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ラクガガク  作者: 徳丸
第1章 羅劫(らこう)
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7.好奇心は災いの始まり

後半編集しましたー。8話も近日中に編集します~

「はーい。皆さんおはようございます~。昨日はよく眠れましたか~??」


いつものHRと変わらないテンションで先生はみんなに問いかける。生徒たちはあまりいい顔をしてない。

生徒たちの不満が先生の続きの声を遮った。


「おはようじゃないです~。」

「先生昨日のことなんですけど~。」

「なんなんですか?」


正直それはぼくちんも気になっていた。昨日はしっかり眠れたけどね!


「あ~。やっぱり気になりますよね~。でも特に話せることはないんですよねえ~。昨日たまたまあそこに羅劫がいることが分かって連れて行ったってくらいしか・・・。」

「で、ですが、羅劫の前でどういった対応をするのがよかったのかとか、どんなことが起こるのかとか・・もう少し・・こう・・・何かアドバイスとかあったんじゃないですか??」


ん~。まあそれはなあ。みんな思ってたことだよねえ~(σ´・ω・)ネェネェ。そもそも学校の先生全員が羅劫に会ったことがないなどあり得ないことだと思う。そもそも羅劫の契約の情報がネットにも、世間にも、あんまり公になってないような・・・・??

まあともかく、羅劫が向こうから近づいてきますくらいのアドバイスはできたんじゃないかなあ~。


ていうか、いろいろ今まで知らなかったの・・・すごく不思議?じゃない??そうでもないのかな。親から聞いたりするんじゃないのかなあ。ジェリー・・・は聞いてないね。うん。


「そうだぜ?先生!特に説明なしで自由に過ごしてくださいって・・・あんまりじゃねえか!?俺が選ばれるかもしれなかったのによ!」


誰もが選ばれないと思って行ってはいない。あわよくばという淡い期待が彼らを後押しする。


「ん~。といってもですねえ~。何もないですよ~。あ、赤宮君。それもないですよ~。ほとんど先天的なものですからね。」


羅劫とは先天的な器の大きさで判断されているとされている。同じくらいの器であれば器の内容という話である。明確にはわかっていないが、過去、羅劫について研究していた偉い人物がそういった発言をしていたそうだ。今は羅劫について知ろうとするのはおこがましい、失礼だということで研究は行われていない。表向きは。


「だけどよ~!先生!!そういってもよお~。気持ちが収まんねえんだよお~。」

「私もです先生!!」「ぼくも!」「俺も!」

「ふふふ。ですがすべて時の運。そんなに引きずらないことです~。ちょっとそこに3億円落ちてたけど、コケて届かず、溶岩に沈んでいくのを黙ってみているしかなかった程度に思っておくのが得策です~。」

「「「それは引きずるわ(ります)(だろ)!!」」」



**********



先生のHRがが終わり1時限目が始まる。今日の1時限目は数学だ。数学の先生は男で今年30歳になる。しかしよく生徒に間違われるので、その童顔を気にしているらしい。

なぜか髭も体毛も薄いのだそうだ。

高等部1年の1-11を担当している先生。


「童顔先生~。先生のクラスは野外授業しましたあ~??」


童顔先生のクラスではどのように屋外授業をしたのか気になった生徒が、授業が始まる前の10分間の休憩時間に質問した。


その声に、他の生徒も教卓の前に集まる。


ロロたちは自分たちの席、窓から3列目と4列目、教室の中央より後ろ目の席に座ったままその様子をなんとなく観察する。


「あ~屋外授業な~。俺のクラスもやったぞ~。今回はこのクラスだったな。どうだ?すごかったろ~?」


呑気にポヤポヤと、どことなくいたずらっ子のような目をして、質問した生徒を見る。


「すごかったですけど・・・。結城先生ほとんどアドバイスくれなかったんですよ!!ひどくないですかあ!?!?」


「はははは。そりゃ、あの感動を皆に知ってもらいたいからさ。きっと親もあの感動を知って欲しいから今まで何も言わなかったんじゃないか??」


「確かにそうですけど・・・。でも、アドバイスがあったら選ばれる可能性上がったかもしれないって思っちゃうんですよ~!!」


周りにいた人も「そうだそうだ!」「感動はしたけどさあ~。」など、童顔先生に迫り始める。

先生は落ち着け落ち着けと、両手をパタパタさせ、苦笑いを浮かべる。


「まあまあ、でも初回は選ばれることは無いから、説明するだけって感じなんだよ。ほんとだよ?だって何の儀式もしてないだろ??だからさあ、先生のびっくりプレゼントだと思おう!なっ!」




「「「「「「・・・・・・。」」」」」」




先生の発言に、迫っていた生徒皆が硬直する。もちろんロロ達もだ。

思わず、「え、何!?」と顔をきょろきょろさせる彼をガン見してしまった。


教室内がシーンと静まり返る。

普段は聞こえることのない、よそのクラスの話声がよく聞こえた。


一瞬にして変化した空気に、かなり動揺した先生は、動揺を誤魔化すように1人続けて説明をする。


1学年20~25のクラスで構成されている高等部では3年間かけて羅劫との逢瀬を重ねる。

大体が2年から契約するための儀式を行うのだそうだ。細かくはまた授業で習う。

基本的に1年は1年間のうちに1度本物の羅劫を見に行く。その時期は職員会議によって決定する。



ちらっと生徒たちの様子を確認した先生は、まだ変な空気が漂っていることを確認し、今度は1年の内容ではないことも話してくれた。



なぜ一般的に羅劫のことについて触れる機会が少ないのか、その儀式の方法が1種類ではないかららしい。

1種類ではない。それは、その日、その場所、その時間、天気。様々な条件を吟味し、国家専属の占い師から目的の羅劫と相性のいい儀式の方法を教えてもらうため、そういわれている。


少しでも違うと目的の羅劫との契約はかなわなくなるため、正しい情報を誰一人として持ち合わせないのだ。


明るく、そんなに文句言ってもしょうがないだろう、と先生は言っているが、皆がその事実にショックを受けたから口をつぐんでしまったわけではないのだ。

先生の説明が事実であるとするのなら・・・。


4日前の出来事を思い出す。

やはりどこにも儀式をした記憶は存在していなかった。どこかで疑似的な儀式を行ったか・・・??否。



・・・契約できるはずがない。



(((((油留木さんは・・・選ばれていたぞ・・・???)))))


席に座っている油留木さんを全員で振り返る。本人は今までの会話を聞いていただろうが、すました顔で、本を読み続けていた。


彼女だけ、何か儀式をやったのか・・・・??あるかもしれない。

だが、そもそも選ばれるのは天の采配。儀式をやったからと言って選ばれる確率は少ないはず。

彼女の才能だ。


しばらくして、油留木さんの事についても話そうと1人の生徒が先生の方を見るのだが・・・




「さあ、もう時間だ。皆席に着きなさい~。」

「あ、先生・・・あの・・・。」

「はいはい。お話はここまで!!席ついて~!!」



パンパンと手を叩き、先生はチョークをもって黒板に向かってしまった。これ以上話すことはできないらしい。



予鈴の音とともに、授業が開始された。


書かなくてもいいかな~と思ってたんですけど、高等部の1学年は20~25クラス。

1クラス50人くらい?

全国で4校しかないけどそんくらい?

今の日本の人口とか調べて考えてないから、適当すまん!!!

(m´・ω・`)m

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