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【6♯ 勇者】 言ってみた

短いけど、キリがいいので。

次回は少し、この世界のことを説明。


 見知らぬ天井。


 はい、言ってみたかっただけ。おはようございます。朝だなー。今日は仕事行かなくていいのかー。代わりに城に行くのかー。何だろぅな、嫌だった日常からロマン溢れる非日常になったんだろうけど、このもやもや感は。今まで社長の為の仕事生活を送ってたから、それに対する開放感はあるんだけど、自分で自分の為に生きてこうとするのって、俺やってなかったんだな。何かむず痒い。俺と同い年の人達って何考えて生きてるんだろうなぁ。まぁ、あっちとこっちの世界じゃ考え方が違うんだろうけど。うん、環境も考え方も違う世界だ! 新しい人生を始めるにはもってこいかもしれないよな! 俺、頑張ってみるよ!


「おはようございます、ルドルフさん」


 俺は廊下に顔だけちょこんと出して、タイガーさんに挨拶した。タイガーさん寝てないのかな?


「おはようございます! アオイ様! お休みになれましたでしょうか?」

「はい、ありがとうございます。ルドルフさんは寝てないんですか? まだ、朝早いし、エカテリーナさん起きてくるまで、こっちの部屋で休みませんか?」


 ガタン! ガンッ!


 あ、タイガーさん、頭ぶつけた。のけぞりすぎでしょ。はぁ、うぶだなぁ。女性の免疫無しか? モテそうなのになぁ。


「ちょっとお話ししましょう!」


 俺は、タイガーさんの手を引っ張って部屋に入れた。ベットとイスで向かい合って座る。タイガーさん、めっちゃオドオドしてる。面白いなぁ。かわいいなぁ。でも、からかいすぎるのもかわいそうだし。何より……友達になりたいんだよなぁ、この人と。言っちゃうか、言っちゃうかな。顔赤くなり過ぎて、何か大変な事になってるし茹でガーさん。


「あのー俺、男なんですよね」


 あ、タイガーさん、キョトンだわ。ですよね。


「今、女の体なんですけど、本当は男なんですよ。女になったり、男になったり、するみたいなんです」


 はい、キョトンですよね。俺もです。


「……アオイ様の世界では、性別が自由自在なのですか?」


 違うよ! そんな凄い世界じゃないよ! そりゃ、人によっては性別は関係なかったり、性別を超越したりしてるけど。


「え、あ、こっちの世界に来てから、こんな体質になってしまって……」


 まぁ、間違いではない。


「……だから、まぁ、男相手だと思ってくれれば。俺も、自分の体の事わかってないので、相談にのってくれる人が欲しいんです。後でエカテリーナさんにも伝えようと思います。でも、他の人には、よくわかるまで秘密にしていただけませんか?」


 タイガーさんは戸惑いつつも、話を真剣に聞いてくれた。真面目顔モード。


「わかりました。私で力になれることがありましたら、仰って下さい。アオイ様に勇者としてのお力をお借りしたくて召喚したのは私達です。そのアオイ様の為に私が出来る限りの事をするのは当然です!」


 くぅ、タイガーさん、かっこいい! ありがとう! そう思って手をつかんで上目遣いで見てしまった。


「ぐっ!」 ガタン!


 あ、ごめん。


 ちなみに、エカテリーナさんは「あらまあ」で終わった。この人基本ゆるい。



アオイ「ルドルフさん手おっきいですね」

ルドルフ「はへ!?」

アオイ「ほら、俺の手ちっさー」

ルドルフ「て、手!て!」

アオイ「俺が男の時よりおっきいよなー」

ルドルフ「あ、アオイしゃま!て、手!」

アオイ「え?なーにー?」

ルドルフ「手を!」

アオイ「んふふー」


ルドルフ「よんで!頂きぃ!ありがとうございますぅ!手を!駄目です!絡めないで!」

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