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偏差値70は最強じゃない!  作者: 鮫の歯
序章 始まりの村
25/56

偏差値21 メンデル ゲーム

お久しぶりです 読んでくれる方々に感謝。

メンデルさんに案内されて地下室の前に来ると

「お願いですからおとなしくしてください!」


「うるさいうるさーい! 我の好きなようにさせろ~!」


・・・ラコンの声だ。どうやらラコンは監禁されているとかではなくこっちが迷惑かけているようだ。


「疑ってすみませんでした。むしろすみません、メンデルさん。うちのラコンが。」

「いやいいけど・・・この通りでね、昨日家を案内したときに、ゲームが見つかってね、やりたいというから教えたら案の定ハマってね。でもね・・・」


「でも?」


「みたらわかるさ・・・」

メンデルさんが地下室のドアを開けると、


「あ、主!」

コレンスさんを羽交い締めにしているラコンが居た。耳にはヘッドホンをして部屋には焦げた跡が何箇所かあった。

「こら!ラコン!コレンスさんが痛がってるじゃないか!放しなさい!」


「いてて・・・」

「すみませんコレンスさん。ほらラコン!コレンスさんに謝りなさい!」

「うう・・・ごめんなさい。」

揉み合って擦り傷ができていたので回復魔法で治した。




「えー・・・で!なんで暴れて傷んだらラコン!」

「だってこいつが・・・」

ラコンはパソコンの画面を指さした。

そこにはFPS系のゲーム画面と共に


『こんなんで負けるとかよっわwwwお前ほんとザコだろザーコザーコww』

なるほど。


「・・・ラコン。ムカつくのは仕方がない。だが暴れちゃいけない。ここは自分の家じゃないんだから」


「え?でもメンデル様は自分の家と思ってくつろいでくれって・・・」

何がおかしいの?みたいな目で見てくる。


「それは挨拶。だからって暴れては迷惑だろう?それにゲームなんだから暴れるほど怒らない!ほんと、すみません、メンデルさん」


「はは、いいよ。まあこの部屋がボロボロになっても変わりの部品や資材は無料で来るから構わないよ。この家が壊れるくらい暴れられたらこまるけど・・・程々にね?」


構わないんだ・・・無料?


「いやすみません、ラコンが暴れて壊してしまった分は弁償します!」


「弁償なんてしなくていいよ、代わりに、ソウタくんに頼みたいことがあるんだ。」

ニヤッと笑った。

「はい?」


「ラコンさんにも関係があるので聞いてほしいんだが、魔晶石を譲って欲しい」


「「!?」」


「ラコン?」

「すみません主、昨日のことメンデル様に話しました・・・」

「・・・それでなんで魔晶石がほしいんですか?」

「研究に使いたいんだ。私の研究じゃないが所属するグループの研究でね、魔晶石が必要なんだ。知っていると思うが、魔晶石は希少で値段がとても高い。なかなか手に入らないんだ。昨日ラコンさんから話を聞いてぜひ譲ってくれないかと」


「勝手に話したのは置いといて・・・魔晶石そんなにほしいんですか?」

「そうですよ!我の愛用品でございますよ!」


「愛用品? とにかくほしいんだよ!魔晶石はそもそも市場に出ていることが少なくて、出ていたとしても小石ほどの大きさなんだ。話によると抱えるほどの大きさだそうじゃないか!これはぜひもらいたいんだ!」


「ふーん。でも、なんで()()なんですか?買い取る、ならわかりますが」

「我の大事なコレクションでございますよ!」


「いや、魔晶石の値段はものすっごく高いんだ。それを買い取るなんて無理だよ」

「さっきスキエンティアについて話してましたよねぇ?お金が儲かるとかなんとか・・・」

「そ、それは・・・」

「まさか資金難じゃないですよねえ?無料で魔晶石をもらうつもりだったんじゃないですよね?やだなぁ~いくら優しいメンデルさんでもタダじゃわたすわけにはいきませんね~」」


「うーんわかった! 譲ってもらえるなら何でもする!そうだ!スキエンティアの製品をパンゲア商会の通販で何でも買ってあげよう!」


「・・・・・」


「・・・・・・・・よし!スキエンティアネットを使い放題にしよう!魔法と剣術を習っているんだろう?その資料を閲覧できるようにしよう!これでどうだ!」


「……」

「………」

両者にらみ合い、この間0,3秒


ラコン「差し上げます」

即決かよラコン!ゲームしたいだけだな!


