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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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「叶ー!起きろー!」

「まだ暗いです…」

雨の日は暗いから起きるのも辛い。起きたくない、眠い。布団から起き上がりましてなんかズッコケます。ドンガラガッシャーンと音を立てながら。

「えぇ、なに大丈夫?」

「いい目覚めですね…」

床に思いっきり足を打ってテーブルの角で頭を打って痛い。おかげで目が覚めた、これはこれでいい目覚め。朝からこうなるのも日頃の行いが悪すぎるからだろうか。

「痛くない?」

「大丈夫です、ご心配ありがとうございます。」

先生に心配されたので痛みも吹っ飛びました最高の一日になりそう!先生に心配されるだけで元気になれる、我ながら単純だがこれが幸せ。朝ご飯は基本食パン。朝はご飯の匂いがどうも駄目でパンです。先生はパンでもご飯でもラーメンでもなんでもウェルカムらしい、さすが。

「朝ご飯できました。」

「はーい。」

食パンと目玉焼き、レタスのスープをテーブルに並べて私は布団に戻る。

「なんで寝てるの、起きなよ。」

「食べないから寝たほうがいいかと思って。」

「食べなよ。」

自分でもなに言ってるか分からないがアホなこと言ってるのだけは分かる。寝てないで食えってね、そりゃそうだよね。でも食べたくないし眠いし寝たい。

「今日はちゃんと傘さして帰ってきてください。」

「分かってるって、小雨じゃなかったらさして帰る。」

先生は傘をさすのが面倒らしい。濡れたカバンとか服とか干すほうが面倒な気がするのだけど。部活とかで濡れるのに慣れているからといってささずに帰ってくるのは困る。

「行ってらっしゃい、お気をつけて。」

「はいはい。行ってきます。」

ドアが閉まる音がなんだか寂しく胸をぐるぐるさせてくる。窓から先生が歩いていくのを見てお見送り。私も学校行く準備しないとな、面倒臭いな。

先生が居ない雨の日の朝。少しだけ、少しだけ。ふわっとする程度に。

そんな状態で学校に行くものだからもちろんとてもしんどかった。階段踏み外して学校の先生にとても心配されました生き恥。大丈夫ですって言ったのにまた転けて保健室連れ行かれた。大丈夫なのにね。

「早瀬さん、なにかあったら言ってね。」

「なにもないので大丈夫です、失礼します。」

連れて行かれたのにもかかわらず教室に走って逃げました。連れて行ってくれた先生も保健室の先生もびっくりだね。誠に申し訳ありませんでした。授業は一応聞いていたつもりなのだけどノートが汚すぎてだめ。帰ってバタンキューしてたらあっという間に夜になってた。ご飯作らないとな。

「ただいま。」

「今日は早かったですね、おかえりなさい。」

なにもしてないときに限ってご帰宅が早い。あ、掃除してない。ぐちゃぐちゃのままだ。やばいどうしよう。

「カメラ見たら叶死んでたからコンビニ寄ってきた。」

「ごめんなさい、ありがとうございます。」

先生が早く帰ってきてくれたのはどうも私のせいみたいです、ごめんなさい。ご飯食べて先生と一緒に片付けました。先生に負担かけすぎてるので頑張らないとな…

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