回転し、視線が天井から地面にと移動すると、そこに無数の白蝋のような生白い色をした芋虫がモゾモゾと蠢いているのを目にする。
……いも……む、し?
いや、違う。
芋虫などではない。
そう……芋虫に手足は付いていない筈だ。
……では何だ?
今……目の前で蠢いているこれは?
短い手足を必死に動かし這い回るこれは?
洞窟? を照らす青白い光は弱く。
その生白い何かをハッキリと見ることは出来ない。
寝起きのためか、視界が全体的にぼんやりとしている。
視界をハッキリとさせるため、鉛を飲んだかのように重い手を必死に動かし、目をこすろうと……。
「……ぶゅ、ぎゅ……ぎ、がが?」
ピタリと固まる腕。
視界一杯に広がる自分の腕と思われるそれを見た瞬間、俺の意識は急速に形を作り始める。
酒をしこたま飲んだ後のような酩酊感に似た意識が一瞬で霧散すると共に、様々な記憶が蘇ったが、
「ぶぎ、い……びゅ、ひが?」
自分が誰なのかという思い出は蘇ることはなかった。
プロローグなので短めで。
基本は一万文字以上で一話にしようかと思っています。