「ラコンがいいと言ってますしまあいいでしょう。譲りましょう!」

高いってのは聞いてたからな。スキエンティアの話を聞いたときから利用できないかなと考えたんだ。

メンデルさんがやさしいからちょっと調子乗ったけどまあ結果オーライ。


「いやぁよかった。結構要求するねソウタ君。じゃほら、見せてくれないかな?魔晶石」

手をスリスリしておねだりしてくる。

「わかりましたよ、え~と。」


「パンドラボックス」にいろいろなものを収納しているから出すのが大変だ。中に入っているものはイメージでわかる。穴を出した状態でイメージすれば整理することが出来る。中の空間は無限に近いので時々森の木や草で棚やかごを作って整頓している。

中の空間イメージは4次元ポ◯ットに似ている感じだ。


「・・・ありました!割れないようそーっと出しますね。」

えーっと一個目。


「おお!これが魔晶石!紫色で神秘的だなぁ!」

二個目。

「二個目!これも大きいな!」

三個目。

「三個目。少し色が薄いね」

四個目。

「まだあるのか」

十二個目。

「・・・うん・・・ごめん、たしかにこれ全部をタダはひどかったね。・・・うん。ラコンさん、集めすぎ」

「いや~それほどでも~?」

褒めてはいない。いや褒めているのか?

整理していたら12個もあったんだ。三個ぐらいは洞窟の中で見たけど埋もれていたのがこんなにもあったなんて。俺も驚いている。


「うん。これだけあったら研究は進めることが出来る。感謝するよ。」

メンデルさんは魔晶石を一個一個大切に見ている。


「なんの研究に使うんですか?こんなに多くの魔晶石を」

「どんな研究かは詳しくは言えないけど、エンジンを作っているんだ。魔晶石を使うと騒音の少ない、軽くて軽量なエンジンが作れそうなんだ。失敗が多くてね、魔晶石を買うことが規制されちゃってね、こんなに質の良い魔晶石なら失敗せずに作れそうだよ」


「エンジン・・・?メンデルさんは遺伝子研究なんですよね?」

「ああ。知り合いにロボットを研究してるやつがいてね。私は「偉人」として監督者をしてるんだ。その動力部のエンジンを作るのに魔晶石が必要でね」


「なるほど。そのエンジンが完成したら僕にも見せてもらえますか?」

「もちろん!構造はかなり難しいけど、ソウタ君なら理解できるだろう。あ、車のエンジンとはぜんぜん違うよ?」

「お、そうなんですか」




「よいしょ、っと」

メンデルさんは魔晶石をAlexに命令して出した機械の上に置き始めた。

「メンデルさんその機械は?」

「これ?家庭向け物体転送機、愛称は「Mississippiミシシッピ」さ」

Alexでちょっと怪しかったけど今度はミシシッピ・・・アマ○ンを意識してないか?

「転送?そんなことできるんですか?」


「あ~これはこの世界独自だったね。これは召喚を応用しているんだ。召喚するとき、二つの魔方陣間は空間的につながっている。この機械はそれを利用して指定した場所に指定したサイズ以下なら何でも遅れる機械だよ」


