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偏差値70は最強じゃない!  作者: 鮫の歯
序章 始まりの村
32/56

偏差値24,5 サブ 義妹と義兄

 東京、とあるゲームセンター、


多くの客で賑わうこの店の奥でレトロなアーケードゲームを楽しんでいる女の子がいた。


タンッ カキッ! タタタ タンッ! カカッ カチカチ…


慣れた手つきでボタンとバーをあやつる。

キラキラの髪飾りのサイドアップ、何かのゲームキャラがプリントされたTシャツを着ている。


プレイヤー名は「パンドラ」

二時間以上同じゲームをしている。


「よしよしよし……こい!来た!行けぇ!」

まるで周りが見えていない。大きな独り言をいいながら画面に集中している。


後ろから一人の青年が近づいてきた。

「コーラ!」

「あだっ!……あ~~~~!!!!!」

青年はその女の子の頭をチョップした。

ゲーム画面には[You Lose!]


「もー!何なのよ!あんたのせいで負けたじゃないの!」

女の子が文句を垂れながら振り向くと、

「やぁパンドラ!」

「げ。お義兄(にい)様……」

笑顔のイケメンが立っていた。




「う~~」

「やはりこっちの世界にいたんだね。パンドラ」

透き通る青色の髪の青年はクレーンゲームを操作しながらいった。

「なんでわたしのいるところがわかったのよ」

パンドラは隣に立って不満げな顔をしている。

「それは君に発信機をつけているからさ」

プロメテウスは振り向かずに答えた。


「え!どこ!いつの間に!」

「はっはっは!嘘だよ!なに、かわいい義妹の考えることなどすぐわかるさ、よっと。ほら、欲しがっていたぬいぐるみ、とれたよ」

プロメテウスはいとも簡単にかわいいキャラクターのぬいぐるみをゲットすると機嫌の悪いパンドラにわたした。


二人はジュースを飲みながら空いていたカードゲーム用のブースに座った。

「さすが知識の神ね。クレーンゲームの攻略法までしっているなんて。」

「ははは、侮ってもらっては困るよ。前来た時パンドラが欲しそうに見ていたから学んで来たのさ」

プロメテウスの右手にはあのあとクレーンゲームで取ったお菓子が袋一杯にあった。


「それで?何の用?わざわざこっちの世界に来てわたしに会いに来たのはただ研究者を探しに来たんじゃないんでしょ?」


「うん。率直に言おう、ソウタ君のことだ。」

空気が変わった。

「あらもう会ってきたの?」

「このまえ会ってきた。彼はいい子だね。」

「そうよ。わたしが選んだのだからいい子に決まっているわ!」

ドヤ顔。


「確かにいい子だが、少し真面目すぎるんじゃないかな。憑依先のケイ君も努力家だ。」

「あら?真面目でいいじゃないの。わたしが日本人を選んだのも真面目な子が他の国より多いからよ?」


「まぁ認めよう。日本人は職人気質で何でも極めようとするからな。だが、無理をしやすい。」

持っていたジュースの缶を置いた。


「そうね。ブラック企業が多いわ。幸福度も低いし」

「うん、神眼でみたらソウタ君もそういう性格だ。ブラック学校で鍛えられたから精神力が強い。だがナイーブな面もある」


「そ、そうかしら?」

「パンドラ、君が転生させたのだからちゃんとアフターケアもしなさい。今までの転生者も何人か君が世話をしないから堕落した。今回はそうなるわけにはいかないだろう。」


「…………。」

パンドラはうつむいた。

「まあメンデルにもちゃんと精神面のケアと診断をするよう言っておいたし、同じ日本出身のカグツチたちが居るから大丈夫だろう」

「ちゃんと他の神にも頼んでいるわよ。今回の転生は今までと違うって」

「わかっているさ。君が忙しい仕事の合間に頑張っていること。だが少し君の世話が足りないと思う。ソウタ君の魔力が多すぎて体の魔力統制系が少し傷ついていた。気づいていたかい?」


「・・・!」

「まだケイ君の体に馴染みきっていないんだ。この前そっと治しておいたが、放っておいたら暴走していたぞ。」

「……ごめん。」

「そんなに落ち込むな。危機感を持ってほしいということだ。転生の時魔力が漏れ出ないよう君がしたのだろう?だがアフターケアをしないと。時々ソウタ君と会って………いわば体のメンテナンスをしなければならない。私が行くより君がやったほうが良いだろ?」

「………そうね。わかったわ。」


「理解してくればいい。今回のようなケースは初めてだし、慣れないことが多いと思うが、私も協力する。しかし自分でできることは自分でやりなさい。こうやって遊ぶのもいいが仕事も忘れずにね?」

「わかったわよ、お義兄(にい)様。」


「ああ、あと言い忘れていたが予知でアイツ、確か名前が……ほら、冥界の……」

「あータルタロス?」

「そうそう、タルタロスがソウタ君と会うのを見たよ」

パンドラはジュースを吹き出した。


「アイツが!?」

「詳しいところは見ていないが一方的に仲良くなっていたな」

「ッハァー!あのオカマ野郎が!」

「オカマではなく少女、だろう?」

「いや中身はアイツ男よ。好みを聞いたらかっこいいものばかり言うんだもん!」

「だが神眼では女、と……」

「まあいいわ、ソウタくんと会っちゃうのか~大丈夫かな~?」

「君よりはタルタロスの方が年上だし、大丈夫だろう。」

「~~~~でも………まあなるようになるわ」


「管理神らしくないね。まあいいや、そろそろ私は帰ろうとするかね。スキエンティアに連れていきたい科学者も何人か見つかったし。」

「もう行っちゃうの?じゃあわたしと一回ゲームで対戦して!」

「……………すまない。考えていることがわからないのだが。」

「神眼を使いなさいよ!さっき殴られていいところで負けちゃったのよ!その代償に勝負よ!」

「……良いだろう。日本のゲームなら攻略法は全部知っている!わたしに勝てるかな?」

「フン!いくらお義兄(にい)様でもここ10年ゲーセンに通っているわたしに勝てるわけ無いわ!」




その後パンドラが負けまくったのは言うまでもない。



今日中にもう一話更新しま~す


毎週更新していくぅ!

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