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第30話インフラを整えよう下


「確かに。大軍を動かし魔物や賊・モンスターを討伐する時に、中継の拠点があれば楽になる……」


 あともう一押しか……

古代中国では、狼煙で領土の端から王都である洛陽らくようなどに高速で異変を知らせており、時の愚帝が、緊急事態でもないのに狼煙を上げて、遊んでいたと言う話を何かで見た事を思い出した。

 あれ……旗だっけ? まぁいいや

どちらにしても、高速で通信をすることが出来る利点さえ伝わればいい。

 キン〇ダムで戦場の周囲の山に大きな旗を掲げ、作戦を伝えていたのを見て、「すげぇ!」と思ったのは皆同じだろう。


「徒歩で6時間や一夜明かす距離であれば、【狼煙】を見て直ぐに軍を編成し救援に向かうことも出来ます。騎兵や兵を哨戒しょうかいさせておけば、緊急時の対処も容易になる事でしょう……本来は軍制も改革したいのですが、人員が揃い次第でも遅くはないでしょう」


 実際この世界での旅が、どれぐらい大変なのか分からないのではっきりとした事は言えないが、古代日本では16キロ事に駅家は存在していた。16キロと言う数字は、近代以前の軍隊の平均的な行軍速度だったと記憶している。

 駅家は、軍事的な補給路としての意味合いが強かったのだろう……


「そうだな……公爵家の周囲には未開の領域……通称【魔の森】がある。情報伝達に兵の輸送量増大は必要な事態だ。直ぐに役人や近隣の領主や代官と擦り合わせを行う必要がある」


 父の言葉に異論はない。長男家が任されている範囲のノーフォーク公爵領土であれば、ほぼ自由な領地運営が出来る。金を出させる事も難しくはないのだ。

 いっそ要所の工事も含めて、工事費用を入札制にするのはどうだろう? 金も回収でき恨み辛みは入札者に向かう……


「これらの事業を行うためには、優先順位……プライオリティを明確にし、現在行っている事業と擦り合わせる必要があるかと……」


「確かにそうだな……近年で水害が起った地区に優先し河川工事を施し、それと並行して主要都市同士を舗装された道路……高速道路で結ぶ事にしよう」


 キチンと優先順位を付ける事が出来ている。主要都市以外の道は全て後回しでいい。経済を回し補修などで安定的な管理が出来る距離はたかが知れている。古代ローマの街道を全て合わせて地球数周分になると言うが、その負担は重く民は税に喘いだと言うから……魔法や魔物である程度近代化できるとは言え過信は禁物だ。


「小さな事からコツコツとです。工事の際には当家の兵だけではなく、都市にいる貧民を日雇い労働者として積極的に雇い。治安の改善と彼らへの自立を促し、工兵として雇い入れる事ができればこの工事もより素早いモノになるかと……」


「それは良い考えだ。体力があれば建築や兵士、冒険者などになる事が出来き、貧困からも脱却できる可能性がある!」


 社会保障を手厚くするのを好む様なので、それに合わせて巻きなおし(ニューディール)政策を提案してみたが随分と感触がいい。


「当座の計画は、これで問題ないかと思いますので父上は文官や代官たちと良く話し合いました。計画を実行されるのがよろしいかと……」


「そうだな。ユーサーも交えて代官や貴族たちと話し合う事にしよう!」


「ちょ……」


 俺は楽に甘い汁を吸いたいだけで、自分から好んで働きたくない。仕事中毒者ワーカーホリックではない。俺はまだ五歳なんだ! まだ働きたくない。児童労働反対! そんな事を考えている間にも無情にも屋敷内にいる。文官たちと騎士の会議が開かれるのであった。



………

……



 屋敷に詰めているノーフォーク公爵家が所有する騎士団の一つ剣狼けんろう騎士団の団長である、青年の騎士ナイトジョルジュ・セオドア・タイロン・ラシア=カフクスが声を上げる。


「パウル様。何やら我々騎士団に提案があるとの事ですが、お話をお伺いしてもよろしいでしょうか?」


 ジョルジュは、整った顔に主であるパウルへの敬愛の表情を浮かべ質問をした。


「我が息子ユーサーの提案で、小姓ペイジに分け隔てなく教育を施し、騎士と兵を束ねる士官を増やしたいと思うのだ」


「騎士団の増員ですか……それは戦争が起きると言う事でしょうか?」


 ジョルジュは、真っすぐにパウロの目を見つめ質問をする。

戦争を起こすつもりなのか? と聞いてくるのだ。

この場合の戦争とは当然父の兄弟との継承戦争を指す。


「戦争を起こすつもりはない。しかし我が弟達はイマイチ信用ならん。

増員の一番の目的は、戦争ではなく治安の維持と回復だ」


 父の言葉に安堵したのか、あちこちから吐息の音が聞こえる。


「治安の維持回復ですか……」


 ジョルジュはイマイチピンと来ていないようだ。


「そうだ。モンスターや賊の被害を減らすには、定期的な警邏が必要だ。そのために人員を確保したいのだ。今すぐにと言う訳ではない五年を目途に予算を出す。騎士として教育しダメでも、一般兵を指揮したり補給などの書類仕事をする【士官】として雇うつもりだ」


 文官たちも異論は無いようだ。


「そう言う事ですか……民の庇護を、より強力なモノにするためには確かに必要な事です。剣狼けんろう騎士団団長ジョルジュ・セオドア・タイロン・ラシア=カフクス。謹んで拝命致します」


 こうして士官学校(仮)は創設される事になった。



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