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偏差値70は最強じゃない!  作者: 鮫の歯
序章 始まりの村
31/56

偏差値24 魔王VS転生者

6000字程。です。

「そうそう、そこでためた魔力を…」

今カグツチさんにいつもどおり魔法を教えてもらっている。昨日あったことはまだ言ってない。

いくらサキュバスでも誘惑するだけならまだしも、人を操りけしかけるのは許せん。

しかもまだ12歳のマインまで……………


「ソウタくん、聞いてる?」

「あ、はい!こうするんですよね?」

「うん、合ってるよ。それで、ここの合成なんだけど………」


問い詰めるタイミングを逃さぬようリリエールさんが来たらすぐに行って問おう。

カグツチさんの授業を中断するのは申し訳ないが、こっちを優先する。


まだラコンとマインは来ていない。

ラコンはメンデルさんの畑仕事を手伝っていて、

マインも家の仕事を手伝っていて少し遅れるそうだ。





窓の外が光った。

この光は………召喚魔法陣の色。

つまりリリエールさんが来たってことだ。

俺は席を立ち、扉を開けた。

「カグツチさん、すみませんちょっと外に行ってきます!」

「え、えちょっとソウタくん!」

俺は手紙を残して外に走り出た。

手紙には昨日あったことを書いておいた。

カグツチさんは優しいし、リリエールさんが少し苦手みたいだから多分話したら俺を止めるだろう。



「あら~?ソウタくん走ってきてどうしたの~?」

とぼけているな。

「リリエールさん!昨日マインとラコンに催眠を掛けましたね?」

「ならどうしたの~?」

ニヤニヤ笑っている…………確信犯だ!!

「その分の報復をさせてもらいます! 魔法!!10連(セポト)・ファイア!」


「あらあら~~元気ねぇ~?でもぉ~~?」

右手を振り払う。

「くっ……」

全弾片手で弾かれた。魔王だし当たり前か。

「お返しよぉ~~グラン・ファイア!」

「………っ!!」

早い。魔法障壁でふせいだが真っ赤な火の玉が俺の3倍の早さで飛んできた。さすが魔王だ、魔法の熟練度が違う。


「砂煙!」

辺り一面の大量の砂を巻き上げた。

「!! 目くらましねぇ~?」

リリエールは袖で顔を隠した。

魔王相手に砂の煙が効くかわからないが、やってみよう。

こちらは神眼で位置がわかる!


……よし!懐に入った!ケイ!

「身体強化!十連脚!」

身体強化して蹴る!……手応えがおかしい……魔法障壁か!


「うふふっ 魔王を足蹴にするとはいい度胸ねぇ~? フンッ!」

!うわぁっ!

リリエールさんが力を込めただけで……吹き飛ばされた。魔法……ではない?

「ぐっ…う…………うう」」

地面を転がり、なんとか体勢を整えた。

「今のが"魔王"のオーラよぉ~~濃い魔力圧にあなたの体は飛ばされたのぉ~~」


「魔力圧…?」

「あなたの魔力量は相当なものねぇ~でも~魔法以外の使い方がわかっていないわ~~?」

魔法以外…

「…うるさい!五彩連星!」


火、水、風、土、光の五つの属性の弾を発射する。一つ一つ操作できるのが長所だ。

全方向から包み込むように!


「あらあら~こんな繊細な魔法もつかえるのね~~」

「!!」

リリエールさんは広い魔法障壁を出し全て弾いた。

くそっ厚い壁をはるもんだなぁ!


「うーんまだまだねぇ~~質はいいけど技の強さが中途半端だわ~~」

まだ習いたてだからな。魔力量のおかげで通常の五倍程になっているが所詮ごまかし、魔王には通じないか。


「あらあらそんな怖い顔をして~そこまで怒っているなんて昨日二人は失敗したようねぇ~~」

こっち失敗してよかったわ!あやうく喪失するところだったんだよ!


