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第2章 5話 お姉ちゃんには内緒だよ・・・

 トイレの中に入ってきたマリスが後ろ手にドアをゆっくりと閉めた。

 顔は少し俯いたまま、前髪ではっきりと表情が読めない。


 今俺は便器を背にマリスの方に向いているのだが、頭の中は半分・・・いや8割はパニック状態だ。


 「え?え?マ、マリス・・・さん?」


 マリスが一歩前へ出る。

 手で胸は隠したまま顔をあげた。

 その表情はいかにも恥じらう乙女そのもので、目は少し潤んでいる様に見える。


 「ね、大地・・・大地は僕の体でも・・・その・・・えっちな気持ちに・・なっちゃうの?」


 震えるようなか細い声で呟くマリス。


 俺の中の何かが崩壊してしまいそうだった。

 だが、俺は戦った。心の中の欲望と。


 欲望に身を任せてしまいたい気持ちも有る。

 しかしマリスはまだ14歳だ。

 俺は必死に自分を押さえつける。


 「そ、そりゃ、まぁ、マリス可愛いし。」


 それにマリスを傷つける訳にも行かない。

 本心じゃ無くとも、この質問にはこうしか応えられないだろ・・・


 めっちゃ本心だけど。


 そこで更に顔を赤くするマリスに、俺のアレは全力で反応してしまった。


 「ねぇ、大地、ちょっとしゃがんで・・・」


 「え?あ、ああ。」


 頭の中は8割パニックどころか、9割を超えた。


 俺はマリスに言われるままにしゃがむと、マリスがゆっくりと俺に近づく。

 まさかマリスの方から?

 いいのか?このままこんな所で・・・


 「ね、大地、目を閉じて。」


 俺はマリスの言われた通り目を閉じる。



 ・・・。



 柔らかく小さな唇の感触を頬に感じ、俺は思わず驚いて目を開けた。

 すると、マリスが恥ずかしそうに唇を頬から離した。


 「お姉ちゃんには内緒だよ・・・」


 そう言うとマリスは俺が返事をする間も無くトイレから出て、着替えを済ませて脱衣所を後にした。


 俺は頬に残るマリスの唇の感触の余韻を感じながら、トイレの中で少しの間一人呆然と立ち尽くした。

 心臓の鼓動は、まだレッドゾーンを突っ切っている状態だ。


 「えーっと・・・これは・・・」


 流石に今までの人生でこんなシチュエーションの経験など有るハズも無く、頭の中の処理が全く追いつかない。

 ひょっとして夢なんじゃ無いだろうかと、あえてお決まりの様に自分の頬をつねってみる。


 ・・・痛い。


 現実だ、紛うこと無き現実だ。

 それに俺のアレも、これは現実だと言わんばかりに全力の主張を維持し続けている。

 今までの経験において、最大限の主張では無いだろうか?

 

 俺はどうしたものかと考えながら、とりあえず当初の目的である、用を済ませた。

 勿論アレがなかなか収まらず、そのまま用を足すのに一苦労をした事は言うまでも無い。


いつもお読み頂きまして、ありがとうございます。

自分で書いてて自分でドキドキしてしまいました・・。

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