56. ひとつの世界
べちゃり。
ビルの最上階に向かって進むにつれて白い何かはその存在感を増していく。
先ほどよりも多くなっている・・・・??
「うへええ~(´;ω;`)。なんか増殖してなあい~???」
靴にへばりつくようなネバネバさがきもい。
「何よこれ!!!ちっ!!邪魔ね!どいてなさいよ!!」
「お兄ちゃん取って!!」
「え!?・・・お・・・おう。ま・・・に・・・兄ちゃんに任せろ・・・!!」
ようやくたどり着いたゲート。
もちろんだが、そこに人影はない。受付も荒らされ、書類が散乱し、誰かの靴が白い物体に取り込まれている。
ここに居た人はこれからどうするのか。この未知の物体と共存して生活することは難しいだろう。
そしてこの現象は都内各地。さまざまなところで発生している。
・・・まだ始まったばかり。
「ロロ!!行かないのぜ??」
「んん~(*'▽')??行くよお~。」
「んじゃあ、行こうがあねえ~??」
「うわ~結構緊張してきたっす!!!」
おいちゃんはカードを受付に通し、ゲートの使用を可能にする。
たくさんあるゲートの中から迷わずにある一つのゲートに向かう。
他のものと何ら変わりのない。
見わけもつかないがおいちゃんは当然のように「ごごだあ。」と言った。
一同はゲートの前に立ち、長い一日であると今日を振り返るのであった。
準備という準備はしていないが、何とかなる。そんな気がした。
ゲートに足を踏み出した。
ゲートをくぐる。
何となくだが、普段より時間がかかっているような・・・・??
本当に何となくだが。
自然と閉じた目を開く。
その先にあるのは・・・。あったのは。
土の壁。
およそ2m四方の空間。
複数人が存在するには視覚的にも物理的にも厳しいものがある。
想像もしていない世界が広がっているとは思っていたものの、その先に続く道が塞がれているとは思わなかった。
万事休すか・・・???
「ううう。狭いのぜ!!」
1人また1人とゲートから出てくるたびに狭くなる。
ミケは潰されそうになり、先に出ていたロロの頭の上に避難した。
全くの無駄足・・・!?
ロロは今までの自分の行いを振り返り、何もなかった場合の最悪のケースを想像した。
穴に埋まりたくなった。内心ドヤっていたのが伝わらなければいいのだが・・・。
「ちょいとのいでな。」
おいちゃんがギューギュー詰めの中をかき分けて四方の壁を触り始めた。
「どうしたんっすか??」
押されるがままに体をそらしていたものの、気になるは気になる。
「んん・・・・・ごごらへんにあるだよ。スイッチだあねえ。・・・あっだ!」
おいちゃんは動きを止め、拳で壁を叩いた。
「うおおおー!!!( ゜д゜)!!」
「何よこれ・・・・!?」
「お兄ちゃん・・・・!!」
「おお・・・・おち・・もちつけ!!」
ゴゴゴゴゴ・・・・と土煙が立つ。
四方の壁の中で擦れた角が目立つ部分がずれて道が出現した。道・・・と呼ぶのがふさわしいのか。
細くて暗い、手彫りと思われる高さが1mほどしかない通路だ。
・・・光はない。
本当に人がいるのか。
隠れ家としては一等地だが、たくさんの人が活動する場に選ぶにはいささか不釣り合い。
かつて来たことがあるのだろうか?
おいちゃんはずんずん進んでいった。
心を落ち着かせる間もなく、置いて行かれないようについていく。
おいちゃん→蜂賀→ジェリー→兄妹→ロロアンドミケの順だ。
殿を務めるロロ。
後ろが気になる。
・・・壁迫ってきたりしないよねえ・・??
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・・・ワハハハハ!!
し・・・くか・・・・!!
しばらくすると行き先から話し声が聞こえてくるのが分かった。
出口から見えるのはまたしても壁。・・・といっても先ほどのような岩盤むき出しのような壁ではない。
漆喰のようなものが塗られた、様式美を兼ね備えたかのような壁であった。
進むごとに見えてくる全容に、おいちゃん以外がハッとした。
その壁は壁ではない。
ちゃんと意味を持った建物となっていた。関所のように出入り口が包囲されており、洞窟にちゃぶ台があるかのような異様さを嫌でも感じさせる。
・・・人影は見えないが監視されている・・・??
「・・・ごごはなあ。軍の教育機関の一部さなあ。おらは人伝に聞いだだけだけんども。」
「どういうこと~Σ(・ω・)??」
「ごごでは特殊な訓練が行われてるらしいでな。」
アーチ状になっている関所を通る。
上から降りて来るタイプの門(鉄格子みたいなの)が2枚あげられた状態になっていた。
「おらも特殊な部隊さではあるだよ。んだども、しっかり階級さ明らがになってるだ。」
「ふんふん?・・・分からん??」
「フハハ。ミケぢゃんはかわええなあ。・・・階級を与えられない軍の人もおるだよ。」
おいちゃんは少し悲しそうにそう言った。
階級のない人たち。
与えられなかったのか、あえて与えなかったのか。
話の流れから、軍の組織体系の1つであることをロロは理解した。
他の人たちは今一つピンと来ていない。
「ぎゃははははは!!!」
「あーん!あたしにもそれちょうだーい!!」
「怪しいよ??確がに怪しい。でも。でもなあ。少なくども・・・・。」
立派な施設に不釣り合いの笑い声。
笑い声通りの服装と雰囲気をまとった様々な年代の人。
軍の資金をふんだんに投資したと思われる立派なコンピュータや、モニター。多種多様な設備が備わった空間で飲んだれたり寝っ転がったり。
「ごんなびったれた場所じゃあねえだよ。」
普段は滅多に怒らないおいちゃんの怒りに満ちた声。
そこからはロロ達のような若造では出せないような年の重みを感じさせるのであった。
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施設のイメージ
NASAのコンピュータがずらーっと置かれている場所
それプラスしっかりと軍の人が訓練留するための広場や、射撃場がある感じ。
機関銃が保管されている場所→保管庫もあるがしっかりと施錠されている。
そこにいる人々は特に目立ったこともせず、飲んだり食べたり。
施設内は空調設備がかなり高等。