「まあいいわ~~気のすむまで付き合ってあげるわよ~~魔法土固め!尖岩突き!」

「うおおぉ!」

空が曇ってきた。




「ふーむ。ソウタくんは苦戦しているね……」

カグツチは校舎の一回から戦いを見ていた。


「ハァッ ハアッ ハアッ カグツチさん!遅れてすみません!」

「お、来たか。おはよう!マインちゃん!」

目の前で激しい戦いが繰り広げられているのにもかかわらず呑気に挨拶をした。


「おはようございます。きたか、って……なんでソウタとリリエールさんが戦っているんですか?」

「うーんなんと言えばいいか………あ!ラコン!おはよう!」

「……おはようございます。あの、主は?」

「う~ん まあ二人に関係があることなんだけど……」


「あ、やっぱり昨日のことでございますか?」

ラコンとマインはやはり、という顔をした。

「え?ラコン、覚えているのかい?」

「覚えているも何も、ソウタは何ていったんですか?」


カグツチは手紙を二人に渡した。

「これ。私に邪魔をされたくないのか、手紙を書いてきたんだ。」


手紙を読んだ二人は青ざめた。

「………!!! これはマズいよ!」

「!!主は誤解をしております!」

「誤解?君たちは催眠にかかっていたんじゃ……」

「それがちょっと違うんです。実は…………」




雨が降り始めた。

「ハァ、ハァ、ソウタくん、やるわね。」

「ハァ…ハァ…リリエールさん、あなたも………」

魔法の撃ち合い、殴り合いをするがお互い互角で埒があかない。


リリエールさんが後ろに下がった。

「少し距離をとるわ~~アタシの下僕を紹介するわ~、魔樹、斜木老(しゃもくろう)!」


リリエールさんが手を二回鳴らすと召喚魔法陣が現れた。

中から人型の……木?が出現した。茶色くて枯れている感じ……割れ目が何となく顔にみえるが…

斜木老って何だ?  賢神眼!


[斜木老(しゃもくろう) 下位モンスター  立ち枯れた木に魔力が宿り意思を持った。言わば木のゾンビ。動きが遅いが元の木によって強さは変わる。]


ふーん。


「……を4人呼ぶわ~!」

よ、四人!?

パンパンと手を叩くと追加で3人出現した。

「キギ……ギシッ…」

木のきしむような声を出しながら襲いかかってきた。

重さを利用した腕の振り回しをしてくるだけだから簡単に避けることができる。


おかしいな。こんな弱いモンスターをわざわざ召喚するのだろうか。


リリエールさんが笑っている?

「ごめんなさいねぇ~?ひとつだけ嘘をついていたわ~」

「……!!」

嘘だと?


「一人だけ、生木老(せいもくろう)なのよ~」

「なんだっ……がっ!」

地面からツタがのびて足を掴まれた!

…いや根っこ?


生木老だと?

………本当だ!ひとりだけ違う!


[生木老(せいもくろう) 上位モンスター  生きている木に大量の魔力が宿り動けるようになった。斜木老とほとんど見た目が変わらないが、ツタや根を使った高度な技を使う。火が効かない。]


なるほどね。騙すにはもってこいだ。

「そしてこの子は特別よ~?根っこで魔力を吸いとることができるのよ~?」

何だって?


「うおっ!」

持ち上げられて転ばされた。起き上がろうにも足の感覚がない。チッ雨のせいで泥だらけだ。

チャンスだとみて斜木老がやってくる!

(ソウタ!来ますよ!)

(わかってる!)

とりあえず、

「魔法 エアナイフ!」


っと。根を解いたのはいいが、

「ギギッ!!」


他の斜木老が邪魔だ。

雨で少し威力が落ちるが……

「魔法 ストシン・ファイヤ!」

火力高めだ!


「ギ? ギイイィィ!」

よし、命中。動きが遅くて助かった。

情報通りよく燃えるなー枯れた木だからか。


問題は生木老だ。生きた木だから中に水分があって燃えない。ゲームのように木の敵は火に弱いというわけではない。


だが火を恐れ近づいてこない。斜木老が燃えている間に……!

リヒールで魔力を足に流して、と。


「ギギギ!!」

痛っ!

