偏差値36 触手との戦い
???「ははは!捕まってくれて嬉しいよ!」
ソ「誰だ!!」
すると触手の陰から黒いフードをかぶった一人の男が出てきた。
???「くくく…名乗るほどの者ではないが名乗らせてもらおう。俺はハアク、召喚士だ」
ソ「…ハアク!なんでこのようなことをする!俺たちはお前に何もしていない。そもそもお互い知らないはずだ!」
ハ「何もしていない…?そうだな。確かにお前たちは俺に何もしていない。だが、それ以上の問題がある」
ラ「…そうだ!主!こいつ宿にいた客でございます!」
ソ「えっ!?」
ハ「くっくっく。そうだ。さっきの宿に俺も泊まっていた。お前たちの隣の部屋にな」
ケ「とはっていた?はからおうひた!(泊まっていた?だからどうした!)」
ん?うまく喋れてないぞ?
それどころか力も入らない。クソッ!
ハ「……そろそろ効いてきたか。この触手の粘液には毒があってな。痺れてきたはずだ。もうお前は動けないだろうな。しゃべって時間稼ぎをしてよかったよ」
ソ「クッウホッ!」(クックソッ!)
あ、もうこれ喋るだけ無駄なやつだ。黙っとこ。
ハ「お前達は男一人に女三人!!昨日の夜いちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃしやがって!!!!どうせ楽しんでいたんだろう!」
あっ……普通にごめんなさい。うるさかったですよね。
マ「それの何が悪いのよ!!」
痺れかたには個人差があるのか。マインはまだ喋れるようだ。
ハ「悪いもクソもないわ!!一夫多妻が許されていると言っても男1人に女3人。羨ましいし恨めしい!!この俺様を怒らせた罰だ!!身動きできないままて目の前で女どもを犯してやる!!!」
バ「何!?…グゥッ!」
バンクさんは触手によって地面に投げつけられた。だが痺れたのかピクリとも動かない。死んでいないよな。無事であってくれ!
御者は置いといてやろう。無関係だからな。しかしお前だけは許さん」
あー、キレてるな。こいつ。思いっきり俺を指差している。
ハ「ちょっと顔がいいからって調子に乗りやがって!若いくせに女3人、しかもピチピチの若さで美人なのをはべらせているのは絶対に許さん!お前の目の前で犯してやる!自分の女が他人に犯されるところを見るがいい!」
触手は何かのモンスターの一部なのだろう。地面に描かれた魔法陣から十本ほど生えている。すると俺は触手ににぎられたまま地面に降ろされ、男は俺の前に立って得意そうにそこで見ていろとお笑いながら俺を見下ろした。
情けないことに魔法が使えない。反撃できればかっこいいが魔法だって体が動かせないと使えないものだ。念じてできるようなものではない。
おそらくこれは神経毒。まあ顔の筋肉が動き、呼吸はできるレベルだが体の筋肉は痺れていて力を入れようにも入れられない。ケイにやってもらっても変わらない。
ハ「さてとー、誰からしようかな?」
ハアクは触手を動かしマイン、ラコン、クレーネの順にならべた。マインとラコンは悔しそうに男を睨みつけているが、クレーネはうつむいている。何かあったのだろうか。
ハアクが物色しているとマインが叫んだ。
マ「最低!不意打ちでいきなり竜車ごと落とすなんて!」
俺は不意打ちであんたらに夜襲われたことあるんだけどね。
ハ「何とでも言いやがれ!まずは元気なお姉ちゃんから行かしてもらおうか」
俺から見えないがゴソゴソと……マインたちの表情から察するに、出したようだ。
ハ「これを舐めてもらおうか。歯は立てるなよ。俺に逆らったら、あの男を握りつぶす」
最低な奴だ。
矢が刺さったのを反省し服には破かれないように強力な防護魔法をかけた。多分副作用でこの服を着ている限り潰されるということはないだろうが。この触手の力が予想外だったら……
マ「フン!小さいわね。ケイの方が大きかったわよ。形も立派だった。あんたよく見たら顔も良くないし、モテないんじゃないの?」
俺から見えないが物が小さいらしい。確かにケイのは大きかったな。
ケ(なっ!普通です普通!…でもマインがほめてくれるのはうれしいな。)
ソ(あっ、照れてやんの)
ケ(てっ照れてませんよ!)
ハ「グッ……ひとが気にしていることを!!転がっているあいつより俺の方が気持ちいいってことを!俺のテクでわからせてやるよ!!」
こいつ童貞か?←数日前まで童貞だった人
男が叫び無理矢理突っ込もうとした瞬間、マインとラコンは掴まれた触手ごと地面に落ちた。
クレーネの姿が無い。
ハ「ちくしょう!なんだ?」
何かが横切った。俺の後ろに地面に降りる誰かの足音がした。
ク「おとなしく黙っていたら、どんどんどんどんどんどん!ソウタの悪口を言って~~!アンタがモテないのが悪いんでしょ!!アンタのよりソウタの方がが100倍、1000倍……いや100000000倍気持ちいいわよ!」
怒るとこそこォ!?
