表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暴走転生勇者を最強監視者が必殺しちゃいます。〜罪は世界を選ばねえ〜  作者: がお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/30

【30話】剣聖の勇者

夏休みなので、久しぶりに書きました。

八月。

朝から強い日差しが街を照らしていた。

窓の外では、蝉の声が途切れることなく響いている。

午前十時。

営業部。

「暑い……」

誰かが小さく呟いた。

オフィスの中は冷房が効いているものの、外から戻ってきた社員たちは汗を拭いながら自分の席へ戻っていく。

そんな中。

正義はいつものように、自分の席でパソコンの画面を眺めていた。

カタカタカタ。

キーボードを打つ音だけが、静かなオフィスに響いている。

「正義さん」

隣の席から声がする。

「何ですか?」

「今日、お昼どうする?」

「いつものところです」

「また?」

「はい」

正義は画面から目を離さない。

その時だった。

課長が書類を抱えて、正義の机の前で足を止めた。

「正義くん」

「はい」

「今日はちゃんと仕事してるわね」

正義が顔を上げる。

「私はいつも仕事をしています」

課長は無言で正義を見る。

「……そういうことにしておくわ」

正義は再びパソコンへ視線を戻した。

窓の外では、強烈な日差しがアスファルトを照らしている。

蝉の声。

車の走る音。

いつもと変わらない夏の日。

――そのはずだった。

「……」

正義のパソコン画面に、小さな通知が表示された。

――ピコン。

正義の手が止まる。

画面を確認する。

そこには、見慣れた文字が表示されていた。

【指令】

対象:剣聖の勇者

罪状:腕試しによる一般人の惨殺

目標:対象者の抹殺

正義は何も言わなかった。

そして、静かにパソコンを閉じる。

「……」

椅子から立ち上がると、机の上に置いてあった鞄を手に取った。

それを見た課長が顔を上げる。

「正義くん?」

正義はいつものように、何でもない顔で言った。

「お昼に行ってきます」

「ええ、いってらっしゃい」

正義は軽く頭を下げる。

「では」

そのまま営業部を出ていく。

正義はエレベーターに乗り込んだ。

扉が閉まる。

「……」

エレベーターの中には、誰もいない。

正義は階数ボタンを押さなかった。

そのまま静かに立っている。

やがて――

エレベーターが動き始めた。

しかし、下へ向かっている感覚ではない。

「……」

表示されている階数が、次々と変わっていく。

一階。

地下二階。

地下十階。

そして――

表示が消えた。

正義は何も驚かない。

エレベーターの壁に映る自分の姿を眺めながら、静かに呟いた。

「今回は、剣聖か」

チン――。

聞き慣れた到着音。

扉が開く。

そこにあったのは、会社のエレベーターホールではなかった。

青い空。

広大な草原。

遠くには、巨大な城が見える。

エレベーターの扉の向こうから、暖かい風が吹き込んできた。

正義は一歩、外へ出る。

振り返る。

そこにはまだ、会社のエレベーターがある。

だが――

扉が閉じると同時に、その姿は消えた。


正義は草原を歩き続けた。

しばらくすると、遠くに町が見えてきた。

城壁に囲まれた大きな町だった。

門を抜ける。

町の中には多くの人が行き交っている。

商店。

宿屋。

武器屋。

見慣れない文字が並んでいるが、なぜか正義には意味が理解できた。

正義は通りを歩いていく。

すると――

一枚の大きな看板が目に入った。

町の掲示板に貼り出されている。

正義は足を止めた。

そこには、大きな文字でこう書かれていた。

【勇者パーティー隊員募集】

その下には、さらに細かく条件が書かれている。

勇者と直接腕試しを行い、実力を認められた者のみ参加を認める。

剣士、魔法使い、僧侶、その他職種不問。

我こそはと思う者は、勇者のいる城へ来られたし。

正義はしばらく看板を眺めていた。

「……なるほど」

対象の勇者が、自ら仲間を集めているらしい。

「腕試しか」

少し考える。

そして――

看板の横に貼られていた地図を見る。

勇者がいるという城の場所を確認する。

「これなら、都合がいい」

正義は看板から離れる。

そのまま城へ向かって歩き始めた。

城へ到着すると、正義は大きな門をくぐった。

広い中庭には、数名の男女が集まっている。

剣を腰に下げた男。

杖を持った女性。

大きな盾を背負った戦士。

それぞれが緊張した面持ちで、何かを待っていた。

「……」

正義は周囲を見渡す。

