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【7♯ 勇者】 前衛的紙芝居

例のあの紙芝居

エカテリーナが3日かけて描き上げました。

 エカテリーナさんにエルフですかと聞いた。


「えぇ、私はハーフエルフですぅ」


 エカテリーナさんは左のエルフ耳をピクッとさせた。

 エルフやっぱりいるんだ! すごい!


「アオイ様の世界はぁ、やはり、こちらと違うようですねぇ。まず、この世界についてお話しますねぇ」


 そう言ってエカテリーナさんは何枚かの羊皮紙を持ってきた。


「子供向けに私が作ったのですが、この世界について語った紙芝居ですぅ」


 作・語り、エカテリーナさんによる紙芝居が始まった――。



 『女神が造りし世界』


①『女神は、この世界に大地と空と森と海を造られた』


 待って、絵のクオリティー、待って。小3? 絵日記レベルなんだが……空からタコのバケモノが襲いかかってきてる絵になってるど、いいの? あと、あの緑のフランクフルトは木か?


②『そこに、人・動物・妖精を住まわせて見守った』


 カカシ・バケモノ・ハエの絵が出てきました。線ぶれすぎじゃないかな? ヤバい! 話が頭に入ってこないぞ。しかも、エカテリーナさんの声がいい声過ぎて絵とのギャップがヤバい!


③『しばらくして、人・動物は数を増やしていき、妖精は数を減らした。そこで、女神は人と動物に寿命を与えた』


 はぎゃー! 怖い怖い! カカシとバケモノが羊皮紙一杯にワサワサしてる! ゲロニカ的怖さ! 阿鼻叫喚ってコレのことを言うのでは? 逃げ惑う亡者に襲いかかる怪物、そして一匹のハエがたかっているのがアクセントになっており、素晴らしい地獄絵です! 色の配色も攻めに攻めてきてますね。今後に期待です! てか、本当にエカテリーナさんが描いたの!?


④『そして、世界の均衡ために、剣・鏡・宝珠を与え、世界を見守る樹の種をまいた』


 棒を持ったカカシ・丸い物を持ったバケモノ・光ってるハエの絵が出てきました。黒ゴマと緑フランクフルトも散らばってます。バケモノに物を持たせたくて描いたんだろうけど、バケモノの背中から触手が生えてるのが地味に気持ち悪いです。


⑤『やがて、人から魔人・動物から魔物・妖精から幻獣や幻魔が突然変異で生まれた』


 ゲロニカ、パート2。嫌だわ、この進化の図。この絵の通りの生物がいるんなら、元の世界に帰りたいわー。ハエから何かすごいモノに進化してるんだけど何!? あと、ブルーベリーみたいな色をした人型のモノが居るんだけど、コレ何族? あいついるの!?


⑥『それぞれの種族がつがいになり、さらに新しい種族を増やしていった』


 は? 急に絵のクオリティーが上がった! ミケ? ミケジェロさん? 油絵? 何があったんです?


⑦『女神は、そして私達は、いつの日か全ての種族が手を取り合い過ごせる事を願っている』


 あ、クオリティー戻った。ね、これね。このクオリティーが逆にくせだわ。カカシ・バケモノ・ハエとかが横一直線に串刺しになってる絵。うん、逆に落ち着く。



「どうでしょうかぁ?」

「すいません! もう一度説明お願いします!」


 全然頭に入ってきませんでした。



 まぁ、つまりは――

 ・この世界にはいろんな種族がいる。

 ・女神が植えた[大樹]がいくつかある。

 ・神器が3つ。剣、鏡、宝珠。

 ・妖精族には寿命がない

 ――が、要点でした。


 そして、人族に与えられた『剣』がヤバいやつに狙われてるかもしれないから、勇者を召喚した。と言うのが、俺が喚ばれた理由。簡単にまとめちゃったけど、エカテリーナさんしっかり説明してくれましたよ。いろいろインパクトがありすぎて、簡単な言葉しか今の俺の脳にインプットされないだけだから、エカテリーナさん悪くないから、俺が悪いだけだから。……今日、夢に出るわコレ……誰か一緒に寝てください……タイガーさん……チラッ。



アオイ「子供向けって言ってましたよね?」

エカテリーナ「はい。子供達に読んであげました」

アオイ「子供達の反応は?」

エカテリーナ「みんな集中して聞いてくれました」

アオイ「あぁー」


子供達「読んで頂き有り難う御座います!」

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