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偏差値70は最強じゃない!  作者: 鮫の歯
第一章 華炎の国
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55/56

偏差値41 過去の精算─3

男「た、タルタロス?本物か?なぜここに?」

タ「やぁソウタ。久しぶりだね。会えて嬉しいよ」


ソ「こちらこそと言いたいですがなんですぐに出てきてくれないんですか!ピンチに駆けつけたヒーローみたいに

出てこないでください!!」

タ「いやぁ、すぐに行こうとしたんだけどフェンリルに捕まっちゃって。上手く抜け出してきたらちょうど、というわけさ!」


ソ「捕まらないようにちゃんと仕事してくださいよ……とにかく、助けてくれてありがとうございます」

タ「あはは!いいよ、これぐらいわけないさ」


ラコンとマインがタルタロスに挨拶をする。

ラ「タルタロス様、お久しぶりでございます」


タ「やぁ、ラコン、マインちゃん。プロポーズは成功したのかい?」


マ「え?はい。その……」

照れないで 恥ずかしい

タ「それはよかった。そしてトルエノ!久しぶり!

ト『久しぶりだぜ!』

タ「ふふ。いつも通りもこもこだね」

ト『俺の存在意義はモコモコだからな』

…?

タ「そして初めましてクレーネちゃん!」

ク「ちゃんって……私そんな歳じゃないんですけど。初めましてタルタロス様、お会いできて光栄です」

少し不満そう。


タ「こちらこそ。君はウンディーネなんだろう。かわいいね。聞いてるとは思うけど僕は死者の世界を支配している者だ。別に様とかつけてくれなくてもいい。気軽に呼んで欲しいよ。よろしくね!」


男(……ハハハマジかよ。召喚、本当に召喚できるのか。あのタルタロス、様子からし

て本物らしい。会ったことはねぇが普段は神にしては軽いと聞いたことがある。どうする。逃げるか。いや逃げ切れるのか)


タ「さて、挨拶もこれぐらいにしてそろそろ本命だ」

タルタロスは男の方を向いた。


タ「ソウタ、今回は喚んでくれてありがとう。あいつは僕も探していたんだよ」

タルタロスは手のひらから鎖を出すとチャラチャラと振った。


タ「あいつは悪魔だ。冥界から現世に逃げ出した悪魔の中の一人。僕はあいつを捕えなければならない」

ソ「やはり。俺も人間じゃないと思っていたんです」

タ「おお、さすがだ。あの人だかり……状況から察するに霧で人々が操られているようだね」

ソ「そうです。そのせいであの男、いやあの悪魔をうまく攻撃できず……」

タ「ふむふむ、なるほど。ではまずこの覆っている邪魔な霧を取ろう」


タルタロスは鎖を勢いよく上に投げる。ジャラジャラと音を鳴らしながら、その鎖の先は弧を描いた。

するとサッと霧が晴れた。その瞬間悪魔は負けを悟ったのか人々おりたちにけしかけたそして自分は後ろに走り人々に紛れて逃げた


タ「チィッ!臆病な奴め!ソウタ、飛ぶよ!」

ソ「はい!」

俺はクレーネを抱いて飛んだ。

ラ(くぅ~!またクレーネだけ抱っこしてもらって~!)


タ「このままじゃー、あいつを追ったところで下の人達に追いつかれてしまうね。催眠が効いているのか足がとても速い」


ソ「そうですね。上に飛んでいるのに見ているんですかね」

タルタロスは首をひねる。

タ「まあ分からないがとにかくなんとかしないと」

ソ「わかりました。少し荒っぽいですが足止めしましょう!時限式 即席 魔法障壁!!」

魔力の塊を投げてうまく広場の出口全てに魔法障壁を張る。俺はこういうコントロールは苦手なのでケイに頼んだ、


タ「……ふむ。いいね、それで安心してアイツを追いかけられるよ。よし、行こう!」

下ではまるでゾンビ映画のように、人々がわらわらと壁をよじ登ろうとしていた。

それをクレーネは気持ち悪そうに見ていた。




悪魔(ハアッ……ハアッ  噂には聞いていたが時々タルタロスが現世に現れる、というのは本当だったんだな。あんなヒョロいガキがまさかタルタロスを呼ぶことができるとは… 俺はまだ捕まるわけにいかねェ。まだまだあの方は……こうなったらあいつらの館に匿ってもらおう。このあたりでは一番安全だ)

悪魔は必死に闇を走る。



ソ「あの悪魔は何なのですか?