どうやら、勇者パーティーの候補者らしい。

その中に、一人だけ少年がいた。

十代半ばほどだろうか。

他の者たちから少し離れた場所で、一人静かに立っている。

腰には古びた剣。

身に着けている服も、周囲の候補者と比べると質素だった。

正義は少年の前まで歩いていく。

「君も、勇者の仲間になりたいのか?」

少年が顔を上げる。

「あ……はい」

少し緊張した様子で答える。

「俺も勇者様のパーティーに入りたくて」

正義は少年の腰にある剣を見る。

「剣士か?」

「はい」

少年は少し照れたように笑った。

「まだ全然強くないですけど……」

正義は少年をじっと見る。

「そうか」

少年は不思議そうに首を傾げた。

「あなたも参加するんですか?」

「ああ」

正義は淡々と答えた。

「少し、勇者と話をしたくてな」

「話……ですか?」

「そうだ」

やがて、城内に声が響いた。

「これより、勇者パーティー選抜試験を開始する!」

集まっていた候補者たちに緊張が走る。

城の奥。

巨大な闘技場の門が開かれた。

「試験は一人ずつ行う!」

係の男が説明する。

「闘技場へ入り、勇者と直接戦ってもらう!」

「勇者が実力を認めた者のみ、パーティーへの参加を許可する!」

候補者たちがざわめく。

「勇者と戦えるのか……」

「俺が選ばれる!」

次々と候補者の名前が呼ばれていく。

一人の候補者が闘技場へ入っていく。

重い扉が閉じる。

闘技場には、勇者と候補者の二人だけ。

外にいる者には、中の様子は見えない。

しばらくすると――

「うおおおおっ!」

突然、闘技場の中から怒号が響いた。

候補者たちが一斉に扉を見る。

「何だ……?」

「始まったのか?」

剣がぶつかる音。

怒鳴り声。

激しい足音。

そして――

「ぐああああっ!」

一際大きな声が響く。

その直後。

静まり返った。

誰も何も言わない。

しばらくして、闘技場の扉が開く。

係の男が中を確認すると、淡々と告げた。

「次の候補者」

一人の男が立ち上がる。

「……俺か」

男は緊張した表情で闘技場へ向かう。

扉が閉まる。

正義は少し離れた場所から、その様子を静かに見ていた。

「……」

そして、また闘技場から怒号が響き始める。

正義は腕を組んだ。

「なるほどな」

まだ何も断定はしない。

ただ、候補者が一人ずつ入っていき、そして戻ってこない。

それだけを、正義は冷静に観察していた。

そして、隣で待っている少年へ視線を向ける。

「君」

「はい?」

少年が振り向く。

正義は淡々と言った。

「出場するのは、やめておけ」

「え?」

少年が目を丸くする。

「どうしてですか?」

「理由は言えない」

正義は闘技場へ視線を戻す。

「だが、あれは腕試しではない」

少年は黙った。

それでも、腰の剣を握る。

「……俺は行きます」

「やめておけ」

「嫌です」

少年は正義を見る。

「俺は勇者様の仲間になりたいんです」

正義は何も答えない。

少年は少しだけ笑った。

「ここで逃げたら、ずっと後悔すると思うから」

その時――

「次の候補者!」

係の男の声が響いた。

少年は一歩前へ出る。

「呼ばれました」

正義は少年の背中を見る。

「……」

少年が闘技場の扉へ向かって歩いていく。

そして扉の前で一度だけ振り返った。

「あなたも、頑張ってください」

正義は静かに答えた。

「……そうか」

少年は笑って、闘技場の中へ入っていった。

重い扉が閉じる。

正義はその場に立ったまま、閉じられた扉を見つめる。

「……馬鹿な奴だ」

しかし、その声には――

ほんの少しだけ、心配するような響きが混じっていた。

重い扉が閉じた。

正義は周囲を見渡す。

近くには、試験を監督する番兵が二人。

「……」

正義は何も言わず、その場を離れる。

番兵の一人が闘技場の扉へ注意を向けた、その瞬間。

正義は反対側へ歩き出した。

人の少ない廊下へ入る。

そして、番兵から完全に見えなくなったところで足を止めた。

「さて……」

正義は周囲を確認する。

誰もいない。

そのまま城の外へ続く裏口を見つける。

扉を開ける。

外へ出た。

強い日差しが正義を照らす。

正義は城を振り返る。


やがて、日が沈んだ。

昼間の強い日差しは消え、城の周囲は暗闇に包まれていく。

正義は城から少し離れた場所で、静かに夜を待っていた。

そして――

十分に暗くなったところで、城門へ向かう。

門番が正義を見つけた。

「止まれ!」

正義は足を止める。

「何者だ?」

「勇者パーティーの選抜試験を受けに来ました」

門番が眉をひそめる。

「試験なら、とっくに終わっているぞ」

「遅れました」

「遅れましたって……」