「ほぉ~そんな便利なものが…スキエンティアに送るんですか?」

「そう。これで大丈夫か聞いておかないと。もしだめだったら申し訳ないけどソウタ君に返さないといけないからね。うちではこんな貴重なもの管理できる自信がないし」


「そうですよね。手伝いましょうか?」

「ああ。頼むよ。一個一個が落としそうで怖くて」


「・・・うん。OKだって。あちらでは発狂してる研究員が何人かいるね」

「発狂・・・」

「ありがとうソウタ君、ケイくんも。運ぶの手伝ってくれて」

「いえいえ。こちらこそ」


「終わりました~?主~?」

ラコンののんきな声が聞こえる。

ラコンのやつ自分に関係のなさそうと思った瞬間に地下室にゲームしに行きやがって・・・






一方、スキエンティア


「おいネモト!聞いたか!」

「なんだ騒々しい。そんなあわててお前らしくない」

「魔晶石がメンデルから届いたらしい!研究室が大騒ぎになっているぞ!」

「何?なぜもっと早く教えない?すぐ行く!」



「おお、おお。騒いでいるな馬鹿共」

「あ!ネモト所長!きましたよ魔晶石!」

「どれどれ…おお。これは、うん…上質な魔晶石!しかも12個も!でかしたぞ!我が魂友メンデル!」

「それでは所長・・・!」

「うむ!研究再開、そして召集の旨を旧プロジェクトメンバー全員に送れ!」



「皆研究中断伺いと研究参加願は提出してきたな? そうか。ではまだ事情をよく知らないものもいると思われるので説明する。ハシモト君」


「はい。今日この「H/Mプロジェクト」の監督を務める偉人:メンデル様から魔晶石が12個届きました。これにより課題だった動力エンジンの研究を再開することができることになりました。なお、この魔晶石は以前プロメテウス様がおっしゃっていた異世界転生してきた少年から譲られたとのことです」


「うまく購入禁止をくぐりぬけたな。これで製作を成功させることができるだろう。諸君、遅れた分思いっきり研究をしてほしい!我々ならできる!絶対プロジェクトを成功させよう!」


「「「「「オオオオォォ!」」」」」


研究員たちは各々のスペースの整理や器具の運搬、機材の整備を始めた。


そんな中ネモトは部屋の隅の布がかぶさっているところに歩いていった。


「埃がすごいな…あれから2年か。当たり前か。コードはつながったままだから・・・おい、起きれるか?」

布を取ると中には上半身だけのアンドロイドがうつむいた姿勢で吊られていた。


「……音波、温度、湿度ヨリ生体反応を確認、騒音レベルヨリ前方ニ人間ガイルコトヲ感知、「H/M」、起動します………ネモトさんですか?お久しぶりです」


「久しぶり。「H/M」すまない。2年間もほったらかしにして」


「いいんですよ。ほったらかしとはいえ私のブレインはずっとネットに繋がったままだったので一人じゃないから寂しくなかったですよ?ですが皆さんに会えなくて寂しかったです~」

ここで研究員たちの手が止まる。


「魔晶石が購入禁止になってから研究がどうにも進められなくなってしまってな。一時閉鎖するしかなくなってしまったんだ。今日魔晶石が手に入ったんだ、12個も!研究を再開することが出来る!」


「本当ですか?嬉しいです!それで皆さん、楽しそうなんですね?」

「そうなんだ。なんだかんだ言っても我々は君の研究をしている時が一番楽しいんだ。本当に魔晶石が手に入ってよかった。」


「それは良かったです!でもお体にはお気をつけてくださいね?私のために頑張ってくださるのは嬉しいのですがみなさんが体調を崩されるのは悲しいです。焦らず休みながら研究してくださいね?」

H/Mはニコッと笑った。



全員の動きが完全に停止した。


「あれ?みなさん?」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

「あああああああああああああああああああああああああああああああああ

「尊い!」「これは死ぬ」「おお神よ!(祈りお捧げながら)」「生きててよかった!(礼拝)」

顔を手で覆ったり泣き出す者もいた。


「ど、どうしたんです?泣いたりしちゃって・・・」

アワアワとH/Mは手を振る。

「き、君だけが私達の天使だ。俺たちの体を心配してくれるなんて、君だけだ。同志よ!「H/Mのためにも全力で頑張るぞ!」


「「「「「「「「オオォォォ!!」」」」」」」」」」


「ははは・・・皆さん、程々にしてくださいね?」

研究員たちのやる気に苦笑いしかなかった。


「わかったよ!「H/M」! 」





(ふふっあんなにはしゃいじゃって…子供みたいですね。でも魔晶石はどこから手に入れたんでしょうか?スキエンティアネットに接続…ハックモード発動……なるほど・・・あのメンデルさんから…………転生者?……ソウタさんという方ですか?…ああ、記事がありましたねぇ…ふむふむ、面白そうですね、あの量の魔晶石を提供してくださるなんて、どんな方でしょう?……分身プログラムを送っておきましょう。Alexには休んでもらって変わりに分身が…………………送信!・・・完了)


続く。



備考:H/M・・・・・・ネモトロボット総合研究所で開発中の自律可動型アンドロイド。戦闘やコミュニケーションを目的に発案された。アンドロイドによる魔法攻撃も同時に研究されている。人工知能は完成したが動力をまかなうエンジンの開発が難航し、研究停止をプロメテウスに言い渡された。


浪人したのでこれからは去年より書けるようになると思います。


なかなか更新しなくてすみませんでした。

ブックマークしてくれて外さなかった方々、心より感謝とお詫びを申し上げます。



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