悪役令嬢フラグ発生の予感
「よかった...無事で」
彼は私をぎゅうと、正直キツすぎて息が出来ないくらい抱きしめた。
彼は彼女を心底溺愛していたのだなあと思った。
何故言い争いが耐えなかったのだろう。
そして数分後彼から離れると
ピロロン ピロロン
変な音がして彼にハートのような不思議な魔法陣が現れた。もしやこれは主人公が攻略対象に選択肢で良いことすると現れる愛キャッチでは!?
いや、私はヒロインじゃないし...そもそもハートの魔法陣ってなんだ!?怖い!
私が頭の中でぐるぐる考えているうちに彼はごほんと咳をした。
「明日は王立協会に集まり入学前に使役するものを召喚する儀式があるんだろう?」
「は?」
え、学園に入学する前に使役するものを召喚する??私がきょとんとしてると
「大丈夫か?ガーデンパーティを忘れたのか?」
「ガーデンパーティ?なにそれ...」
動揺してる私にため息をつきながら彼は話してくるれた。
「学園側は入学前の紳士淑女の交流を深めるため、また、自身で身を守るためガーディアンを学園の中庭で召喚するんだろ」
ガーデンでガーディアン...やばい混乱してきた。
なにその設定てんこ盛りなんでもあり乙女ゲーム...こんな乙女ゲーム絶対私は知らない。やったこともない。
彼に現れた魔法陣も本当に魔法陣で愛キャッチではなくとんでも魔法なのでは!?
うんうんと考え込んでいたせいで心配したのか
彼は私の顔を覗き込んだ。
「具合が悪いなら学園側に申し出ることも可能だが」
私は首をぶんぶんと振った。主人公に会えるかもしれないし負けられない気分だった。
「やってやろうじゃない」
これはイベントフラグに絶対に回収せねばいけない!私は悪役令嬢らしいドヤ顔で言った。