何か飛んできた?  葉か。縁に稲科の植物と同じケイ素の微少結晶がある。

なるほどちょっとしたナイフになっているのか。


「魔法 エア・シア!」

空気をさらに圧縮し、エアナイフよりも植物を伐ったり毛を刈ることに特化した魔法だ。これでどうだ!


「ギ………」

やはり強度は普通の木。

手のように使っていたツタや枝は全て刈り取った。

……再生しようとしている。早く本体を倒さねば!ケイ!頼む!


「はい!身体強化!体重をかけた~ヘルキック!」


ドン!


「………。」

え?

効いていない?いや、少し足跡がついただけ。折れないだと?

生木老はニヤリと笑う(?)と再生した太いツタであっけにとられている俺達の腹を蹴りとばした。


「うぐっ!」

今日は吹っ飛ばされることが多いな……

くそっ力は十分だったはず。岩をも砕く蹴りがなぜ効かない?胴体だけ他より堅いのか?


(ソウタ!賢神眼で弱点を探してみてください!)

(!!!そうか、もしかしたら!)




見えた! 口の左下約20センチ!

「そこですね!ハアッ!」




「ギィ………ギ………………」

折れた!ここだけ脆い!そして……


「見つけました!魔石!」

魔石はモンスターのいわば心臓。とってしまえば大抵のモンスターは死ぬ。

ケイが割れ目から取り出すと生木老はただの木に戻った。


「やりましたね!」

(おう!)




はっ!リリエールさんはどこに!

「こっちよお~?」

声をした方を見ると、

リリエールさんは宙に浮いていた。


「ふふっ倒すのに随分と時間がかかったわねぇ~?その間に、1つ魔法を唱えさせてもらったわ~!」


魔法……?

「今日が雨でよかったわ~……見えにくくなるからねぇ~?」


見えにくく……あっ!

上空に光るものが……こっちにくる!


「ものを擦ると熱くなるわよねぇ~?岩を落とす、もっと上から、落とす。どうなるか、ソウタくんはわかるわねぇ~?」

「!!」


岩は空気との摩擦熱で燃え始める。

つまり、リリエールは隕石を落とそうとしている!

(隕石!?)


「くっくっく……大魔法! ファイアーメテオ!」


くっ逃げたとしても地面に激突したときの衝撃波が来るだろう。それは避けられない。

下手にかわしても、カグツチさん達がいる方に落ちかねない。だがまともに受けきれるわけもない。


「さぁ~どうする~?あと10秒ほどで落ちてくるわよ~?」


(ひい~!落ちてきますーー!!)

さすが魔王。非道な魔法で難しい選択をさせる。自分か他人か。


だがしかし、俺にはコレがある!



「広がれ、パンドラボックス!」

「…なんですって!?」


「来い、隕石よ!」


さすがリリエールさんだ。狙いが正確。

そして…………………………


「~~~~!!」


入った!かなり大きかったが入ったぞ!

パンドラボックスが拒絶するのは生きているものだけ。そして中の空間は持ち主の魔力量に比例する。(=無限大!)