……じゃない、抜け出せたのか、クレーネ!
ラ「脱出できたのでございますね!クレーネ!」
マ「ありがとう!クレーネ!」
ラコンが触手に掴まれたまま叫んだ。
ク「ふふ、いいってことよ!それよりこいつよ!」
ハ「なんで抜けられたんだ?体液で痺れさせてちゃんと掴んでいたはず……?どういうことだ?ありえない!」
あの、ちょっと怒る前にソレをしまってくれませんかね。出しっぱなしですよ。モザイクかかりますよ。
ク「なぜかって?私は水の精霊ウンディーネ。体は水でできているの。捕まったときは驚いたけど、触手の毒も集めて抜くことができるし、体の形を変えられるから抜け出すなんて朝飯前よ!!」
よくやった!!ていうかもっと早く抜け出して欲しかった!!!あと俺も助けて!!斬れてないよ!俺の触手だけ!!
ハ「水の精霊…??人間じゃねぇのか。何だかわかんねえが、また捕まえろ!」
と言うやいなや触手はクレームを捕まえようと一斉に飛んでいった。
だがクレーネは両手から細い水でできた刀を出し、襲いかかった触手は瞬時に切り裂かれた。
あたりに紫色の触手の破片と黄色い体液が飛び散る。汚い。
ク「この触手、細いし柔らかすぎる。これは不意打ちじゃなかったら大したことはできないわね」
ハ「クソッ!」
ハアクはわなわなと震え、拳を握りしめた。
キレるの早っ!
男は魔法陣に手をかざし、追加の触手を何本も出し、クレーネに向かわせる。あの、俺の触手も早く切ってくんないかな。
ク「まー、さっきよりは早いかしらね。でも」
クレーネの水の刀は目にも留まらぬ速さで切り刻んだ。触手は切られると言うよりも、どんどん削られているように見える。
強い。……?あの技どっかで見たような……デシャブ感が……???
ク「…………さて、と」
クレーネは触手を切り刻み終わると体液を払って、俺の方に向かって水の刃を投げた。
くるくると回ったそれは、俺を掴んでいる触手を切り裂き、俺は解放された。動けないけどね。
ハ「……なんでだ。俺の触手は今まで一回も失敗したことないのに!」
ハアクは頭を抱えて怯えている。そりゃそうだよね。召喚士は召喚しか能がない。使える魔法は弱いものばかり。それで切り札の触手があっさりとクレーネに切られちゃうんだもの。俺でも怖すぎてビビるわ。
ク「あー、そんなこともわからないの?あなたの触手。何のモンスターなのか知らないけど弱すぎなのよ。力は強いし毒もあるから捕まえたあとはいいんだけど。動きはそんな早くないし、こんな水の即席の剣で切れるほど柔らかい。どうせ今までも不意打ちでいってたんでしょ?」
ハ「ウッ…」
ク「確かに不意打ちだと強いわ。ソウタもやられてるし、私も脱出するのに苦労したわ。力だけは強いからね。だけど抜け出したらもう敵ではないわ。ただの肉の塊ね」
ハ「………………」
図星を刺されたようでハアクは何も言い返せないようであった
。
ハ「…るせー!このっ!大人しく捕まっていろ!」
ハアクは触手の切れ端から抜け出そうともがいているラコンに目をつけた。
ハアクはすばやくラコンの髪を掴むと
ハ「ヘッ!もう1回触手を召喚する。それも切りやがったら、この女をすぐに犯してやる!!嫌だったら抵抗せずに捕まるんだな」
そこは普通、殺すじゃないのか?
違う違う。クレーネ!