タ「あの悪魔は名前をケイジという。正式な名前もあるらしいが忘れた。体を霧に変えて人々の体の中に入り操る魔法を使う。元々タルタロスの監獄に収容していたのが脱獄されてしまってね。たいした奴じゃないんだけど」

ラ「タルタロスの監獄を脱獄…?それって結構凄い悪魔なのでは?」


ブーブー言うのでクレーネとマインが入れ替わり、ラコンが言う。


タ「いやー、うちに裏切り者がいたようでね。霧の能力を買われて脱獄されてしまったんだ。罪は窃盗と不法侵入、詐欺など。大したことしてないケチな奴だ」


ケ(大問題じゃないんですかね……)

ソ(シッ)


ト『それにしてもなんでそいつはここにいるんだよ?脱獄とここにいるのは別だろ?』

タ「何でここにいるかは僕にも分からない。まだ調査中なんだ。……っと。追いついたようだがめんどくさい所に入られてしまったな」

俺たちは地面に降りた。


そこには大きな館があった。


ソ「ここは、ここの貴族の館のようだね」


ラ「あ~疲れました~。意外とクレーネって重いんですね~」

背中からクレーネをおろしたラコンがわざと大きな声で言う。

ク「…もう一回言ってみて?」

クレーネは拳を振り上げる。

マ「………wッ」

ソ「こーら、ふざけない」


タルタロスは一人で首を傾げてなにか悩んでいるようだ。

タ「おかしいな。悪魔の反応が二人……一人じゃない」

ラ「え?二人?一人ではないのでございますか?」

タルタロスは鎖をぶらぶらさせて言う。…それで悪魔の反応?がわかるのだろうか。


タ「うん。確実に2人がこの館の中にいる。僕的には嬉しいことだが、ちょっとなー」


ケ「確かにめんどくさいですね」


タ「まあここで話していても仕方がない。中に入らせてもらおう」




門の前まで来た。

門の前にはかがり火とともに鎧を着た門番が二人立っていた。

門番「…何奴ッ!」

門番の兵士は槍を構える。


明らかに警戒されているのにも関わらずタルタロスはひょうひょうと話しかける。

タ「通してほしい。さっき怪しい奴がこの中に入っていったみたいでね」

門番1「何を!先程から我々は誰も通していないぞ!」


門番2「そうだ!ケイジ様が通るわけないだろ!」

エッ


門番2「あっ」


門番1含め一同「……………………」


ソ「……やれ、トルエノ」

ト『雷獣サンダー!!!』


門番二人「ギャアアアアアア!」

二人は感電して倒れた。

なんか名前つけてるけどもただ放電しただけだ。




タ「門番がアホで助かった。さ、中に入ろう」

タルタロスは鎖を輪の形にして壁に押し当てた。

すると穴が開いた。

マ「おお!そんな使い方もあるのね」

タ「あるんだよ。簡単に言えばド○えもんの通り○けフープ」

ソ・ラ「一気に分かりやすくなった…」


マ・ケ・ク・ト「…?」


中に入ると松明を持った兵士たちがたくさんやってきた。

当たり前だがケイジが知らせたのだろう。

タ「予想通り、悪魔はこの貴族と関わりがあるようだ。この兵士たちもあいつらが呼んだに違いない」

ソ「そうみたいですね。めんどくさいし、ここで片付けちゃいましょう!」

ラ「久しぶりの戦闘でございますね!我が竜魔法を見せてやります!」

ク「私も少なからず恨みもあるしね…」

マ「よくあんな数の兵士を見てやる気を出せるわね…まあ私もやるけど」


うちでまともなのはマインくらいかな…?


