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第2章 11話 マリス視点:今日のアレ、思い出しただけでも恥ずかしい・・・

 『 マリス・ショコラの視点 』



 (大地が真夜中に目を覚ます、1時間ほど前・・・)

 


 「・・・んー、うん、あれ?夢・・・かぁ。」


 もう朝?じゃないみたい・・・まだ暗いなぁ・・・何時かなぁ。

 

 部屋の掛け時計を確認する。

 

 夜中の12時過ぎかぁ・・・

 たしかお風呂上りにお姉ちゃんが淹れてくれたお茶を飲みながら、そのまま眠くなってソファーで寝ちゃったんだっけ。

 

 ずっと寝て無かったんだもん。

 ソファーで寝ちゃっても仕方ないよね。

 あれ?

 僕、どうやって自分の部屋まで来たのかな・・・

 

 えっと、たしか・・・

 

 あ、そうだ、なんか大地が抱っこしてくれたんだっけ。

 うん、なんとなく・・・ううん、はっきりと覚えてる。

 

 あの時、確かに僕はソファーで完全に寝ちゃったんだよね。

 だけど大地が抱き上げてくれた時に、本当は目が覚めちゃってたんだ。

 でも僕はそのまま寝たフリを続けた。

 

 だって、もし目を開けて起きてるのがばれちゃったら、部屋まで自分で歩いて行かなきゃなんないし。

 折角、大地が抱っこしてくれてるチャンスなのに、それを不意にするなんてつまんないし。

 だから目を閉じたまま、寝たフリを続けちゃった。

 

 んー、でも大地だったら、起きても僕が甘えたらきっとそのまま抱っこで部屋まで運んでくれるよね。

 ううん、大地なら僕が寝たフリしてるのに気が付いても、甘えなくったって黙ってそのまま運んでくれるよね。

 きっとそうだよね。

 

 だって・・・大地・・・優しいもん。

 

 「ん~~~っ!!・・・」

 

 なんか大地に抱っこして貰ったの思い出してたら、なんかドキドキして来ちゃった。

 恥ずかしい・・・。

 

 ギルドから家に帰る時も大地におんぶして貰っちゃった・・・

 あの時も実は起きてたんだ。

 起きてたっていうよりも、ドキドキしちゃって眠れなかった。

 

 大地の背中って、大きくて暖かくて、とてもとーっても落ち着く。

 ずっとあのまま、おんぶされていたいなぁ・・・って思ったよ。

 

 多分お姉ちゃんは僕が起きてるの気づいてたかもしれない・・・ううん、きっと気が付いてた。

 お姉ちゃんって、ああ見えて結構そういうところ鋭いし。

 でもお姉ちゃんは黙っててくれた。

 優しいな、お姉ちゃん。

 

 

 

 ドキドキしたと言えば今日のアレ・・・

 思い出しただけでもハズカシイ。

 あんなの反則だよぉ。

 

 まさか大地があのタイミングでトイレに居るなんて、これっぽっちも思わなかったよ。

 そんなの全く考えて無かったから、あんな格好で・・・うう、考えれば考える程、思い出せば思い出す程、どんどん恥ずかしくなる・・・

 顔から火が出そう・・・

 

 ・・・・うぅ。

 は、はだか・・・、僕の・・・僕のはだか、見られちゃった・・・。

 パンツは履いてたけど、だけど、だけど・・・うぅ。

 お、おっぱい・・・み、見られ・・・見られちゃった・・・。

 男の人になんて、一度も見られた事無いのに。

 

 将来、結婚する相手にしか・・・旦那様にしか見せちゃイケないって、お姉ちゃん言ってたし・・・

 

 はぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。

 お嫁に行けないよぉ・・・。

 

 ・・・・・。

 あれ?

 

 将来の自分の旦那さまにしか見せちゃイケないって事は・・・逆に考えると、僕の裸を見た人は僕の将来の旦那様って事???

 あれ?あれ?うーん・・・。

 

 ってことは、大地が僕の将来の旦那様!?

 

 はわ、はわ、はわわわわ・・・。

 

 どうしよ、どうしよ。

 大地と・・・・その・・・僕が・・・結婚・・・するの・・・かな。

 ひゃーっ・・・想像しただけでドキドキしてきた。

 

 そりゃ、大地の事、嫌いじゃないし・・・というか、その・・・す・・・す・・・好き・・・だし。

 うーっ、ハズカシイ・・。

 大丈夫だよね?僕、無意識に声に出してないよね?誰にも聞かれて無いよね?

 はわーーーーっ。

 

 あ、でも、大地は僕の事、どう思ってるのかな・・・。

 もし大地が僕の事をなんとも思ってなかったら・・・やだな、悲しいなそんなの。


 僕、お姉ちゃんみたいにおしとやかじゃ無いし、髪だってお姉ちゃんより短いし。

 大地は僕の事を女の子として見てくれるかな・・・見てくれてるのかな。

 

 あ、でも、今日おっぱい見られた時、大地は僕の事を『可愛い』って言ってくれてた。

 あれは大地の本心なんかな?

 大地、いつも優しいから、僕に気を使ってそう言ったのかな。

 うー・・・

 

 僕の事なんて、子供にしか見られて無いのかなぁ。

 おっぱいだって、お姉ちゃんより全然小さいし。

 うぅぅ、なんだか泣きそう。

 

 あ、でもでも、あの時、僕の裸を見た時、大地もすっごく恥ずかしそうにしてた。

 それって、僕の事を女の子として見てくれてるって事なんかな・・ん、そうだよね。

 そう思いたい、うん、そう思う。

 

 その方が嬉しいし、楽しいもん!

 

 

 

 カーテンの隙間から、月明かりが僅かに差し込む。

 

 今日って満月だっけ?

 

 カーテンを開けて夜空を見上げる。

 綺麗な満月。

 なんか、満月の日ってちょっとそわそわしちゃう気がする。

 

 ん、あれ?家の前に人影・・・誰?

 まさか、泥棒!?

 

 ・・・んー、あれれ、あれって、ひょっとして・・・大地?

 暗くて良くわかんないや。

 

 大地だとしたら、こんな夜中に1人で出て行くなんてどうしたんだろう?

 何か用事でもあるのかな?

 見た感じだと、特になにも武具類は持って無いみたいだけど・・・気になる。

 

 ほんとに大地かな?

 もしそうじゃ無くて全く知らない人だと怖いし・・・どうしよ。

 

 よし!取り敢えず、大地の部屋に行って確かめてみよう・・・。


いつもお読み頂きまして、ありがとうございます。

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