0章 斬り姫
初登校です。
よろしくお願いします。
なお執筆速度は牛歩でございます。
かつて戦場にて「斬り姫」と呼ばれる女傭兵がいた。
双剣を自在に操り、敵の兵を切り裂く姿は美しく、飛び散る血は舞踏の軌跡のように軽やかな円を描いて飛び散った。
攻めあぐねた兵士が彼女の周りは取り囲み、戦場にぽっかりと穴が開いたように空間ができる。
その中芯に赤く染まった彼女の姿は死神よりも気高き獅子を連想させた。
一歩足を出せば、円も一歩分動く。堪えきれず飛び出した敵兵は瞬き一つする暇もなく地に伏し、円が動くたびに赤いインクが地面にしみ込んでいく様だった。
敵兵が撤退する頃には、戦場には彼女を中心としてできた赤い道筋ができる。
そこを彼女は平然と歩き、自陣へ戻っていく。
謁見の間にある玉座のへ続く絨毯のような道の先で、味方の兵が王を出迎えるように彼女を見る。そこには戦場を生き残れたことへの感謝が、得体の知れないものへの恐怖が、そして圧倒的な強さに対する畏怖が込められていた。
故に彼女は「斬り姫」と呼ばれた。
強く、そして美しかった戦場の姫君。
やがて彼女は戦場から姿を消す。
死んだともいわれた。
味方に殺された、自ら自殺した、毒を飲まされた、病気で潰えた・・・
剣を捨てたともいわれた
剣を振るうことに嫌気がさした、恋をし子を生んだ・・・
新たな戦場を求めて世界をさまよっているともいわれた。
東の海の果てには魔王がいるという、北の山の頂には巨竜がいるという、南の島の楽園には神がいるという、西の森の奥には迷宮があるという・・・
さまざまな噂が流れたが、それ以降彼女は姿を見せず、「斬り姫」はやがて過去のものとなった。
物語は「斬り姫」が姿を消してから16年の月日が流れたところから始まる。
ちなみにコメディ要素が多いです。