門番が呆れた顔をする。

「今から入れると思っているのか?」

「困りましたね」

正義は困ったような顔をする。

「どうしても勇者に会いたいのですが」

「駄目だ。今日はもう終わりだ」

「そうですか」

正義は引き下がろうとしない。

門番も困ったように槍を構える。

「だから帰れと言っている!」

「しかし――」

その時だった。

「何の騒ぎだ?」

城の奥から声が響いた。

門番たちが振り返る。

暗闇の中から、一人の男が歩いてくる。

腰には一本の剣。

その姿を見た門番が慌てて頭を下げた。

「ゆ、勇者様!」

正義は男を見る。

「……」

剣聖の勇者。

男は正義をじっと見つめた。

「試験に遅れたのか?」

「はい」

正義は淡々と答える。

「申し訳ありません」

勇者は少し考える。

そして――

「いいだろう」

門番が驚く。

「勇者様!?」

「これだけ騒いでいるんだ」

勇者は腰の剣に手を添えた。

「特別に相手をしよう」

正義は静かに勇者を見る。

「ありがとうございます」

勇者が笑う。

「せっかくだ」

「昼間の連中よりも、楽しませてくれよ」

正義は何も答えない。

ただ、勇者の腰にある剣を見つめていた。

そして――

小さく呟く。

「……よろしくお願いします。」

城内に入った。

正義と勇者は、夜の闘技場へ向かった。

昼間とは違い、場内には誰もいない。

兵士の姿もない。

静まり返った闘技場に、二人の足音だけが響く。

勇者が中央まで歩いていく。

「ここなら、邪魔も入らない」

正義もゆっくりと後を追う。

その時だった。

正義がふと、闘技場の脇へ視線を向けた。

暗がりの中。

何かがいくつも転がっている。

「……」

正義は足を止めた。

近づいて確認する。

そこにあったのは――

昼間、選抜試験を受けていた候補者たちの亡骸だった。

剣を握ったまま倒れている者。

魔法使いらしき服を着た者。

そして――

一番端に、小さな身体が横たわっていた。

古びた剣が、そのすぐそばに落ちている。

「……」

正義の表情が変わる。

少年だった。

昼間、正義に笑いかけた少年。

「あなたも、頑張ってください」

そう言って、闘技場へ入っていった少年。

正義はしばらく何も言わなかった。

勇者はその様子を見て、薄く笑う。

「気になるか?」

正義が顔を上げる。

「……ああ」

「弱かった」

勇者は何でもないことのように言った。

「だから死んだ」

正義は少年の亡骸を見つめる。

そして、静かに立ち上がった。

「そうか」

声はいつもと変わらない。

だが――

その目から、感情が消えた。

「では」

正義は勇者へ向き直る。

「始めようか」

勇者が剣を抜く。

月明かりを受け、刀身が静かに輝いた。

「そうだ」

勇者が笑う。

「これからが本当の試験だ」

正義が先に動いた。

一歩踏み込む。

その手に、一本の日本刀が現れた。

「……!」

勇者の目が細くなる。

正義は刀を抜く。

月明かりを受け、刀身が静かに輝いた。

そして――

一気に踏み込む。

鋭い一閃。

しかし。

キィン!

甲高い音が闘技場に響いた。

勇者の剣が、正義の刀を受け止めていた。

「……」

正義はすぐに距離を取る。

再び踏み込む。

横薙ぎ。

上段からの斬撃。

突き。

だが――

すべて防がれる。

キィン!

キィン!

キィン!

何度斬り込んでも、勇者の剣が正確に正義の刀を弾いていく。

「……なるほど」

正義は一度、距離を取った。

「……」

刀を構えたまま、勇者を見つめる。

何度攻撃しても同じだった。

こちらが動く。

その瞬間には、勇者の剣がそこにある。

「……そういうことか」

正義が小さく呟く。

「先読みか」

勇者の口元が上がった。

「ほう」

「気付いたか」

勇者は剣を構えたまま、余裕の表情を浮かべている。

「私の能力を知らずに挑んだのか?」

「いや」

正義は首を横に振る。

「最初は剣技だと思っていた」

「だが違う」

正義の目が鋭くなる。

「俺が動いてから対応しているんじゃない」

「俺が動く前に、もう剣がそこにある」

勇者は楽しそうに笑った。

「その通りだ」

「私は相手の動きを読む」

「剣を振る前に、どこを狙うのか分かる」

勇者は一歩前へ出る。

「だから、どれだけ速かろうが意味がない」

正義は黙って勇者を見る。

勇者はさらに笑った。

「それを理解したところで――」

剣先を正義へ向ける。

「お前に勝ち目はない」

正義は刀を構え直した。

そして――

一気に踏み込んだ。

「……!」

鋭い斬撃が勇者へ迫る。

だが。

「甘い」

勇者が剣を横薙ぎに振った。

ガキィン!!