タ「それではいこう。目指すは本館の入り口だ!」

一同「オー!!」



ケ「よいしょっ…っと。思ったより時間がかかりましたね。みんな無事ですか?」

タ「僕に傷ができるわけないだろう?」

ラ「傷一つございません!」

ク「不意打ちされたけど、傷にならないわ」

マ「何この人達…」

だよな、おかしいよな。


ソ「よし!  ……じゃあ、で、どうするんですか?」

タ「だああ!考えてなかったのかい! そうだなあ。この屋敷の中に悪魔の気配を感じるし、こっちでいいんじゃないかな」

ソ「やっぱりそうしますか。じゃあクレーネ、ちょっとこっちに…」

ク「?」

クレーネはテテテ、と来てくれた。かわいい。

ソ「良いか、ごにょごにょごにょ…」

ク「ええ、ええ、わかったわ。じゃあ行ってくる」


ラ「主?クレーネはどこに?」

ソ「内緒さ。早く中に入ろう」


魔法で鍵を開け中に入った。

すると中から紫色の濃い煙が噴き出してきた。


マ「ブハッ…霧が  すごい!」

タ「やはりケージと貴族はグルだったんだね。ここまで霧が満ちているのに誰も出てこない…誰も死んだと思えない 。えーと貴族の名前は何だったんだっけ?」


ソ「領主の家名はグルガンベルグ……だったはず…はい」

なんかドイツっぽい名前だな……

聞いた名前に明らかにタルタロスは反応した。一瞬ビクッとしたが、うーんと悩むと笑顔でこちらを見た。

タ「グルガンベルグ…なるほど。わかってきたぞ!さ!早く最上階に行こう!」

何かしら問題が解決したのはわかるが、ぴょんぴょんはねてタルタロスは奥へ進んだ。


奥へ行くと暗い廊下の灯台に火が灯った。当然だが、バレたのだろう。霧を払いながら歩いているのだから。


「金髪の子供に青い髪の竜人女!! 後の二人は知らんが多分グルだ!」

おそらくこの館の使用人だろう。その叫んでいるのが聞こえる。

ソ「あ」

ラ「どうしたのでございますか主?」

ソ「姿隠すの 忘れてた。ごめん!(笑)」

ラ「主ぃ~~~~!!」

ト「……』

ケ「ガッツリ見つかってますねこれ」

タ「あはははは!どっちみち追われることになるさ。早くやっつけよう。さっきの兵士がヤワすぎて足りなかったんだ!」

タルタロスだけフォローしてくれる……ま、全部オレが悪いんだが。


ボーイと思われる男性が短剣を持ち襲いかかってくる。

タルタロスは鎖を足元に引っ掛けて動きを止め、ラコンが剣をはたき落とし相手の肩を掴んで後ろに投げ飛ばす。

ねえ。なんかゴキッと音がしたけど大丈夫だよね?


後ろから来た槍を持ったメイド、だろう、が来たのでトルエノが飛び出てひるませた後ケイが刃を落とした剣で打ち気絶させる。みねうち、だ。若い女性だし、怪我させるのも悪いし。


隠れていたやつが居たのだろう。応援を呼べー!という声が聞こえた。

タ「……呼ばれてしまったようだね」

タルタロスはのびている二人をグレイプニルから出した安い鎖で動けないように縛っていた。ん?

ソ「なんか変な結び方してません?ぐるぐる巻きにすればいいじゃないですか」

タ「何言ってるんだい、男女だからこーいう結びかたしないと。無理にほどこうとすると食い込むように…そして向かい合わせになるように……触れ合う面積を多くして……」

ラ「なるほど……こうすれば主ともっと……」

ソ「やめてよ?」

タ「教えてあげようか?」

ソ「教えないでください!一番被害を受けるのは俺なんですから!」

トルエノ『あのー、盛り上がってるけど応援が来たぜー。早く武器構えて進んだほうがいいんじゃねーか?』

タ「あはは。そうだね。上へ行こうか!」


迫り来る霧をタルタロスが鎖で払い、俺が光魔法で照らしながら進んでいく。

最初神眼で見てわかった内部構造を頼りに上へと進んでいく。しかし、妙だ。

途中、何人か使用人がでてきて襲ってくるのだが、()()()()()()()()()()()。こんなにも濃い霧があるにも関わらず攻撃してくる。正気で。おかしい。

さらに言うと霧も漂っているだけだ。街のときみたいに向かってこない。ただそこにあるだけだ。これは……


ラ「広い!無駄に広すぎでございます!」

ラコンが文句を言う。階段がうざいらしい。わかる。それに使用人の撃退も任せているからな。疲れてきただろう。

タ「それはここが貴族の館だからさ。広いにきまっている。だが、もうそろそろだろ?」

ソ「ええ。最上階の部屋には悪魔ケージと領主の息子がいるようです。名前は…確かミランダ」

タ「おや?領主は居ないのかい?」

ソ「えー…そのようです。病気で療養中でこの館には居ない、と」

タ「ふん。なら結構。それで悪魔がいる部屋の前に罠とかないかい?ここからでもわかるだろう?」

神眼は魔法を組み合わせれば透視もできる。……ふむ。


ソ「隠しているようですが、大したセキュリティはありません。罠もミエミエのものです。強行突破で行きましょう!」

タルタロスはため息をついた。

タ「神眼はほんと便利だなぁ。僕も欲しいよ」

タルタロスは神眼を持っていない。グレイプニルという恐ろしい力を持っているためこれ以上強くなるなということらしい。

タ「じゃあ突入だ!」



最上階はパーティー用の部屋であるのだろうか。ガラスの窓がいくつもあり月の光が部屋の中を照らしていた。

タ「またこのパターンか」

また?

タ「逃げないで誘い込んで一気に殺すつもりかな?貴族ゆえのプライドなのかな?」

ラ「むぅ。暗いですね。主、明かりつけて頂けないですか?」

ドアは鍵も掛かっていなかった。中は真っ暗で何も見当たらない。おそらく居るには居るんだろうが見えない。

ソ「ああ。光魔法、ライ……」

明かりをつけようと魔法を使おうとした瞬間だった。


足元に光る魔方陣が現れた。これは!

ソ「クソッたれ!!」

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