岩みたいな無機物は余裕ではいる。



「まさか、パンドラボックスで……」

ありえない!という顔で口を開けたままこっちを見ている。

「さぁリリエールさん! どうですか?」


「……っ!!!」

顔が青ざめている。

「今の魔法でだいぶ魔力を消耗したようですね?なら今度はこっちの番だ!」


空が黒くなり、雲がチカチカと光り始める。


「えっ!?」

リリエールさんはゴロゴロ…という音に驚いて見上げた。

「ま、まさか……」


「そのまさかです。最初曇っていたのも、雨がふりだしたのも、全部僕の魔法です。戦う前からこの辺りの雲を集めていたんです!」


「そ、そんな……」


「普通はこんなことしながら戦えませんが、俺の魔力量ならできる!並行して魔法式を組み上げることも学んだ!さあ、昨日あなたがしたことを謝るまで許しません!」


「ひっ……!」


「神魔法! 天叢雲神立(アメムラクモカンダチ)! これが俺の怒りだ!」


「ごめんなさ~い!!!」


雷鳴とリリエールの悲鳴が響きわたった。





「あんっ!痛い! ソウタくんもっと優しくぅ!そこっ!敏感だからぁ……うんっ!感じるわぁ~!」

「静かにしてください!」

 別にいやらしいことをしている訳じゃない。リリエールさんを回復魔法で治してあげているだけだ。

いくら魔王といえど俺の怒りのこもった神魔法をくらえば大ダメージを受けるわけで。


最初息をしていなかったから死んでしまったのかと焦ってしまった。

賢神眼で怪我を分析し最適な治療法で介抱したのだが………


火傷がなおってきて調子に乗ってあんなことをいってふざけ出した。

「いたいいたい言ってますがリリエールさんがマインとラコンを俺達に精神魔法でけしかけてこなければよかったんですよ?」


するとリリエールさんは

「あら?アタシはそんなことしていないわよ?」

「え?」

「アタシはマインちゃんたちに勇気を出す魔法をかけただけよ~?何かアナタたちにしたいことがあるらしくってちゃんと実行出来るようアタシは背中を押しただけよ~?」


「ええ?」

どういうことだ?そういう催眠にかかっていたということ?


「ソウタくん!」

カグツチさんやマイン、ラコンが校舎から出てきた。


「ソウタくん、大丈夫かい?」

「ええ、まあ」


「ちょっと!アタシの心配は~?」

「別にリリエールは怪我なんてしないだろう?」

「し・て・る・わ・よ!今!」

「別に死なないし。」

「アタシ不死じゃないわよ?」

ちょっとひどいな。


「あの~ソウタ………」

マインとラコンが恐る恐る近づいてきた。


俺は笑顔で振り向き、

「え~と、二人は昨日のこと、覚えているんだね?」

「「え、は、はい」」


「つまり、催眠にはかかっていたけれど、それとは別に襲ってきたということだな?」


「「……………」」

二人とも無言でゆっくりとうなづいた。


ふぅ。

「なるほどね。」

誤解していんだな。

さてと、

「お、怒らないで!私達ちょっと歯止めがきかなくなったっていうか……」


「ソウタくん、話を聞いたけど悪気があったわけじゃないんだ。そんな怒らずに、ね?許してあげようじゃないか」

う~ん。


「ね?主?ちょっと、ちょっとだけやり過ぎたと言うか……ほんのいたづらのつもりと言うか…………」


なるほどなるほど。


「リリエールさん。今回あなたを誤解してました。これはお詫びです。」


「あら~~!!これはお肌を若返らせるスベヒール~♪」

「さ~てと。」

俺はマインたちの方を向いた。


「あ、あは…そんな怖い顔しないで……」

「カグシチさん、リリエールさん、にげてください。植物魔法 ルートロープ」


「ソウタくん?」

根でカグツチさんたちを避難させた。


「ソ、ソウタ……その右手に光っているのは……」


「今からの攻撃は全て俺、ソウタの責任だ。ちゃんと後で治療もする。」


「ひっ!」

たぶん今俺の表情はすごいだろうな。

「ただ、ケイには悪いことをしたと思っている。感覚共有を切っとけ。」

(ソウタ…?)


「いや~だってさ、私達も……」

「言い訳無用。お前達の気持ちはわかった。理解した。行動も早かった。評価しよう。だが、男だろうが女だろうが相手を襲うのはいけないことだと思っている。」


「で、でも……」

二人とも少し涙目になっている。

「人に嫌なことをしてはいけない。まだ俺たちには早すぎる。今後適齢になったらにしよう。今回は早とちりした俺も悪い。皆で罰を受けよう。 爆発魔法! リートエクスプロージョン!!」


「ごめんなさ~~い!!」


二人の悲鳴と爆発の音が雲ひとつないカラッと晴れた空に響きわたった。


続く。


明日も更新しますのでできればブクマして待っていてください。

おそらく明日と5/1、あと来週の土日に更新します。


ブクマ+評価=作者のモチベ

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