凄まじい衝撃。

正義の手から日本刀が弾き飛ばされた。

刀は夜空へ舞い上がり、月明かりを反射しながら地面へ落ちていく。

カラン――。

正義は無手になった。

「……」

勇者は間髪入れずに踏み込む。

剣先が正義の胸元へ向かう。

「終わりだ」

正義は身を引く。

しかし――

勇者の剣は、それより早かった。

「……!」

正義の目の前に、鋭い刃が迫る。

もう避けられない。

勇者が止めの一撃を繰り出そうとした、その瞬間――

「なっ――」

深々と刃が勇者の胸へ突き刺さった。

「……!」

勇者の動きが止まる。

自分の胸元を見る。

そこには、正義が隠し持っていた脇差しが深く突き刺さっていた。

「き……貴様……」

勇者がよろめく。

正義は何も言わない。

勇者は悔しそうに正義を睨みつけた。

「汚ねえぞ……」

正義は静かに答える。

「そうか」

「剣士同士の戦いなら、正々堂々と戦え!」

「……」

正義は勇者の目を見る。

そして、淡々と言った。

「命の取り合いに――」

脇差しを握る手に力を込める。

「汚ねえもクソもねえんだよ」

勇者の目が見開かれる。

正義は一歩、踏み込んだ。

「生き残った方が勝ちだ」

「待て……」

勇者が苦しそうに声を絞り出す。

正義の動きが止まる。

「……何だ?」

勇者は胸に刺さった脇差しを押さえながら、ゆっくりと口を開いた。

「少し……話をさせてくれ」

正義は黙って勇者を見る。

勇者は息を整える。

「俺は……元々、こんな人間じゃなかった」

「……」

「現代では、剣術道場をやっていた」

正義の目がわずかに細くなる。

「道場?」

「ああ」

勇者は小さく笑った。

「子供たちに剣を教えていた」

「勝つためだけじゃない」

「礼儀や、己を律することも教えていた」

少しだけ遠くを見る。

「こっちの世界に来た時も、最初は同じだった」

「剣術を磨く」

「弟子を育てる」

「そして……」

勇者は闘技場を見渡す。

「腕試しができることが、嬉しかった」

「魔物がいる」

「強い戦士もいる」

「現代では、本気で剣を振るえる相手なんてほとんどいなかったからな」

勇者は苦笑する。

「最初は普通に鍛錬していた」

「相手を傷つけないように加減してな」

正義は何も言わない。

勇者は続ける。

「だが……」

その表情から、少しずつ笑みが消えていく。

「いつからか、それだけでは物足りなくなった」

「もっと強い相手と戦いたい」

「もっと……本気の剣を振りたい」

勇者は自分の手を見る。

「そして、気がつけば……」

「腕試しで人を殺すようになっていた」

闘技場に、重い沈黙が落ちた。

正義は静かに言った。

「罪は世界を選ばねえ」

その瞬間。

正義は脇差しを握る手に力を込めた。

そして――

さらに深く、刃を突き刺す。

「ぐっ……!」

勇者の身体が大きく震える。

やがて力が抜ける。

剣が手から落ちた。

カラン――。

勇者はその場に崩れ落ちた。

正義は脇差しを抜く。

そして、静かに血を払った。

正義は闘技場の脇に並べられた亡骸へ目を向けた。

昼間、勇者の仲間になるために集まった者たち。

その中には、あの少年の姿もあった。

正義はしばらく黙って見つめる。

そして、勇者の亡骸も運び出す。

一人ずつ。

闘技場の中央へ集めていく。

やがて、全員の亡骸が並べられた。

正義は火を放つ。

小さな炎が薪へ燃え移り、やがて大きな炎となっていく。

候補者たちの亡骸と、剣聖の勇者。

全てを包むように炎が夜空へ伸びていく。


翌日。

午前十時。

営業部。

窓の外では、昨日と変わらない強い日差しが照りつけていた。

蝉の声が響いている。

「いよいよ明日から夏休みだな!」

営業部の社員たちが、どこか浮かれた様子で話している。

「何日休みだっけ?」

「九連休!」

「最高だな!」

そんな声を聞きながら、正義はいつもの席でパソコンに向かっていた。

カタカタカタ。

いつもと変わらない仕事風景。

その時。

「正義くん」

課長が後ろから声をかけた。

「はい」

正義が振り返る。

課長は笑顔だった。

「昨日のお昼、どこに行ってたの?」

「昼食です」

「……何時間?」

「……」

正義の動きが止まる。

課長は腕を組む。

「お昼休みって、一時間よね?」

「はい」

「昨日、戻ってきたの何時?」

正義は少し考えた。

「……覚えていません」

「でしょうね」

課長は笑顔のまま、正義の机に書類を置いた。

「というわけで」

「今日は残業ね」

「……」

正義は書類を見る。

そして――

ゆっくりとうなだれた。

「……了解しました」

営業部の誰かが小さく笑う。

皆さんいかがでしたか?必殺は終わりではありませんので、また書きますね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