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22.初めての軍の基地へ

ルージュが、ランドルのいる軍の基地へと行く日がやって来た。


朝から、ルージュはランドルを見送った。

そして、ランドルが行ったのを見計らって急いで厨房へと向かった。


「サンさん、イルさん、おはよう御座います。昨日お伝えした通り少しだけ厨房を使わせてもらいますね。」


ルージュは、厨房に着くと料理長のサンと料理長助手のイルへと挨拶をした。


「ルージュ様、おはよう御座います。はい。言われたものは用意しておきましたので自由にお使い下さい。」


サンが、ルージュへと挨拶をした後に笑顔で言った。


「ありがとうございます。」


ルージュは、サンにお礼を言うと早速作業を始めた。


ルージュは、エプロンを着けて慣れた手付きで何かを作り始めた。

そしてあっという間に、作り終えたのだった。


「ルージュ様…これは何でございますか?」


イルが、ルージュが作った物を不思議そうに見て尋ねた。


「これは、レモンとお庭から採ってきた恋する実のハチミツ漬けです。」


ルージュは、笑顔でイルへと説明した。


「ハチミツ漬けですか?初めて聞きました。」


イルは、ルージュに説明して貰うと興味津々な表情で言った。


「ふふ…これは、運動した後や疲れた時などに簡単に美味しく糖分が摂れるのです。ラン様は今日、訓練があると仰ってたので軍の方々の分も作って持っていこうと思いまして。」


ルージュは、サンとイルへと説明した。


(この世界には、レモンのハチミツ漬けというものがなくて初めは驚いたのよね…前世ではよく、庭で栽培していたレモンを採ってハチミツ漬けにして夏場になると組員の人達食べて貰ってたものね…レモンのハチミツ漬けって汎用性あるし前世の記憶を思い出してからは実家でもよく作ってお父様やお兄様達に食べて貰ってたのよね…)


ルージュは、サンとイルの反応を見ながら思っていた。


「旦那様もですが、軍の皆様も喜ばれることでしょう。」


サンが、笑顔でルージュへと言った。


「そうだといいですわ。あっ…これは邸の使用人の皆さんの分だからよかったら皆さんで食べて下さいね。」


ルージュも、笑顔で言った。


「私達にですか?ありがとうございます。休憩の際に皆で頂きますの。気をつけて行ってらっしゃいませ。」


サンは、嬉しそうに笑みを浮かべながらルージュへとお礼を言った。


そして、ルージュは作ったハチミツ漬けを急いで瓶に詰めて出かける支度をしたのだった。


支度が整いグレイと共に馬車乗り軍の基地へと出発した。


馬車の中では、ルージュとグレイが話をしていた。


「グレイさん、いつになったら私をルージュと呼んでくださるのですか?グレイさんだけですよ。私を奥様と呼ぶのは…奥様という響きはどうも慣れないのです…」


ルージュが、困った表情を浮かべながらグレイへと言った。


「恐れながら…私も公爵夫人であふるお方を名前呼びをするなど慣れておりません。ですので、奥様が何と言われようと私は奥様とお呼び致します…どうか、年寄の言い分を分かって下さいませ…」


グレイも、困ったような表情を浮かべながらルージュへと言った。


「もう…そんな困った顔をされると無理強いなんて出来ませんわ。ふふ…」


ルージュは、困った顔をして言った後にクスッと笑った。


それを見たグレイもクスッと笑った。


「グレイさんは、何度も軍の基地へは行ったことはあるのですか?」


ルージュは、グレイへと尋ねた。


「ええ。何度も…というより、私も元々は軍人でしたので。軍にいた頃に前・公爵様、つまり旦那様のお父様に自分の執事となって欲しいと頼まれたましてオパール公爵家の執事となったのです。」


グレイは、ルージュへと微笑みながら説明した。


「えっ?そうなんですか?知りませんでした…グレイさんが軍人だったなんて想像できませんわ…ふふ…でも、それなら軍の基地の事はよくご存知ですね。」


ルージュは、驚いた表情を浮かべた後に笑顔でグレイへと言った。


「私自身もえらく昔の事ですので、自分が軍人だった頃の事など忘れかけております…」


グレイは、笑いながらルージュへと言った。


「ふふ…グレイさんったら。でも、グレイさんは軍人の経験があるからこそラン様のお力になれる事が沢山ありますね。グレイさんが執事だとラン様もきっと心強いですね。」


ルージュは、笑顔でグレイへと言った。


「そうだと嬉しい限りですね…」


グレイは、嬉しそうな優しい笑みを浮かべながら言った。


二人が、話をしている間に軍の基地へと到着した。


門番の者には、ランドルが話をしていたのですぐに門が開き馬車は中へと入った。


馬車から降りたルージュとグレイは、軍の者に訓練所へと案内されたのだった…


訓練所に着くと、ルージュは誰かが剣の訓練をしていたのが目に入った。


ルージュは、目を凝らしてよく見た。


そして、その人物を見てハッとなった。


(あれは…ラン様?とカイルお兄様かしら…何だかラン様いつもと雰囲気が違うわね…完全に闘う者の顔だわ…)


ルージュは、剣の訓練をしているのがランドルとカイルだと知りそんな事を思っていた。


そして、それと同時にルージュは胸がキューっと熱くなる感覚になったのだった………


そんな感覚になったルージュは…


(何だろう…胸の辺りが一瞬熱く感じたわ…今日はそんなに気温が高い訳でもないのに…)


ルージュは、胸熱くなった事を不思議に思っていたのだった………

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