クレーネの方を見ると少しも脅しを恐れず、ため息をついて、
ク「本当に最低ね。そんな脅しが効くと思って?」
さすがクレーネ!全く動じない。
クレーネは水の刀を合体させ、槍の形にした。
ハ「何をしている!動くんじゃねぇ!!」
ハアクはラコンの服をつかみ身体を持ち上げた。
ラ「わ、我の…体に…さわ…な!」
ラコンも抵抗しているが、麻痺していて上手く話せず、動けていない。
ハアクはラコンの服を脱がそうとした時、
ク「私の仲間、いいえ、家族に手を出すなんて許さない!魔法!水霊の鋭槍!」
ハアクから10メートルほどの距離から槍を投げた。
ハアクはとっさに残りの触手で防いだが、槍はそれを貫通し、男に命中した。
ハ「グフゥッ!」
貫通はしなかったが、男の胸に当たった。水が勢いよく飛び散る。
ラコンから手を離して、後ろに倒れた。しばらく男は胸をかきむしってもがいて苦しんでいたが、やがて立ち上がり。
テメェ!と威勢よく叫んだ。
しかしまだ終わらない。目の前にクレーネが立ちふさがり、
ク「あなたの顔は二度と見たくない。私たちの前にもう現れるんじゃあない!!!」
ハ「ヒィッ!」
クレーネの上に水の塊が現れると、大きな拳の形になり、
ク「この…最低男!!」
その拳骨たちとともにハアクを思いっきり殴り付けた。
ハ「グゴワァア∂‰♂〒仝$æøõêヌáłżζχγ(=Θ=)λώラFum3ό!!!!!」
ハアクは叫び声になっていない叫びと共に、ボクサーに殴られるサンドバッグよりも酷い状態になっていった。。
一つのこぶしに殴られると飛んでいく先に違う拳が待ち構えており、延々と殴られている状態だ。拳はぐるっと囲むように配置されており、逃げようにもにげられない。
簡単に言うと3Dのピンボールである。
すごいな。こんな魔法が使えるなんて。これだったら魔力が切れるまでずーっと殴っていられる。
ク「このーっ!とんでけーっ!!」
拳になっていた水を集め、ハアクを高く投げたあと、大きな手で男を掴み、どこかへブン投げた。
いやー。酷い扱い。多分死んだな。マインたちにあんなひどいことしたんだし当然だがな。
ク「…ふうぅ一。ー件落着!」
散々殴って満足したのか。手をパンパンと叩いたあと笑って空を見上げていた。
ク「大丈夫?動ける?」
ラ「む……我はちょっとなら……」
マ「私は全然無理。立ち上がれない」
クレーネだけ動けるので、マインとラコンの救出をした。
竜車を元に戻し、若干パニックになってる竜馬を落ち着かせ、近くの木につないだ。
クレームは毒を消すための精霊水を手から出し、動けないマインとラコンに飲ませた。その後、竜車の近くの木の根元に座らせた。うん。毒が抜けるまでそうした方がいいだろう。
次に、投げつけられたバンクさんの所に行った。気絶していたようで竜車の中にあった気付けの酒を少し飲ませ、同じように毒消しの精霊水を飲ませ木の幹に座らせた。
幸い近くに空き地があって良かった。
最後に、俺たちのところに来た。俺達が一番麻痺していてどうやら狙って毒の量が一番多かったようだ。男は黙らせて女を楽しもうっていう寸法か?
まともに話すことすらできないのでそれに気付いてくれたクレーネは俺を担ぐと竜車の中に俺を置き、扉を閉めた。
何をする気だ。
ク「私の水は触れた部分の毒を浄化するの。だから………」
そういうとクレーネは顔を近づけ、柔らかいものが口に触れた。
そしてザラザラしたものが入ってきて俺の舌と絡み合う。水の音がするがこれは水が口の中に入ってきているのだろう。違うものに溺れそうになりながら少しずつ飲んでいった。
きっと十数秒なのだろうが、何時間にも感じられた。
クレームが口を離すと糸が引いた。
ソ「……クレーネ、ありがとう」
ク「うぅん……」
昨日の夜とは違い、今のクレーネは情熱的だった。薄暗い竜車の中。
クレーネの白い頬が赤く染まっている。色っぽくてとても愛おしい。
ク「ねぇ……ソウタ……」
クレーネは俺の名前を呼ぶと俺の胸に顔を埋めた。
どうしたのかと思っていると
ク「……ヒック……ヒッ………グス…」
…………………
ソ「……ごめんな、クレーネ。あんなやつと一人で戦わせてしまって。怖かっただろう。」
クレーネは顔を埋めたまま答えた。
ク「うん…怖かった。ヒック……怖かったよおぉぉ……」
そりゃそうだ。全然知らない男が急に襲ってきて、しかもクレーネ達を。
日本だったら重罪だ。そんなやつと一人で戦わなくてはならなかったクレームの怖さは計り知れない。
幸い召喚士だったため魔法を使ってこなかったから勝てた。
しかし強敵だった。もしクレーネが戦えなかったら。
ソ「ありがとうクレーネ。助かったよ」
クレーネの両手を握っていたからなのか。さっき飲んだ水のおかげなのか。手が少し動くようになった。
それでクレーネの頭を撫でた。
安心したのかクリーナーは泣き止んだ。うれしいのか頭をこすりつけてくる。
ク「ねぇ……ご褒美ちょうだい」
ソ「………いいよ」
頑張ったのだ。それぐらい構わない。
ソ「どんなご褒美が欲しい?食べ物?服?」
ク「私……ソウタが欲しい」
ソ「!!!」
ク「昨日はマインとラコンと三人でわけあいっこだったけど。今だけは私のものになって。私だけ……見て?」
涙でうるんだ顔でこのように言われたら、断ることなどできない。
それにさっきのキスで俺も……
薄暗い竜車の中、俺とクレーネは………
道端の小さな花は、風に揺らいでいた。
もうちょっとで200Ptなんですよねー
これからもよろしくお願いします





